日本の投資家は自分の投資知識に自信が低め?シュローダーが世界の個人投資家2万3千人対象に意識調査

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シュローダー・インベストメント・マネジメント(シュローダーIM)株式会社は7月6日、「シュローダー・グローバル投資家意識調査2022」の結果を公表した。個人投資家の投資動向や投資意識を把握することを目的に、世界33の国/地域の2万3000人(うち日本1000人)超の投資家を対象に、オンラインで実施。調査結果は3つのテーマに分けて順次発表予定で、第一弾は「投資家の自信」をテーマに分析し、「世界の投資家が投資を通じた企業への意思表示に意欲的であること、自信を持って投資を行うための投資教育が求められている実態が明らかになった」としている。だが、日本の投資家の意識は少々異なるようだ。

調査対象の投資家のうち89%は「株主として個人投資家が企業の意思決定に影響力を発揮すべき」と考えている。60%の投資家は「そうするだけの力が自分にある」と考える一方、29%は「自分には影響力を発揮するだけの力がない」と考えている。日本の投資家は「株主として企業の意思決定に影響力を発揮すべき」と考えるが、「自分にはその力がない」と考える割合が49%と世界全体に比べて大きく、他の調査対象国と比較しても最も高い割合だった。

世界の投資家の回答を投資知識レベル別(自己申告)に見ると、投資知識レベルが高いほど、企業の意思決定に影響力を発揮すべきと考え、かつ、そうするだけの力が自分にあると考える割合が高い。世界の投資家は、ファンドを通じた投資を行う際も、投資するファンドが自身の価値観や理念に沿っていることを重視する傾向にあり、66%が重要回答(非常に重要、重要の合計)した。日本の投資家は世界に比べてその割合が低く、50%(同)に止まった。

「日本の投資家は自分の投資知識に対して自信を持つ割合が世界の投資家に比べて低い。自分の将来に影響を与える投資判断を、自信を持って行えるだけの十分な知識が自分にはあると答えた投資家の割合は、世界の投資家全体では66%(非常にそう思う、そう思うの合計)であったのに対し、日本の投資家はわずか25%だった。この回答は、世界の投資家でも知識レベルによって開きがあり、専門家/上級レベルの投資家では82%が自信を持って投資判断するだけの十分な知識が自分にはあると回答したのに対し、中級レベルの投資家では52%、初心者/初級レベルの投資家では26%に止まっている。

日本の投資家の関心割合は世界と比較して全般に低いが、プライベート・エクイティは49%と、約半数の投資家が関心を持っていた。また、プライベート・エクイティへの関心について、世界の投資家を投資知識レベル別にみると初心者/初級レベルの投資家では45%、中級レベルの投資家では59%、専門家/上級レベルの投資家では68%が投資したいと回答、投資知識レベルが高まるほど関心が高いことがわかった。

資産形成に関して知識を得るための投資教育についても、日本と海外にはギャップがある。投資教育の役割について、世界の投資家は金融事業者(51%)やファイナンシャル・アドバイザー(39%)など専門家に求める傾向にある。これに対して、日本の投資家は、金融事業者(31%)やファイナンシャル・アドバイザー(15%)のような専門家より、政府/規制当局(55%)や教育/学校(53%)などの公的機関に役割を果たすことを求めている。

シュローダーIMの堀本亜紀子投資信託営業部長は、調査の結果について「投資知識レベルにおける日本の個人投資家と世界の投資家との開きは依然として大きい。日本では今年から高校で金融教育が行われるようになったが、個人が必要な投資知識を身に付けて資産形成を行っていくためにはライフステージの各段階における支援が重要」とコメントした。

【関連サイト】シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社

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HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム

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