物価高や金利上昇が進むなか、不動産投資では立地の重要性がこれまで以上に高まっています。収益性を左右するのは、家賃を適切に引き上げられる物件かどうかです。ただし、すべてのエリアで家賃を引き上げられるわけではありません。
本コラムでは、物価高や金利上昇の局面でも賃貸需要を維持し、家賃が上がる可能性のある立地について解説します。
目次
- 物価高・金利上昇時代に求められるアパート経営とは
- 部屋のタイプ別で見る募集家賃の上昇率
2-1.単身者向け物件は上昇率20%超えの都市も
2-2.カップル向け物件は「東京23区」が家賃上昇率1位
2-3.ファミリー向け物件は「福岡市」が家賃上昇率1位 - 家賃が下がりにくい・上がる可能性のある立地の共通点
3-1.人口が流入している
3-2.雇用が集中している
3-3.交通利便性が高い
3-4.大学・病院が集積している
3-5.新築供給が過剰ではない - 賃貸需要を維持しやすいアパートを提案する不動産投資会社
4-1.株式会社シノケンプロデュース - まとめ
1 物価高・金利上昇時代に求められるアパート経営とは
アパート経営は、所有する住戸を入居者に貸し、賃料を得ることで成り立つ事業です。しかし、物価高や金利の上昇が進む局面では、これまでと同じように利益を確保することが難しくなります。以下のような費用が増加し、満室を維持するだけでは利益が圧迫されやすくなるためです。
- ローン返済額
- 共用部の電気料金
- 原状回復費
- 修繕・メンテナンス費
- 建築費
- 管理費、など
こうした状況で利益を確保するうえで重要になるのが、家賃を適切に引き上げられる物件であることです。ただし、どの物件でも物価上昇に合わせて家賃を引き上げられるわけではありません。たとえば、築年数の経過した物件や利便性の低い物件では、家賃を引き上げると入居者が集まりにくくなることが想定されます。
つまり、物価高・金利上昇局面のアパート経営では、家賃が下がりにくい「選ばれ続ける物件」を選ぶことが重要です。実際に家賃が上昇している地域があるため、次項で確認します。
2 部屋のタイプ別で見る募集家賃の上昇率
アパートの家賃は、物価上昇や建築費の高騰、人口流入などを背景に、上昇傾向が強まっている地域があります。どの程度上昇しているのかを、アットホームが公表する募集家賃動向(アパート)をもとに、部屋のタイプ別に確認します。
2-1 単身者向け物件は上昇率20%超えの都市も
30㎡以下の単身者向け物件では、前年同月と比べて20%以上上昇した都市もあります。以下の表で確認しましょう。
| 順位 | 都市 | 上昇率(平均家賃) |
|---|---|---|
| 1位 | 札幌市 | 23.9%(41,757円) |
| 2位 | 福岡市 | 16.5%(51,200円) |
| 3位 | 東京23区 | 11.3%(74,666円) |
※参照:アットホーム「2026年4月 全国主要都市の「賃貸マンション・アパート」募集家賃動向」より抜粋
札幌市は平均募集家賃が41,757円となり、前年同月比で23.9%上昇しています。3位の東京23区も、10%以上の上昇です。
2-2 カップル向け物件は「東京23区」が家賃上昇率1位
カップル向け物件は、30㎡超〜50㎡以下の部屋を指します。1位の東京23区は、前年同月比で10.9%の上昇となっています。
| 順位 | 都市 | 上昇率(平均家賃) |
|---|---|---|
| 1位 | 東京23区 | 10.9%(127,077円) |
| 2位 | 福岡市 | 8.6%(73,920円) |
| 3位 | 神奈川県 | 7.4%(85,148円) |
※参照:アットホーム「2026年4月 全国主要都市の「賃貸マンション・アパート」募集家賃動向」より抜粋(アパートの数値)
「単身者向け」「カップル向け」「ファミリー向け」の3タイプのうち、カップル向けは上昇率がやや抑えられていますが、3位の神奈川県でも前年同月比で7.4%上昇しています。
2-3 ファミリー向け物件は「福岡市」が家賃上昇率1位
ファミリー向け物件は、50㎡超〜70㎡以下の部屋を指します。福岡市が前年同月比で14.3%上昇し、1位となっています。
| 順位 | 都市 | 上昇率(平均家賃) |
|---|---|---|
| 1位 | 福岡市 | 14.3%(103,536円) |
| 2位 | 東京23区 | 10.1%(174,935円) |
| 3位 | 埼玉県 | 8.7%(96,319円) |
※参照:アットホーム「2026年4月 全国主要都市の「賃貸マンション・アパート」募集家賃動向」より抜粋(アパートの数値)
3つのカテゴリーすべてにランクインしたのは、東京23区と福岡市です。いずれも人口流入が続くエリアであり、部屋のタイプを問わず家賃が上昇しています。
3 家賃が下がりにくい・上がる可能性のある立地の共通点
