貯金を運用する方法は?リスク別の手法とメリット・デメリットを解説

「これまでコツコツ貯めている貯金を運用してさらに増やしていきたいけれど、どんな方法を選べばいいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、投資初心者の方へ向けて、資産運用の方法について紹介します。それぞれの特徴やメリット・デメリット、どんな目的に適しているのかも解説しますので、参考にしてください。

目次

  1. 資産運用の前に知っておきたいこと
    1-1.リスクとリターンとは
  2. リスク・リターン別で考える資産運用の方法
  3. ローリスク・ローリターンの資産運用
    3-1.定期預金
    3-2.債券投資
  4. ミドルリスク・ミドルリターンの資産運用
    4-1.投資信託
    4-2.REIT(不動産投資信託)
    4-3.株式投資
  5. ハイリスク・ハイリターンの資産運用
    5-1.FX
  6. まとめ

1.資産運用の前に知っておきたいこと

資産運用において理解しておかなければならないのは、以下の2点です。

  • 資産運用にはさまざまな方法があるということ
  • 資産運用を行うならリスクとリターンについて考えること

資産運用の方法については後ほど詳しく解説しますので、まずはリスクとリターンについてみていきましょう。

1-1.リスクとリターンとは?

資産運用(投資)にはリスクとリターンがつきものです。

リスク(risk)とは、「将来いずれかのときに起こる不確定な事象とその影響」という意味です。日本語では「危険」や「危機」を指すことが多いのですが、悪いことだけに限らず、その可能性も含めた意味があります。

資産運用においてのリスクは、収益(リターン)の振れ幅を表すと考えておきましょう。リターン(return)には、利益や儲け、利益率といった意味があります。ただし、資産運用においては利益だけではなく損失が発生することもあります。

一般的に資産運用では、リスクが低いほどリターンが低く、リスクが高いほどリターンが高くなります。そして、資産運用の目的に応じて「ローリスク・ローリターン」「ミドルリスク・ミドルリターン」「ハイリスク・ハイリターン」の方法を選択することになります。

2.リスク・リターン別で考える資産運用の方法

リスク・リターン別の資産運用の方法について紹介しましょう。具体的には、以下のようになります。

ローリスク・ローリターン ・定期預金
・貯蓄型保険
・債券投資
ミドルリスク・ミドルリターン ・投資信託
・REIT(不動産投資信託)
・株式投資
ハイリスク・ハイリターン ・FX

それぞれの方法の特徴やメリット、デメリットについてみていきましょう。

3.ローリスク・ローリターンの資産運用

まずはローリスク・ローリターンの資産運用です。具体的には、以下のような方法があります。

  • 定期預金
  • 貯蓄型保険
  • 債券投資

これらの方法では、リスクを低く抑えながら資産を運用できます。コツコツと少しずつ資産を増やしたい方には向いているといえます。

それぞれの方法について詳しく解説します。

3-1.定期預金

最もリスクが低い資産運用の方法の一つが定期預金です。銀行に専用口座を作り、数ヶ月または数年単位でお金を預けることで、定期的に所定の利息を得ることができます。

定期預金のメリットとしては、以下の点が挙げられます。

  • リスクが少ない
  • 普通預金と比較して金利が高い

定期預金のリスクは、銀行が破綻した場合に預金が1,000万円までしか保証されないということです。逆にいえば、それ以外で損失が発生することは原則ありません。

また、普通預金の金利が年率0.001%程度であるのに対し、定期金利は0.01%程度となっており、普通に貯金をするよりは金利が高くなります。

一方で、定期預金のデメリットには以下のようなものがあります。

  • 金利が低い
  • 満期日まで預金は引き出せない
  • 1,000万円までの預金しか保証されない

定期預金は普通預金と比較すれば高いものの、資産運用全体で考えると金利は低いといえます。0.01%の金利の場合、100万円を1年間預けても100円の利息にしかなりません。

また、定期預金では基本的に満期日になるまで引き出すことはできません。

さらに、銀行が倒産した場合の預金保険制度では、1つの銀行で1,000万円までしか保証されません。そのため、1,000万円以上を預金する場合は、銀行を分けるなどの対策を講じたほうがいいでしょう。

