ソーシャルレンディングで定期買付するメリット・デメリットは?

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ソーシャルレンディングで定期買付をしたいと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回はソーシャルレンディングで定期買付を行う手順を3ステップで解説します。また、ソーシャルレンディング・定期買付のメリットやデメリットも紹介します。資産運用を考えている方は参考にしてください。

目次

  1. ソーシャルレンディングとは
  2. ソーシャルレンディングのメリット
    2-1.少額投資が可能
    2-2.想定利回りが高い
    2-3.運用の手間が掛からない
    2-4.利用できるサービスが増加している
  3. ソーシャルレンディングのデメリット
    3-1.延滞リスクがある
    3-2.デフォルト(貸し倒れ)リスクがある
    3-3.ファンドの運用期間に途中解約できない
    3-4.事業者の不正リスクがある
  4. 定期買付とは
  5. 定期買付のメリット
    5-1.少額から始められる
    5-2.期間分散によりリスクが軽減できる
    5-3.投資を自動化できる
  6. 定期買付のデメリット
    6-1.元本割れを起こす可能性がある
    6-2.手数料が発生する
  7. ソーシャルレンディングで定期買付をする方法
    7-1.ソーシャルレンディングを定期買付できるサービスは提供されていない
    7-2.ソーシャルレンディングに自分で定期的に投資することは可能
  8. ソーシャルレンディングで定期買付を行う手順
    8-1.複数のソーシャルレンディング会社に登録する
    8-2.投資頻度・金額を決める
    8-3.定期的に出資する
  9. まとめ

1.ソーシャルレンディングとは

ソーシャルレンディングとは、お金を貸したい投資家とお金を借りたい企業をマッチングするサービスのことで、「貸付型(融資型)クラウドファンディング」とも呼ばれる投資手法の1つです。

ソーシャルレンディング会社がウェブサイト上で出資者を募り、集まった資金を企業に融資します。企業は融資をもとに事業を行い、ソーシャルレンディング会社に返済される元本と利息が投資家に分配されます。

2.ソーシャルレンディングのメリット

ソーシャルレンディングには下記のようなメリットがあります。

  • 少額投資が可能
  • 想定利回りが高い
  • 運用の手間が掛からない
  • 利用できるサービスが増加している

2-1.少額投資が可能

現在提供されているソーシャルレンディングサービスには、1万円程度の少額から出資できるものが多く存在しています。

投資のためのまとまった資金を必要としないことから、投資における損失リスクを抑えやすく、投資経験がない場合でも利用しやすいといえます。

2-2.想定利回りが高い

運用対象やリスク対策の保証内容などによって異なるものの、ソーシャルレンディングでの想定利回りは2%から6%程度に設定されていることが多く、高ければ10%程度のものもあります。

国債や株式投資における配当金など利回りと比較すると、ソーシャルレンディングの想定利回りは高いといえるため、収益性が高い投資手法といえます。

2-3.運用の手間が掛からない

投資家は運用期限になるまで時間の経過を待つだけでいい、というのもソーシャルレンディングのメリットです。

ファンドに出資をして運用が開始されたあとは、ソーシャルレンディング会社に融資や回収などの実務を一任することになります。

運用の手間が掛からないため、ソーシャルレンディングは副業で投資をしている方や、専業主婦・主夫の方でも取り組みやすい投資手法といえます。

2-4.利用できるサービスが増加している

2021年現在、クラウドファンディング業界は活況を迎えており、新規参入するソーシャルレンディングが増加傾向にあります。

ファンドや保証の内容などについて検討しやすく、幅広い選択肢から利用したいサービスを選びやすくなることは、投資家にとってのメリットとなります。

3.ソーシャルレンディングのデメリット

一方で、ソーシャルレンディングの利用には下記のデメリットがあります。

  • 延滞リスクがある
  • デフォルト(貸し倒れ)リスクがある
  • ファンドの運用期間に途中解約できない
  • 事業者の不正リスクがある

3-1.延滞リスクがある

ソーシャルレンディングでは、借り手企業が返済する元本や利息から投資家への分配が行われます。

そのため、借り手企業の融資返済が遅れてしまった場合、ソーシャルレンディング会社から投資家への分配も遅延してしまうことになります。

3-2.デフォルト(貸し倒れ)リスクがある

借り手企業の経営状況が悪化した場合、融資金の全額を回収できなくなることがあります。

この場合、ソーシャルレンディング会社から投資家への元本償還も一部しか行われなくなってしまい、元本割れが発生することになります。

ソーシャルレンディングが投資手法である以上、元本割れのリスクが必ず伴うことになるため、投資の是非については慎重に判断する必要があります。

3-3.ファンドの運用期間に途中解約できない

ソーシャルレンディングでは、原則的に途中解約ができません。一度ファンドに出資すると、運用期限を迎え満期償還されるまでは資金が戻せないため、投資金の流動性が低いというデメリットがあります。

