IFAは個人投資家に様々なアドバイスなどをしてくれる存在です。最近は老後の資産形成のため貯蓄から投資へとシフトしているものの、「投資成果がなかなか出ない」「投資に踏み切れない」という悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、IFAの概要、メリット・デメリット、評判、利用する方法について詳しくご紹介します。プロに相談しながら資産運用を行いたい方、投資家目線の中立的なアドバイスが欲しいは、参考にしてみてください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定サービスの利用を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- IFAとは
- IFAのメリット
2-1.顧客目線で提案してくれる
2-2.IFAに対する手数料は原則無料
2-3.プロの提案で運用できる
2-4.ライフプランに合わせて相談できる - IFAのデメリット
3-1.購入時手数料が割高になることも
3-2.希望のIFA事業者や担当者を探すのは大変
3-3.相談料が必要な場合もある - IFAの評判
- IFAの利用方法と主な事業者
5-1.Fan
5-2.アイ・パートナーズフィナンシャル
5-3.CSアセット
5-4.投資信託相談プラザ - まとめ
1 IFAとは
IFA(Independent Financial Adviser)とは、投資の初心者から上級者までを顧客として、プロの目線で様々なアドバイスをしてくれる金融アドバイザーです。日本では、「独立系ファイナンシャルアドバイザー」や「独立系金融アドバイザー」などと呼ばれ、資産運用のプロとして個人投資家に様々なアドバイスなどを行います。
IFAは金融先進国と言われる欧米では広く知られた存在ですが、日本での知名度はあまり高くないのが現状です。日本で投資アドバイスをしてくれる専門家は銀行や証券会社の営業マンが代表的ですが、IFAはこれらの金融機関に属していないアドバイザーとなります。そのため、特定の金融機関に偏った商品選定などはなく、投資家目線による商品の選定や中立的なアドバイスが可能となっています。
また、資産運用の相談ができるFP(ファイナンシャルプランナー)もよく知られていますが、日本で活躍しているIFAは金融商品仲介業者の登録をしている事業者がほとんどで、FPと違って業務委託契約を結んでいる金融機関の商品を取次ぐことができます。
このほか、IFAの主な収入源は証券会社などの金融機関から受け取る手数料となっており、この点も顧客からのコンサルタント料などが収入源となるFPとは異なります。
2 IFAのメリット
ここからは、IFAを活用するメリットについて確認してみましょう。
2-1 顧客目線で提案してくれる
多くの証券会社や銀行などの金融機関では資産運用の相談を受け付けており、プロの目線から様々な提案やアドバイスをしてくれます。
しかし、これらの金融機関に属している金融アドバイザーは、自社商品を売ることも目的の一つです。そのため、自社の利益を優先することで顧客目線の提案ができず、場合によっては顧客にメリットの少ない商品を勧められることもあります。
一方、IFAは特定の金融機関に属していない独立した金融アドバイザーです。これにより、金融商品仲介業の業務提携を行っている証券会社の様々な商品を取次ぐことができるため、複数社の商品を比較しながらの顧客目線による提案が強みとなっています。
2-2 IFAに対する手数料は原則無料
IFAはFPなどと同様にライフプランに合わせた様々な投資アドバイスなどをしてくれます。しかし、相談料や顧問料などが必要になるFPとは異なり、原則手数料無料で相談できる点もメリットの一つです。
IFA事業者は金融商品仲介業者として登録を行っており、主な収入源は証券会社などの金融機関から受け取る手数料となっているため、投資家から相談手数料などを徴収する事業者はあまりいません。
2-3 プロの提案で運用できる
IFAを活用した投資ではプロの提案で運用できる点もメリットの一つです。IFA事業者の金融アドバイザーはかつて証券会社や金融機関などに勤めていた方も多く、プロの目線で様々な商品提案などをしてくれます。