3-2.債券投資

債券投資もリスクを抑えながら資産運用できる方法の1つです。

債券とは、国や自治体、企業などが資金を調達するための発行するものです。国債・地方債・社債・外国債などの種類があり、設定されている金利や特徴が異なります。

債券は償還期限まで保有した場合に額面金額が償還され、購入した金額がすべて戻ってくるという特徴があります。また、債券には発行元が決めたタイミングで利息を受け取れる「利付債」や、利息の受取が少ない分、償還時に購入金額よりも高い金額を受け取れる「割引債」などがあります。

債券投資では、以下のようなメリットがあります。

  • 銀行預金よりも金利が高い
  • 手軽に保有しやすい
  • 利益を計算しやすい

例えば個人向け国債では、下限金利が0.05%と決められており、銀行に預金するよりもリスクは高いものの、リターンは大きくなります。

また、債券は償還期間まで保有するだけで利息を受け取ることができます。債券選びは慎重に行わなければなりませんが、株式投資などと比較すれば、手軽に保有できるといえます。

さらに、債券は償還期間と利率があらかじめ決められているため、満期まで保有した場合にどれくらいの金額になるか計算しやすく、資産運用の成果や今後の使い道などを計画しやすいといえます。

一方で、債券投資には以下のデメリットがあります。

  • 信用リスクがある
  • 流動性リスクがある
  • 価格変動リスクがある
  • 為替変動リスクがある

信用リスクとは、債券の発行元が破綻したり、業績が悪化したりするリスクのことです。元本の払い出しや利息の支払いが遅れるケースや、最悪の場合は元本をすべて失うケースもあるため、発行体の信用度を調査して債券を購入する必要があります。

流動性リスクとは、売買に活発さがないことで売り買いが成立しないリスクのことです。債券を売却したいと思っても、買ってくれる人がいなければ、希望の金額で売れない可能性があります。そのため、発行量が多く人気の高い債券かどうかを確認するべきといえます。

価格変動リスクとは、価格の変動によって損失が発生するリスクのことをいいます。特に市場金利に影響を受けるケースが多いため、売却益を狙う場合は注意が必要です。

最後に、為替変動リスクとは、外国籍を保有する場合に関係するものです。ドルと円などの為替が変動することで損失が発生するリスクのことをいいます。為替差損によって、売却時に日本円に換算した場合に損失となる可能性があるため、為替の動向にも注意しなければなりません。

4.ミドルリスク・ミドルリターンの資産運用

次に、ミドルリスク・ミドルリターンの資産運用の方法についてみていきましょう。具体的には、以下のような方法があります。

  • 投資信託
  • REIT(不動産投資信託)
  • 株式投資

これらの方法では、中程度のリスクを取ることになり、リターンも相応に期待できるため、積極的に資産を運用したい方に向いている方法といえます。

それぞれの方法について詳しくみていきましょう。

4-1.投資信託

ミドルリスク・ミドルリターンでの資産運用の方法の1つが投資信託です。

投資信託とは、専門家(金融機関)に投資を信託して代わりに運用してもらう金融商品のことをいいます。専門家は投資家から資金を集めて株式や債券などに投資をすることで運用し、投資家は投資額に応じた分配金を受け取ったり、基準価額の上昇に伴い売却したりすることによって利益を得ます。

投資信託によって資産運用をするメリットには、以下のようなものがあります。

  • 少額から分散投資ができる
  • 専門家に運用を任せられる
  • 選択できる投資信託商品が豊富

投資信託では1,000円や10,000円といった少額から、世界中の投資商品に分散投資ができます。少額から投資できるため始めやすく、加えて分散投資によってリスクを分散できるため、リターンを狙いながら、資産運用を長く継続できやすい商品だといえます。

また、プロのファンドマネージャーに運用を信託でき、そのプロセスや結果をレポートで確認できるため、投資に対する知識が少なくても資産を運用することができます。

さらに、世の中にはさまざまな投資信託商品があるため、自分に合った投資信託を選択できるというメリットもあります。

一方で、投資信託には以下のようなデメリットがあります。

  • 運用コストが掛かる
  • 元本は保証されない
  • 短期間では利益を上げるのが難しい

まず、専門家に運用を信託するため、信託報酬などの費用が発生します。商品によってはコストが高くなり、思うようなリターンが得られない可能性もあるため、注意が必要です。