例えば、株式投資などでは株式を売却することで現金化が容易に行えます。一方、ソーシャルレンディングは貸付であるため一定額の金利収入が見込める反面、満期が来るまで資金回収ができない性質があります。

サービスや案件によって異なるものの、ファンドの運用期間は1年から複数年の長期間となっているものもあるため、出資をする際はじっくり検討することが重要です。

3-4.事業者の不正リスクがある

ソーシャルレンディング業界では、事業者または借り手企業の不正によるトラブルが発生した過去があります。金融商品取引業の登録取り消しなどといった厳しい行政処分を受けたサービスがあります。

新規参入が増加しているなかで、今後もこのようなケースが発生する可能性があるため、十分な注意が必要です。

4.定期買付とは

定期買付とは、株式や投資信託などの金融商品を定期的かつ一定額にて継続的に購入し続ける投資方法のことをいいます。

定期買付は少額ずつ行うのが基本であり、毎月数千円から数万円をコツコツ積み立てていくうちに投資金額が大きくなり、運用益も大きくなります。

また、金融商品の価格は変動しますが、価格が高いときには少なく、安いときには多く購入することになり、リスク・リターンともに平準化することができます。これをドル・コスト平均法といい、長期投資のリスク対策の1つとなります。

5.定期買付のメリット

定期買付には下記のメリットがあります。

  • 少額で始められる
  • 期間分散によりリスクが軽減できる
  • 投資を自動化できる

5-1.少額で始められる

定期買付のメリットの1つが、少額で投資を始められるということです。
例えば投資信託などでは、ネット証券を活用すれば毎月100円から積み立てることも可能です。そのため、始めやすく継続しやすい投資方法であるといえます。

【関連記事】投資信託を積立購入するメリット・デメリットは?始め方や主な証券会社も

ソーシャルレンディングでは、1万円から投資できるサービスが多いですが、中でもFundsは1円単位で投資可能となっています。

5-2.期間分散によりリスクが軽減できる

ある金融商品を定期的に一定額購入し続けることで、期間分散の効果を得ることができます。このような期間分散投資の方法を「ドルコスト平均法」と言います。

同じ数量を一度に購入した場合と比較して、1単位当たりの平均取得価額(購入金額)が結果的に低い価格となりやすく、投資リスクを軽減できるメリットがあります。

5-3.投資を自動化できる

証券会社のなかには、自動的に定期買付ができるサービスを提供しているケースがあります。

金融商品を決めておけば、証券口座の残高から毎月自動的に引き落しをして金融商品を購入してくれます。

このようなサービスを利用すれば、毎月購入手続を行う手間を省くことができるため、投資にかかる負担を軽減することができます。

6.定期買付のデメリット

一方で、定期買付には下記のデメリットがあります。

  • 元本割れを起こす可能性がある
  • 手数料が発生する

6-1.元本割れを起こす可能性がある

金融商品の価格は常に変動しており、社会情勢や経済状況によっては価格が低下することもあります。結果として元本割れを起こす可能性もあるため、投資の際は注意しなければなりません。

商品の運用報告書を定期的にチェックして、どんな銘柄を購入しているのかを確認し、場合によっては購入銘柄を変更するなどの対策を講じるようにしましょう。

6-2.手数料が発生する

金融商品の買付には手数料が発生するため、コストとして負担する必要があります。そのため、投資については購入金額や想定利回りだけではなく、コスト負担についても考慮しておきましょう。

また、証券会社や特定の金融商品においては、手数料が発生しないケースもあります。コスト負担を抑えたい場合は、そのようなサービスや商品から選択するのも1つの方法といえます。

7.ソーシャルレンディングで定期買付をするには?

