米ウォルト・ディズニー(ティッカーシンボル:DIS)が5月11日に発表した22年1~3月期(第2四半期)決算は、売上高が前年同期比23%増の192億4,900万ドル(約2兆6,000億円)、純利益が同48%減の4億7,000万ドルだった(*1)。投資家が注視する動画配信サービスの会員数の伸びは市場予想を上回ったが、アジアのテーマパーク事業はコロナの影響がつづくと警戒感を示した。
ボブ・チャペック最高経営責任者(CEO)は、米国のテーマパーク事業が良好であったほか、ディズニープラス(Disney+)の会員数は第2四半期に790万人増加するなど、好調な業績を達成したことでわれわれが群を抜いて優れていることを再び示すことができたと述べた(*1)。動画配信サービスを手掛けるダイレクト・トゥー・コンシューマー(DTC)部門の総加入者数は、2億500万人を超えたという。
ディズニープラス(Disney+)の会員数は第2四半期に1億3,770万人に増加し、市場予想の1億3,500万人を上回った(*2)。今年4月、競合する米ネットフリック(NFLX)の3月末の会員数が過去10年で初の減少に転じたことにより、同社の株価が1日で35%急落した。これを受け、ディズニーの動画配信サービスの会員数に関しても投資家の注目が集まっていた。米国およびカナダの1ユーザー当たりの平均売上高(ARPU)は、前年比5%増の6.32ドルだった。
クリスティン・マッカーシー最高財務責任者(CFO)はディズニープラスに関し、上期よりも下期に会員数の増加の勢いが強まると見込むが、当初の予想ほどの増加率にならないだろうと指摘した(*1)。
テーマパークとグッズの販売からなる部門の売上高は前年同期比2倍の67億ドルだった。パークへの来園やホテルの宿泊、クルーズ客船の利用が増加したほか、チケットの値上げや飲食およびグッズの販売が増えたことが売上高の拡大につながった。米国のパークへ来園する国外の旅行者も回復し始めているという。
テーマパーク事業は米国の回復が鮮明となる一方、アジアはコロナ禍の影響が続く見込みだ。マッカーシーCFOはアジアのテーマパークの閉鎖により、4~6月期の営業利益が最大3億5,000万ドル減少する可能性があると述べた(*1)。
ディズニーの株価は年初来で30%下落している(*3)。投資家はストリーミング事業の成長を維持できるか懐疑的であり、物価高騰にくわえてリセッション(景気後退)に陥った際の影響を警戒している模様だ。
【参照記事】*1 ウォルト・ディズニー「Disney’s Q2 FY22 Earnings Results Webcast – The Walt Disney Company」
【参照記事】*2 CNBC「Disney (DIS) fiscal Q2 2022 earnings」
【参照記事】*3 Yahoo!ファイナンス「ウォルト・ディズニー【DIS】」
HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム
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