また、投資信託は銀行預金のように元本が保証されていません。運用成績によっては購入額よりも売却額が下回り、損失が発生するケースもあります。

さらに、投資信託は短期間で利益を上げたい方には向きません。中長期的の運用に適している投資手法であることを理解しておきましょう。

4-2.REIT(不動産投資信託)

ミドルリスク・ミドルリターンの資産運用方法としては、REIT(不動産投資信託)への投資も挙げられます。

REITとは、運用会社が投資家から集めたお金で不動産を購入し、その賃料収入や売買益などからの分配が期待できる金融商品のことをいいます。REITは証券市場に上場しているため、株式のように市場でリアルタイムに取引できるという特徴があります。

REITに投資するメリットは以下の通りです。

  • 不動産に少額投資ができる
  • 分散投資ができる
  • 専門家が運用してくれる

まず、不動産に少額投資できるというのがメリットです。REITは1口数万円~数十万円で購入可能です。実際の不動産を購入するよりも安く購入できるため、投資ハードルは比較すると低いといえます。

次に、複合型のREITへ投資することで、住宅やオフィス、ホテルなどさまざまな種類の不動産に分散投資ができるため、損失が発生するリスクを抑えられます。

また、一般の投資信託と同じように、専門家に運用を信託できるため、不動産への知識が少ない方でも不動産に投資できるというメリットがあります。

一方で、REITには以下のようなデメリットがあります。

  • 価格変動が激しい
  • 災害リスクが発生する
  • 運用している法人の倒産リスクがある

REITは現物不動産投資と比較して、価格変動が激しい金融商品となっています。市場や政局、経済状況によっては価格が大きく変動するため、売買には慎重な判断が必要になります。

また、投資先が不動産となるため、災害による被害がREITにも影響する可能性があります。特に日本は台風や地震など災害が多い国であるため、その影響を受けるケースは多いといえます。

さらに、REITを運用している不動産投資法人が万が一倒産した場合、REITは上場廃止となるほか、投資した金額が戻ってこなくなる可能性などがあります。

4-2.株式投資

株式投資とは、企業が発行する株式に投資することで、配当金や売却益を得ることを目的とした投資手法です。投資信託よりもリスクは高くなるものの、大きなリターンを期待することも可能です。

株式投資には、以下のようなメリットがあります。

  • 株式保有することで配当金や株主優待をもらえる
  • 株式の売却益を期待できる
  • 企業の意思決定に参加できる

株式投資では、株式を一定数保有することで定期的に配当金や株主優待を受けることができます。

配当金とは、企業の業績に応じて利益を分配する仕組みのことです。原則として利益が大きければ配当金も大きくなりますが、逆に業績が赤字の場合などでは、配当金が出ないケースもあります。

株主優待とは、企業が株主に対して提供する商品やサービスのことをいいます。企業が新しい株主を獲得するために行われており、自社製品や商品券など、優待の内容は企業によって異なります。

次に、株式投資では株式の売却益を期待できるというのもメリットです。購入時の金額よりも売却時の金額が高くなれば、それだけ売却益を得ることができます。良いタイミングで売却できれば、大きなリターンも期待できるのは、株式投資のメリットの1つです。

また、株式を保有することでその企業の株主総会における議決権を与えられ、企業経営に参加できるのも株式投資のメリットです。株主総会で決議案に賛成や反対の意思表示ができるのは、株式投資ならではのメリットといえます。

一方で、株式投資には以下のようなデメリットもあります。

  • 投資金額が高くなる
  • 思い通りの売買ができないことがある
  • 投資初心者にはハードルがやや高い
  • 債券同様のリスクがある

一般的な株式投資では、最低購入単位が100株と決められています。そのため、最低でも数万円~数十万円の投資額をあらかじめ用意しておく必要があります。100円や1,000円から投資できる投資信託と比較すると、初期投資額が高くなりがちなのがデメリットです。ただし、SBI証券ネオモバなど1株から投資できるサービスもあるため、少額から資産運用を始めたい方はこれらのサービスを検討すると良いでしょう。