ソーシャルレンディングを使って積立投資を行うことは可能です。しかし、株式や投資信託などのような積立投資とは仕様が異なることを理解しておく必要があります。

7-1.ソーシャルレンディングを積立投資できるサービスは提供されていない

2021年5月現在、ソーシャルレンディングで積立投資ができるサービスは存在していないため、投資信託や株式のように自動的に定期買付を行うことはできません。

また、ソーシャルレンディングでは投資信託や株式、外貨などのように買付価格に当たる金額が変動しないうえ、1口何円という形での出資となります。

7-2.ソーシャルレンディングに自分で定期的に投資することは可能

ソーシャルレンディングでは自動積立ができるサービスはありませんが、投資家自身が定期的に投資をすることは可能です。

案件がよく組成されている投資機会が豊富なソーシャルレンディング会社を探して複数社登録し、定期的に出資することを検討していきましょう。

8.ソーシャルレンディングで積立投資を行う手順

ソーシャルレンディングで積立投資を行う手順は下記の通りです。

  1. 複数のソーシャルレンディング会社に登録する
  2. 投資頻度・金額を決める
  3. 定期的に出資する

8-1.複数のソーシャルレンディング会社に登録する

ソーシャルレンディングでの定期買付の第1ステップは、複数のソーシャルレンディング会社に登録することから始まります。

特に、下記のポイントを意識してソーシャルレンディング会社を選びましょう。

  • 定期的にファンドを募集しているソーシャルレンディング会社
  • 経営基盤や実績が豊富なソーシャルレンディング会社
  • 少額から投資可能なソーシャルレンディング会社

ソーシャルレンディングでの積立投資では、リスクを分散するために複数のファンドに出資することが大切です。

しかし、フォンドの募集数が少ないと、その分多くのソーシャルレンディング会社に登録する必要があり、出資の手間が掛かってしまいます。定期的にファンドを募集している会社にいくつか登録しておけば、出資するファンドをうまく割り振ることができるでしょう。

また、運用実績が豊富なソーシャルレンディング会社や経営基盤などを確認することも重要です。どんな会社が運営しているのか、親会社はどこか、上場しているかどうか、万が一の際の保証内容はどのようなものか、できるだけ情報を集めて判断してみましょう。下記は、投資機会が豊富で定期買付をしやすいソーシャルレンディング会社の比較表です。

投資機会が豊富なソーシャルレンディング

サービス名 サービス開始年 累計募集額実績 参考利回り水準 その他
オーナーズブック 2014年 約214億円 3~5% 東証プライム上場
Funds 2019年 30億円超 1.8~6% 貸付型ファンドのマーケットプレイス
クラウドクレジット 2014年 約354億円 4.8~12.5% 社会インパクト投資、伊藤忠商事が株主
LENDEX 2017年 約115億円 6~10% 東急リバブルと提携し、客観的な不動産査定を実施
クラウドバンク 2013年 1350億円超 5~7% 第一種金融商品取引業

※2021年5月時点

【関連記事】ソーシャルレンディング、募集案件数の多いサービスは?4社比較して紹介

8-2.投資頻度・金額を決める

複数のソーシャルレンディング会社に登録できたら、投資頻度や金額を決めます。投資リスクを抑えるためには、自分にとって負担が少ない頻度や金額を見極めることが重要になります。

また、入金手数料などのコスト負担も発生しますので、総合的に考えて判断することが大切です。これから積立投資を始める場合や、投資を始めて間もない場合は、できるだけ投資金額を少なくしてみるのも検討してみましょう。

8-3.定期的に出資する

あとは、自分が決めた投資頻度と金額を守りながら、ファンドに定期的に出資します。

できるだけリスクを軽減させるためにも、「今月はA社」「来月はB社」「再来月はC社」といったように、投資するソーシャルレンディング会社は毎月変更して分散する方法もあります。

これを継続することで、手動でソーシャルレンディングでの定期買付を行うことができます。

9.まとめ

今回は、ソーシャルレンディングを使った定期買付の方法について紹介しました。

現在のところ、ソーシャルレンディングでの定期買付サービスを提供している会社はありません。そのため、自分で定期的に買付を行うことで定期買付を行うことになります。

手間が掛かってしまうのが難点ですが、うまく運用できれば資産を効率よく増やせる可能性もあります。資産運用の選択肢を増やすために、本記事が参考になれば幸いです。

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山本 将弘

フリーランスWebライター。主に株式投資や投資信託の記事を執筆。それぞれのテーマに対して、できるだけわかりやすく解説することをモットーとしている。将来に備えとリスクヘッジのために、株式・不動産など「投資」に関する知識や情報の収集、実践に奮闘中。