また、金融業界では目まぐるしいスピードで新たな投資スキームの商品などが生まれます。IFA事業者はこれらの最新情報などにも精通しており、個人投資家では手に入りにくいような投資情報なども提供してくれることがあります。
このようなプロの提案に基づいて資産運用できると、様々な商品に投資できるだけでなく、投資初心者や上級者まで今後の投資に活かせる知識を蓄積することができます。
2-4 ライフプランに合わせて相談できる
ライフプランに合わせた相談が可能な点もIFAを活用するメリットです。IFA事業者には金融機関出身者などが多数在籍しており、中にはFP資格を持った保険や年金に精通しているアドバイザーや税理士資格を持ったアドバイザーもいます。そのため、住宅ローンや保険なども含めたライフプランに合わせた相談も可能です。
なお、銀行や証券会社などにもライフプランに合わせた相談に乗ってくれる金融アドバイザーはいます。しかし、自社商品を売ることが目的であったり、転勤の多い金融機関は担当者の交代も多かったりするため、ライフプランに合わせた長期的な相談には向いていない場合もあります。
その点、IFAは顧客優先の提案が可能で、金融機関ほど担当者の交代が頻繁ではないことなどからライフプランに合わせた長期的な視点の相談にも向いています。
3 IFAのデメリット
資産運用の相談でIFAを活用する際は、以下のポイントに注意することが大切です。
3-1 購入時手数料が割高になることも
長期の投資目的で購入することの多い投資信託には、購入時に負担する販売手数料、投資信託の保有期間に応じて発生する信託報酬、投資信託を換金する際に発生する信託財産留保額という3つの手数料があります。
IFAの取次ぎで投資信託を購入する場合でも、ファンドごとに定められている信託報酬と信託財産留保額の負担は同じです。しかし、販売手数料については、IFAの取次ぎで購入する場合、1~4%ほどの手数料が発生するケースもあります。ネット証券を中心に販売手数料無料のノーロード商品も多く販売されているため、IFAを活用して投資を行う場合は、商品購入時の手数料についてきちんと確認することが大切です。
また、株式や為替などの取次ぎについても同様に手数料が高くなるケースが多くなります。対面型の証券会社などと比較すると割安に設定されている場合もありますが、ネット証券などで直接売買するよりもコストがかかることがある点には事前の理解が必要です。
3-2 相談料が必要な場合もある
IFA事業者に対する手数料は原則無料ですが、中にはコンサルタント料や顧問料などの名目で費用が発生する事業者もあります。また、ライフプランニングの相談などで別途料金を設定している事業者もいるため、IFA事業者を決める前には費用の確認が大切です。
3-3 希望のIFA事業者や担当者を探し出すのは大変
IFA事業者には様々な会社があり、それぞれ多くのアドバイザーが在籍しているものの、その中から自分の希望に合った事業者や担当者を見つけるのは大変です。
また、東京や大阪などの都市部では多くの事業者がオフィスを構えているため、セミナーなどに参加することで比較的多くの事業者とコンタクトをとることも可能ですが、地方都市などではセミナー開催なども限られているため、事業者探しや担当者探しで苦労する点はデメリットです。
4 IFAの評判
IFAの利用者からは手数料やサービスについて次のような口コミが寄せられています。IFAの評判についても確認してみましょう。
- 収支バランスに合った商品を提案してくれる
- プロの目線で中立的なアドバイスをもらえる
- 比較的リスクの高い商品も専門的なアドバイスを受けることで運用できている
- 丁寧なサポートのおかげで今後も継続できそう
- 投資経験者だが、運用益はあまり出ない上、手数料負担が重く感じた
投資家に合わせた商品選定や丁寧なサポートに対する肯定的な意見や感想が多く寄せられており、投資初心者の方から経験者の方まで好評です。特に、投資初心者の方からは知識を身につけながら投資経験を積める点などが高く評価されており、長い目で投資を続けていこうと考えている方には適したサービスとなっています。