また、株価は市場が開いている間は常時変動しており、思い通りの価格で売買ができないケースがあります。人気がなく売買が少ない(流動性が低い)銘柄の場合、売買注文が約定するまでに時間がかかってしまうリスクもあります。

さらに、証券市場に上場している企業は非常に多く、株式投資に必要な知識や情報も多いことから、投資初心者には少々ハードルが高いというデメリットもあります。

そして、債券と同じように上記の流動性リスクや価格変動リスクがあり、元本保証もされないため、資産を減らしてしまう可能性があるという点にも注意が必要です。

5.ハイリスク・ハイリターンの資産運用

ハイリスク・ハイリターンの資産運用方法について、代表的なものにはFX(外国為替証拠金取引)があります。

FXではレバレッジをかけることにより少額でも大きな取引ができるので、大きな利益を上げられる可能性がありますが、それだけ損失も大きくなりやすいのが特徴です。

それでは、メリットやデメリットについて解説します。

5-1.FX

FXとは、簡単にいえば円やドル、ユーロといった通貨を売買して、為替変動による差額によって利益を上げる投資手法のことをいいます。

FX投資のメリットとしては、以下の点が挙げられます。

  • 少額から大きな取引ができる
  • 売買手数料が低い
  • いつでも取引できる
  • 上昇局面でも下落局面でも利益を上げられる

FXのメリットの1つが、少額から大きな取引ができるということです。FXでは預けている資金(証拠金)に対してレバレッジを掛けることができるからです。

例えば、1ドル100円のときに100万円では1万ドル購入できますが、10倍のレバレッジを掛ければ10万ドル、20倍なら20万ドル分の通貨を購入できます。レバレッジを使えば効率よくお金を増やせる可能性があるというのが、FXの大きなメリットともいえます。

また、FXでは取引手数料が掛からない場合が多く、その代わりにスプレッド(通貨を購入する場合と売却する場合の差額)が実質的な手数料として発生します。スプレッドは外貨預金などと比較して非常に低く設定されているため、手数料コストは抑えられます。

次に、為替市場は平日であればほぼ24時間稼働しているため、いつでも取引することが可能です。そのため、日中仕事で忙しい方でも投資を行うことができます。

さらに、FXでは「買い」だけではなく「売り」からも取引を始めることができます。そのため、為替相場の上昇局面でも下落局面でも利益を狙える投資手法といえます。

一方で、FXには以下のデメリットがあります。

  • レバレッジを掛けるほど損失が大きくなる可能性がある
  • 寝ている間に損失が発生する可能性がある
  • 為替はさまざまな影響を受けやすい

まず、FXの大きなメリットであるレバレッジによって、損失が大きくなる可能性があります。無理なレバレッジをかけると資産を失うこともありますので、くれぐれも注意が必要です。

また、為替市場はほぼ24時間稼働しているため、自分が寝ているときに為替レートが急変する可能性もあります。朝起きたら大きな損失を抱えている、といった可能性があることも理解しておきましょう。

さらに、為替レートは政治情勢や経済情勢に大きく影響されます。ちょっとしたハプニングや国などの発表によって、レートが急変することもあります。為替レートはどう動くのか予想できるものではないということを前提に、リスク管理を慎重に行って投資する必要があります。

まとめ

今回は貯金を運用する方法と、それぞれの特徴やメリット・デメリットなどについて解説しました。

貯金を運用する場合は、どのような目的を持ち、どのような方法で運用するのかをじっくり考えて判断することが大切になります。自分に合った運用方法を模索して、資産を増やすための知識を身につけていきましょう。

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山本 将弘

山本 将弘

フリーランスWebライター。主に株式投資や投資信託の記事を執筆。それぞれのテーマに対して、できるだけわかりやすく解説することをモットーとしている。将来に備えとリスクヘッジのために、株式・不動産など「投資」に関する知識や情報の収集、実践に奮闘中。