クラウドクレジットの貸し倒れや返済遅延は?投資リスクの対策も

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ソーシャルレンディングは投資対象として、多くの人々に知られるようになってきました。そのなかでも、2024年1月時点で融資額が535億円を超えるクラウドクレジットは、社会的な課題を解決し利益を得る社会的インパクト投資への投資機会を個人投資家にも供給するサービスで、利回り面でも比較的高い水準が特徴的なソーシャルレンディングです。

しかし、クラウドクレジットで主に募集されている新興国への投資案件には日本国内での投資とは異なるリスクがあります。実際に投資を始める前にリスクを把握し、必要な対策を講じておくことが大切です。

そこで今回は、クラウドクレジットの貸し倒れや返済遅延などの注意点と投資リスクについて解説します。クラウドクレジットでの投資を検討されている方はご参考下さい。

目次

  1. クラウドクレジットとは
  2. クラウドクレジットの貸し倒れと返済遅延
    2-1.カメルーン支援ファンド
    2-2.クラウドクレジットでは返済遅延や元本割れが起きている
  3. クラウドクレジットの投資リスクへの対策
    3-1.投資資金を集中させず、分散投資を行う
    3-2.利率が高すぎない案件を選ぶ
  4. まとめ

1.クラウドクレジットとは

クラウドクレジット

クラウドクレジットに関するニュース

クラウドクレジットの概要

クラウドクレジットは海外案件に特化したソーシャルレンディングサービスです。社会的な課題を解決し利益を得る社会的インパクト投資とコモディティや未上場企業の株式を指すオルタナティブ投資を扱っています。

クラウドクレジットには主に新興国や南米、ヨーロッパなどの企業や個人を対象にしたファンドがあります。配当金の分配は満期のものが多く、ファンドによっては2年間で半年に一回ずつなど期間が異なる点も特徴の1つです。

運用期間に目を向けてみると7ヶ月~66ヶ月と幅があり、期間を選んだ運用ができます。貸付通貨に関しても、円・ドル・ユーロなど幅広い地域に対して分散投資を行っています。

また、クラウドクレジットの利回りは6.0%~9.8%(2024年1月時点)と、他のサービスと比較してもハイリスクな案件が中心となります。リスクが高い案件には高リスクのファンドであることをサイト上で示している点も特徴的です。

2.クラウドクレジットの貸し倒れと返済遅延

ソーシャルレンディングでは、貸付先企業から貸付金が返済されない「貸し倒れリスク」や、満期までに返済が行われない「返済遅延リスク」があります。

どちらもソーシャルレンディングサービスを提供している事業者だけではなく、出資者にもマイナスであるため、よく確認しておく必要があります。

クラウドクレジットの過去の貸し倒れや返済遅延について、詳しくみていきましょう。

2-1.カメルーン支援ファンド

2021年9月にクラウドクレジットのカメルーン支援ファンドで貸し倒れの可能性があることが報じられました。(参照:日本経済新聞「カメルーンファンド9割元本割れも、ソーシャル融資岐路)

クラウドクレジットのサイトでは、2021年11月24日にこの件についての質問と回答を掲載していますので、投資を検討されている方は一度確認をされておくと良いでしょう。

【関連サイト】クラウドクレジット「カメルーン中小企業支援プロジェクトおよび カメルーン農業支援ファンドに関するご質問につきまして」(PDF)
【関連サイト】クラウドクレジット「運用状況・運用実績のご報告 カメルーン中小企業支援プロジェクト」

なお、貸し倒れは、資金を貸付けた事業者が返済できず、破綻し資金回収ができなくなったことを指します。カントリーリスクを加味したうえで、貸し倒れがサービス開始当初から今まで1件もなかったことを考慮すると、クラウドクレジットでは貸付先の事業者を慎重に選定していることがわかります。

クラウドクレジットでは投資金の元本を保証していないため、今後も貸し倒れが起きる可能性はあります。複数の案件に分散して投資するなど、貸し倒れのリスクを回避する対策が大切です。

2-2.クラウドクレジットでは返済遅延や元本割れが起きている

クラウドクレジットでは、欧州向けの個人向けローンファンドや消費者向けのローンファンドで、過去に数件の返済遅延が起きています。

返済遅延が起きた時のクラウドクレジットの対応として、全損となる前にローンファンドの対象を広げたり、財産の回収や売却を行ったことによって出資者への還元が行われました。

分配金の遅延は、そのまま貸し倒れどうなる可能性があります。通常通りの運営ができていれば、返済ができないといったパターンに陥らないためです。

新興国の情勢は現地での金融政策などにより変わりやすく、今まではプラスとできていた運用が急にマイナスとなる可能性があります。このような返済遅延のリスクについてあらかじめ把握しておくことが大切です。

また、2021年10月期までに償還済みのファンド数960に対して、償還時元本割れ件数161となっており、一定の割合で元本割れが起こっている点にも注意が必要です。元本割れが起こることを念頭に置いて、ファンドへの分散やアセットクラスの分散を図ることが大切です。

3.クラウドクレジットの投資リスクへの対策

クラウドクレジットの投資リスクについて、どのような対策をすれば良いのでしょうか。それぞれ見て行きましょう。

3-1.投資資金を集中させず、分散投資を行う

投資資金を1つの案件に集中させずに、様々な案件に分散投資を行いながら資産を増やしていくことが大切です。

また、異なる案件でも一つの国や同一系統の事業者に資金を集中させてしまった場合、カントリーリスクや業界全体の業績不振によるリスクを分散させることが出来ません。投資先の国や事業者についても確認し、上手く投資金が分散されるように注意しましょう。

3-2.利率が高すぎない案件を選ぶ

クラウドクレジットは2021年10月期までに161件の元本割れが起きています。これは、利率が高いものも含め、新興国や個人を主体としたローンなどが商品の主体である点が原因の一つと考えられます。

高利回りのソーシャルレンディング案件では、貸付先の企業が負っている貸付金利も比例して高くなり、毎月の返済金も増額します。案件を選ぶ際は、利回りだけでなく貸付先の事業者についても調べ、慎重に検討することが大切です。

まとめ

クラウドクレジットでは、2021年後半にカメルーンファンドで大規模な返済遅延や元本割れが発生している事例があります。

そのため、一つの案件に資金を集中させず分散し、貸し倒れや返済遅延のリスクを回避した投資を行っていくことが重要だと言えるでしょう。また、利回りだけでなく貸付先の企業についても良く確認し、貸付金の返済ができるのかどうか、慎重に検討するようにしましょう。


※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

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