ソーシャルレンディング比較サービス「クラウドポート」を運営する株式会社クラウドポートは10月31日、急成長を続けているソーシャルレンディング(貸付型/融資型クラウドファンディング)市場規模に関するレポート「2017年度 上半期ソーシャルレンディング業界レポート」を公表した。
ソーシャルレンディングはお金を投資したい一般投資家とお金を必要としている人・会社をインターネット上でマッチングするFintechの一分野だ。欧米でインターネットを利用した個人間融資のモデルとして立ち上がり、日本国内では個人投資家から小口で集めたお金を大口化し借り手企業に融資する法人融資のかたちで成長している。数万円程度の小口から投資ができること、利回りが高く安定した配当が得られること、金融知識によって投資成績に差がつきにくいことといった特徴がある一方で、元本割れのリスクがあることに注意が必要だ。
同社が発表したレポートによると、日本国内ではソーシャルレンディング市場規模が2008年から少しずつ増え2013年頃から成長の勢いを増している。2014年143億円、2015年310億円、2016年533億円と、2014年から2015年にかけて2.1倍、2015年から2016年では1.7倍のペースで市場規模を拡大しており、2017年には1000億円の市場規模が予想されている。
市場拡大に伴い、2014年には6社だったソーシャルレンディング事業者は2017年時点で23社と増加している。購入型クラウドファンディングCAMPFIREが参入を表明するなど、引き続き魅力的な事業者のソーシャルレンディング参入が期待される。
クラウドポートは、アメリカの2015年における市場規模が227億ドル(約2.5兆円)に達していることを受けまだ日本市場の伸びる余地は充分にあるものと推測している。ソーシャルレンディング事業者は不動産案件を主に扱う事業者が主であったが、現在では再生エネルギー案件や海外案件など、投資家が様々な案件の中から投資先を選べるようになってきた。ソーシャルレンディングに新規参入する事業者は投資家獲得に向けたキャッシュバックキャンペーンを実施するなどの積極的な取り組みを行っていることで業界の平均利回りが高まっているため、投資対象として考えてみることもおすすめだ。
平井真理
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