家賃が実際に上昇している状況を確認しました。では、家賃が下がりにくく、上がる可能性のある立地には、どのような共通点があるのでしょうか。5つの観点から見ていきます。
3-1 人口が流入している
家賃が下がりにくく、上がる可能性のあるエリアの大きな特徴は、人口流入が続いていることです。居住希望者が増える地域では住宅需要も高まるため、家賃を下げなくても空室が埋まりやすくなります。とりわけ20〜30代の単身者や共働き世帯が流入する地域では賃貸物件の動きが活発で、こうした傾向が強くみられます。利便性を重視し、相場より高くても条件の良い部屋を選ぶ層がいるためです。
以下の表は、「住民基本台帳人口移動報告2025年」から抜粋した「20〜24歳」「25〜29歳」「30〜34歳」別の転入超過数(日本人移動者)の上位5位までをまとめたものです。
| 順位 | 20〜24歳 | 25〜29歳 | 30〜34歳 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 東京都(57,263人) | 東京都(20,642人) | 埼玉県(2,989人) |
| 2位 | 神奈川県(17,363人) | 神奈川県(5,834人) | 千葉県(1,624人) |
| 3位 | 大阪府(8,567人) | 大阪府(4,025人) | 神奈川県(1,201人) |
| 4位 | 埼玉県(6,372人) | 埼玉県(3,390人) | 兵庫県(925人) |
| 5位 | 愛知県(1,572人) | 愛知県(595人) | 福岡県(804人) |
※参照:e-Stat「住民基本台帳人口移動報告2025年」より抜粋(日本人移動者)
若い世代の流入が多い地域では賃貸需要が強く、家賃は下がりにくく、上昇する可能性があると考えられます。反対に、人口が減少している地域では賃貸需要が弱く、物価が上昇しても家賃を引き上げにくい状況が続くと考えられます。
3-2 雇用が集中している
雇用が集まる地域でも、継続的に賃貸需要が生まれます。オフィスやIT企業、金融、行政機関などが集中するエリアでは、通勤の利便性を求めて近隣に住居を構える人が多いためです。
とりわけ高所得の雇用が多いエリアでは、賃料の負担能力が高い入居者が集まりやすく、家賃の上昇が受け入れられやすいと考えられます。東京都心部の賃貸市場が堅調なのも、大企業や成長産業の集中が背景にあるといえます。
なお、令和3年経済センサス‐活動調査によると、三大都市圏(東京都・大阪府・愛知県)の事業所数・従業者数(全事業所)は以下のとおりです。
| 都道府県 | 事業所数 | 従業者数 |
|---|---|---|
| 東京都 | 636,132 | 10,093,781人 |
| 大阪府 | 474,300 | 4,764,797人 |
| 愛知県 | 304,916 | 4,056,894人 |
※参照:e-Stat「令和3年経済センサス‐活動調査」より抜粋(全事業所)
反対に、雇用が減少しやすいエリアでは人口流出が起きやすく、空室の競争によって家賃の下落圧力が強まる傾向があります。雇用は賃貸需要を支える基盤の一つといえます。
3-3 交通利便性が高い
交通利便性の高い地域は、景気や金利環境が変わっても住宅需要が落ちにくい傾向があります。最寄り駅まで徒歩圏で、さらに主要エリアへ短時間で移動できる立地は、通勤・通学の負担を減らせるため、多くの人に選ばれやすいからです。
とりわけ複数路線を利用できる駅や、東京都内であれば山手線・地下鉄沿線などは、賃貸需要が安定していると考えられます。家賃がやや高くても移動時間の短さから選ばれやすく、家賃を引き上げやすい傾向があります。
一方、最寄駅から遠いエリアは近隣エリアとの競争が起きやすく、家賃の下落圧力を受けやすい傾向があります。
3-4 大学・病院が集積している
大学や大規模病院が集まる地域は、安定した賃貸需要を生みやすい傾向があります。大学には学生のほか教職員、病院には医師や看護師、関連スタッフなど多くの人が集まり、単身・ファミリー向けのいずれの物件も継続的な住宅需要が見込めるためです。
さらに、教育機関や医療機関は景気変動の影響を受けにくく、地域の雇用基盤になっているケースも多くあります。こうした施設が複数存在するエリアは人口の流動性が高いため、空室リスクを抑えながら家賃を維持しやすいと考えられます。
なお、以下は都道府県別の大学・大学院の学生数の上位5位をまとめた表です。
| 順位 | 都道府県 | 学生数 | 学校数 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 東京都 | 794,719人 | 143校 |
| 2位 | 大阪府 | 262,998人 | 58校 |
| 3位 | 愛知県 | 196,363人 | 53校 |
| 4位 | 神奈川県 | 191,531人 | 33校 |
| 5位 | 京都府 | 173,902人 | 34校 |
※参照:e-Stat「学校基本調査(令和7年度)」より抜粋
