米物流大手フェデックスは2022年6月23日(現地時間)、2022年の第4四半期および通年の業績発表を行った。2022年度第4四半期の業績は売上高が前年同月比から8.1%増の243億ドルの増益となったものの、純利益は70.1%減の5.6億ドルとなった(*1)。
第4四半期の純利益減少には輸送費と人件費のコスト上昇が原因と考えられ、「宅配料金の値上げ」や「燃油特別付加運賃」によって1パッケージ当たりの売り上げが伸びたが利益を伸ばせなかった。
結果に対し、フェデックスの社長兼最高経営責任者であるラジャ・サブラマニアム氏は「チームが課題に対して適応できたことが2022年の結果となった。今後フェデックスは収益性を高めると同時に、サービスコストを削減することに焦点を当てる。フェデックスが業界トップのチームであることを誇りに思う」と前向きに話した(*1)。
2022年度通年の業績は売上高が前年比より11.4%増の935億ドル、営業利益は6.6%増で62億ドルとなったが、純利益は26.9%減の38億ドルとなった。
通年の業績においても純利益は減益となり、原因には新型コロナウイルスのまん延やロシアによるウクライナ進行、世界的な経済成長の鈍化、サプライチェーンの混乱が挙げられ、これらによる輸送費や賃金の上昇が出荷需要を減少させた。
一方で、フェデックスは株主価値(#1)を今後も高めるとしている。フェデックスは1株につき1.15ドルの第4四半期配当を発表し、これは以前の配当である0.75ドルから53%増となる。フェデックスは今後も配当という形で株主価値を高められるように取り組む予定だ。
(#1)株主価値…企業価値から負債価値(有利子負債の総計)を引いたもの。
【参照記事】*1 FedEx「FedEx Corp. Reports Fourth Quarter and Full-Year Results」

HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム

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