S&P500対象の人気投資信託10本を比較、メリット・デメリットも

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米国を代表する株価指数で、投資信託でも人気が高いのがS&P500種株価指数です。この記事では、S&P500種株価指数を対象にしたインデックスファンドの紹介と、メリット・デメリットについて解説します。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※2022年3月22日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。

目次

  1. S&P500とは
  2. S&P500を対象にした投資信託のメリット
    2-1.コストがかからない
    2-2.幅広い銘柄に分散投資できる
  3. S&P500を対象にした投資信託のデメリット
    3-1.短期間で大きな利益は期待できない
  4. S&P500を対象にしたインデックスファンド10選
    4-1.eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
    4-2.SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
    4-3.iFree S&P500インデックス
    4-4.つみたて米国株式(S&P500)
    4-5.Smart-i S&P500インデックス
    4-6.iシェアーズ米国株式インデックス・ファンド
    4-7.米国株式インデックス・ファンド
    4-8.農林中金<パートナーズ>米国株式S&P500インデックスファンド
    4-9.NAZM・ベータS&P500
    4-10.iFreeレバレッジS&P500
  5. まとめ

1.S&P500とは

S&P500(S&P500種株価指数)は、米国を代表する株価指数の一つです。「S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス・エル・エル・シー」によって算出・公表されており、工業株400種、運輸株20種、公共株40種、金融株40種の各指数で構成されています。

S&P500種株価指数は、ニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場している大型株で構成されていますが、時価総額の約75%をカバーしており、機関投資家のベンチマーク(運用指標)として利用されています。

2.S&P500を対象にした投資信託のメリット

S&P500を対象にしたインデックスファンドで、実質的に多数の米国銘柄に投資することができます。インデックスファンドとは、株価指数などの指標に連動した運用成果を目指す投資信託です。

インデックスファンドのメリットについて解説します。

2-1.コストがかからない

インデックスファンドはS&P500などベンチマークの対象銘柄を買うだけなので、銘柄選定の手間がかかりません。ですから、ファンドマネージャーが銘柄を選ぶアクティブファンドよりも信託報酬などの運用コストが安い傾向にあります。

2-2.幅広い銘柄に分散投資できる

S&P500に連動するインデックスファンドを購入すれば、指数に採用されている500銘柄をすべて買うのと同じ効果があります。一本の投資信託を買うだけで、幅広い銘柄に分散投資できるので、リスクを抑えた運用が可能です。

3.S&P500を対象にした投資信託のデメリット

S&P500連動のインデックスファンドへの投資には、デメリットもあります。

3-1.短期間で大きな利益は期待できない

S&P500は株価指数なので、個別株のように短期間で株価が2~3倍になるということはありません。リスクが分散されており、短期間で大きく動くことはあまりなく、緩やかな値動きをすることがほとんどだからです。ですから、S&P500を対象にした投資信託は、長期でコツコツ運用するのに適しています。

4.S&P500を対象にしたインデックスファンド10選

それでは、S&P500種株価指数を対象にした人気の投資信託を紹介します(数値は2022年2月末時点)。

4-1.eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

基準価額 17,684円
純資産総額 9,805.26億円
信託報酬 0.0968%(年率・税込)

S&P500種株価指数を対象にしたインデックスファンドの中で、最大の純資産総額を誇るのが「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」です。2月10日には純資産総額が1兆96億円と、一時1兆円の大台を突破しました。これは、国内公募追加型株式投資信託(ETF除く)の中で3番目、インデックスファンドでは最大となります。

「eMAXIS Slim」は低コストのインデックスファンドシリーズとして人気が高く、今後もどれだけ純資産総額を増やしていけるかどうかに注目です。

4-2.SBI・V・S&P500インデックス・ファンド

基準価額 16,212円
純資産総額 4,675.08億円
信託報酬 0.0938%(年率・税込)

「バンガード・S&P500ETF」を通じ、米国を代表する株価指数であるS&P500に連動する投資成果を目指すインデックスファンド。保有コストである信託報酬が0.0938%(年率・税込)と、S&P500を対象にしたインデックスファンドの中でも最低水準となっています。

SBI証券の1月の販売金額ランキングでも1位であり、今後もどれだけ純資産総額を増やしていくかに注目です。

4-3.iFree S&P500インデックス

基準価額 19,728円
純資産総額 476億円
信託報酬 0.2475%(年率・税込)

「iFreeシリーズ」は、購入時手数料時ゼロのインデックスファンドシリーズです。信託報酬も低めに設定されており、商品ラインナップも豊富です。

4-4.つみたて米国株式(S&P500)

基準価額 15,405円
純資産総額 17.15億円
信託報酬 0.22%(年率・税込)

S&P500(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果を目指すインデックスファンドです。年1回の決算時(原則6月25日)に分配金を決定します。

4-5.Smart-i S&P500インデックス

基準価額 15,045円
純資産総額 36.5億円
信託報酬 0.242%(年率・税込)

S&P500(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果を目指すインデックスファンド。また、購入時手数料のかからないノーロードファンドです。

4-6.iシェアーズ米国株式インデックス・ファンド

基準価額 33,494円
純資産総額 101.85億円
信託報酬 0.4125%(年率・税込)

米国の株式を主要投資対象とし、米国を代表する株価指数であるS&P500(円換算ベース)に連動する投資成果を目指すインデックスファンドです。

4-7.米国株式インデックス・ファンド

基準価額 18,821円
純資産総額 231.61億円
信託報酬 0.495%(年率・税込)

S&P500(円ベース)に連動する投資成果を目指すインデックスファンド。運用はステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズが行っています。

4-8.農林中金<パートナーズ>米国株式S&P500インデックスファンド

基準価額 16,366円
純資産総額 50.06億円
信託報酬 0.605%(年率・税込)

米国の株式を主要投資対象とし、S&P500(円換算ベース)に連動する投資成果を目指すインデックスファンド です。信託報酬が0.605%とほかのファンドに比べて高い点がデメリットになります。

4-9.NAZM・ベータS&P500

基準価額 13,942円
純資産総額 1.42億円
信託報酬 0.264%(年率・税込)

S&P500(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果を目指すインデックスファンドです。2020年2月13日に設定されたファンドですが、純資産総額が1.34億円と少ない点がデメリットになります。

4-10.iFreeレバレッジS&P500

基準価額 19,628円
純資産総額 191億円
信託報酬 0.264%(年率・税込)

日々の基準価額の値動きが、S&P500(米ドルベース)の値動きの2倍程度となることを目指して運用を行うブル型ファンドです。通常のインデックスファンドよりも大きなリターンが期待できますが、反対に損失も大きくなるので注意が必要です。

また、インデックスファンドは購入時手数料がかからないノーロードファンドがほとんどですが、最大2.2%の購入時手数料がかかります(販売会社によって異なります)。

まとめ

S&P500種株価指数を対象にしたインデックスファンドは、人気があります。とくに「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、純資産総額が1兆円に迫る巨大ファンドになっています。

米国株人気の高まりによって、今後も純資産総額は増えそうですが、FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げ観測やウクライナ情勢の緊迫化によって、米国株式市場は上値の重い展開になっています。

S&P500種株価指数は長期的には上昇トレンドが続いていますが、短期的には大きく下落することもあるので、かならず余裕資金で運用するようにしてください。

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山下耕太郎

一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。ツイッター@yanta2011