大学に近いエリアでは入居者を単身者層に絞り込みやすく、設備や仕様を検討しやすいという利点もあります。
3-5 新築供給が過剰ではない
どれだけ人気の高い地域でも、新築供給が過剰になると家賃は下がりやすくなります。需要より供給が多くなると空室の競争が起き、値下げやフリーレントを実施しなければ入居者を確保できない可能性があるためです。
反対に、人口流入が続いているのに新築供給が限られているエリアでは、既存物件にも需要が波及しやすく、家賃の上昇につながる傾向があります。とりわけ都心部では土地の不足や建築費の高騰により供給が制約されやすく、それが家賃を押し上げる要因にもなっています。
4 賃貸需要を維持しやすいアパートを提案する不動産投資会社
物価高や金利が上昇する局面で不動産投資から安定した収益を得るには、家賃を維持しやすい物件を保有することが重要です。
新築アパートでは、土地の仕入れに強く、入居者に選ばれやすい物件を提案する不動産投資会社が選択肢となります。以下では、そうした会社の一社を紹介します。
4-1 株式会社シノケンプロデュース
| 会社名 | 株式会社シノケンプロデュース |
| セミナーURL | https://www.shinoken.com/ |
| 本社所在地 | 東京都港区浜松町二丁目3番1号 日本生命浜松町クレアタワー |
| 売上高 | 1,309億75百万円 (2025年12月期) ※グループ全体 |
| 社員数 | 1,224名(2025年12月末現在)※グループ全体 |
株式会社シノケンプロデュースは、投資用アパートの企画・開発・販売を展開するシノケングループの中核企業です。首都圏をはじめ、福岡・大阪・名古屋・仙台などの主要都市を中心に、これまで8,000棟以上のアパートを供給しています。
同社物件の賃貸管理を担うのが、グループ会社のシノケンファシリティーズです。2025年12月末時点で53,000戸以上の管理実績を有し、自社企画開発物件の入居率は99.0%(2025年年間平均)となっています。
高い入居率の背景として、2つの点を取り上げます。
資産価値の高い土地を提案
同社が土地の仕入れに強みを持つ背景には、独自の不動産ネットワークがあります。1990年の創業以来35年以上にわたり事業を展開し、全国の不動産事業者と連携しています。これにより、一般の市場に流通していない未公開物件を紹介できる場合もあります。
また、土地の選定にあたっては、以下のような基準を設けています。
- 駅徒歩10分圏内
- 大都市圏のターミナル駅から電車で30分圏内
長期的な賃貸需要の確保に向けて利便性と生活環境を重視し、路線価や道路付けなどの調査に基づいて土地を選定しています。
デザイン性と機能性を両立した物件を提供
同社が手がけたアパートには、グッドデザイン賞を受賞した物件が複数あります。また、IoT設備を搭載した「インテリジェントアパート」も開発しており、機能性の面でも特徴があります。
住宅性能表示制度の劣化対策等級3に準拠するなど、耐久性にも配慮されています。耐震性についても、同社の公表によれば、東日本大震災の際に仙台市内へ所有していた100棟以上の企画物件で、倒壊・半壊や液状化による被害はなかったとされています。
また、木造アパートでありながら、金融機関による最長35年の融資期間に対応している点も特徴です。
シノケンプロデュース一棟アパート経営の特徴
| 主要エリア | 首都圏・福岡・名古屋・大阪・京都・神戸・仙台 |
| 投資対象 | 新築アパート |
| 販売実績 | 8,000棟以上 |
| 管理戸数 | 53,000戸以上(2025年12月末時点) |
| 入居率 | 99.0%(2025年年間平均/自社企画開発物件) |
なお、シノケンではアパート経営に関する無料セミナーを定期的に開催しています。不動産投資のリスクとその対策、自己資金を抑えた投資手法、長期的な満室経営のポイントに加え、不動産市況や金融機関の融資動向などを体系的に学べる内容です。オンライン形式での受講にも対応しています。
まとめ
物価高や金利上昇が進む時代のアパート経営では、単に満室を維持するだけでなく、「家賃を維持・上昇できる立地」を選ぶことが重要になります。
実際に、人口流入が続く都市部では家賃の上昇が見られており、とりわけ雇用集積地や交通利便性の高いエリア、大学・病院が集まる地域は安定した賃貸需要が期待できます。そのため、利回りだけを重視するのではなく、物価高・金利上昇下でも「選ばれ続ける立地・物件」を見極めることが重要です。
また、そうした物件を提案する専門業者をパートナーとすることも、資産を守るうえで有効といえます。本コラムでは、賃貸需要を維持しやすいアパートを提案する不動産投資会社も紹介しました。投資判断の参考としてご活用ください。
倉岡 明広
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