米コカ・コーラ(ティッカーシンボル:KO)が4月25日に発表した2022年1~3月期決算は、純利益が前年同期比24%増の27億8,000万ドル(約3,500億円)だった(*1)。値上げが奏功してコスト高を吸収した。ロシア事業の停止に伴って1~2%の減収を見込むものの、通期業績見通しを維持した。
売上高と利益ともに市場予想を上回った(*2)。為替や買収の影響を除いたオーガニック売上高は同18%増だった。7%の値上げを実施したことが収益の拡大に寄与。高フルクトース・コーンシロップやプラスチック、アルミニウムなどの主要な原料の高騰を見込むなか、ジェームズ・クインシー最高経営責任者(CEO)はリセッション後に値上げを試みるよりも今おこなった方がより望ましいと述べた(*3)。
また、インフレが利益を圧迫するなか、手頃な価格でシングルサーブの商品ラインナップを拡充した。飲食業界では需要の高まりや購買トレンドをもとにバルクパッケージでの商品提供に注力しているが、コカ・コーラは足元の数ヶ月で小型パッケージに回帰しているという。
ユニットケース(#1)販売量は同8%増。主力の炭酸飲料の販売量は同7%増だった。「コカ・コーラ」と「コカ・コーラゼロシュガー」の需要が下支えした。
ロシアのウクライナ侵攻を受け、コカ・コーラは3月8日にロシア事業を停止すると発表した。これにより、22年12月期通期のユニットケース販売量は1%の減少、売上高および営業利益は前期比で1~2%の減収減益要因になると見込む。クインシーCEOはウクライナ侵攻が消費者態度に及ぼす影響を注視しており、経営の方針転換や状況への適応に向けて準備していると述べた(*3)。ロシア事業の停止にもかかわらず、コカ・コーラは通期の業績見通しを維持し、売上高は7~8%増を見込む。
(#1)ユニットケース…コカ-コーラ共通のケース単位(5.678リットル)。
【参照記事】*1 コカ・コーラ「Coca-Cola Reports First Quarter 2022 Results :: The Coca-Cola Company」
【参照記事】*2 CNBC「Coca-Cola (KO) Q1 2022 earnings beat estimates」
【参照記事】*3 コカ・コーラ「CORRECTED+TRANSCRIPT_+The+Coca-Cola+Co.(KO-US),+Q1+2022+Earnings+Call,+25-April-2022+8_30+AM+ET.pdf」

HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム

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