一方、手数料がネット証券などで取引する場合よりも高くなることや、運用成果がなかなか出ないという口コミもあります。IFAを活用した投資でも持続可能な投資スタイルを築くことは重要で、最終的な投資判断は自己責任で行う必要があります。これらの点を事前に認識した上で、IFAの活用を判断することが大切です。
5 IFAの利用方法と主な事業者
まずは相談するIFA事業者を決め、その後の商品選定などに合わせて証券会社などに口座を開設する流れで取引を開始することができます。例えば、多くのIFA事業者と業務提携しているネット証券大手のSBI証券では、相談したいIFA事業者の検索が可能となっています。
利用したいIFAが見つかれば、IFA事業者のサポートを受けながら口座を開設するとすぐに取引できるようになります。一方、すでに口座を開設している場合は、「インターネットコース」からIFAに対応した取引コースへの変更が必要になるので、「お問い合わせはこちら」で変更方法などを確認しておきましょう。
また、楽天証券では、お金に関する質問に答えると、その診断結果をもとに楽天証券の提携しているIFAからアドバイスを受けることが可能です。
詳細を相談したい場合は無料チャットなどを利用しながらIFA事業者を選定することもできるほか、掲載されているセミナーに参加してIFA事業者を探すことも可能です。契約したいIFA事業者が見つかれば、直接その旨を事業者に伝えることで、その後の口座開設なども全てサポートを受けながら手続きすることができます。
主なIFA事業者としては、例えば以下の会社が挙げられます。
5-1 Fan
FanはSBI証券と楽天証券の提携IFAで、通常の資産運用コンサルティングに加え、保険の見直しや企業向けの確定拠出年金コンサルティング、決算・税金対策など、個人・法人向けに幅広い金融サービスを提供しています。
また、2021年8月からは、AlpacaJapanおよびSBI証券と提携し、AIを活用した株式投資ができるロボアドバイザー「アルパカロボ」の提供をスタートしています。国内株式を対象としたアドバイス型のロボアドバイザーのため、株式投資を支援してもらう使い方に向いています。なお同社では、投資一任型のロボアドバイザーに関心のある方に向けて、ウェルスナビの運用支援も行っています。
5-2 アイ・パートナーズフィナンシャル
アイ・パートナーズフィナンシャルは金融商品仲介業を軸としてIFAによる個人投資家への金融サービスを提供する会社です。2021年6月23日に東証マザーズに上場したばかりで、札幌から新宿、名古屋、大阪、広島、福岡などの全国各地に拠点を設けています。
また、同社は金融商品仲介業としてSBI証券や楽天証券、エース証券、あかつき証券の金融商品を取次ぐことができ、近年堅調にIFAによる取扱いを増やしている事業者です。
5-3 CSアセット
CSアセットは名古屋を拠点に札幌から熊本まで全国に支店を設けているIFA法人です。金融商品仲介業としてSBI証券や楽天証券、あかつき証券と業務委託契約を結んでおり、各社の金融商品を取次ぐことができます。
また、金融商品仲介業と併せて保険代理業なども行っており、SOMPOひまわり生命やオリックス生命、メットライフ生命などの保険も扱うことで最適なライフプランの提供をしてくれます。
5-4 投資信託相談プラザ
投資信託相談プラザは、初めての投資信託選びから今後の資産形成、保険選びなどをトータルでサポートしてくれるIFA事業者で、東京や名古屋、大阪、福岡などの拠点で営業を行っています。
投資信託相談プラザではSBI証券と楽天証券の金融商品が取次ぎ可能で、自動で資産運用のお手伝いをしてくれるロボアドバイザーサービスのウェルスナビとも提携し、様々な提案を行ってくれます。
まとめ
IFAはプロとして様々なアドバイスをしてくれるだけでなく、顧客目線での提案もしてくれる存在です。そのため、投資初心者から経験豊富な上級者の方まで投資家の状況に応じて活用できるサービスとなっています。
特に、IFAの事業者選びでは、「自分に合ったIFAを探せるかどうか」がポイントになるため、メリット・デメリットをしっかりと把握した上で検討することが大切です。
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