退職金の運用先にソーシャルレンディングはあり?なし?その理由は?

定年退職後、貯蓄や退職金で資産運用をはじめようとする方は多いと思います。それは、「退職金や年金だけでは、満足な老後を送れないかも…」という不安があるからです。ただ、投資方法がありすぎて、その中から何を選べばよいのか、今ひとつピンと来ないのでないでしょうか。

その数ある投資方法のひとつに、ソーシャルレンディングがあります。果たして、老後の資産運用先として、ソーシャルレンディングは適しているのでしょうか。この記事では、その疑問を解消したいと思います。

目次

退職金の計算方法

そもそも、今の職場を定年退職した際に、退職金がいくらもらえるのか、よくわからない方も多いと思います。退職金の計算方法は、会社によって異なります。ただ、代表的な算出方法はありますので、今からそれを見ていきましょう。

一般企業に勤める場合

一般企業に勤める場合、退職金の代表的な算出方法は、以下のとおりです。

【退職金 = 退職時の基本給(1ヶ月分) × 就業年数 × 給付率】
※実際の算出方法は企業によって異なる

支給される退職金は、就業年数によって異なることがわかります。そして、給付率は、

  • 勤め先
  • 就業年数
  • 退職理由

によって違いがでます。

仮に、退職理由が自己都合の場合、給付率は60%ほどです。自己都合とは、

  • 転職
  • 出産
  • 病気や怪我

などの理由を指します。

そして、退職理由が会社都合の場合、給付率は70%ほどです。会社都合とは、

  • リストラ
  • 倒産

などの理由が当てはまります。

定年退職の場合は、そのどちらでもない”自然退職”と呼ぶべきでしょう。しかし、会社によっては、

  • 自己都合
  • 会社都合

のどちらかに分類される可能性もあります。一度、会社の人事部などに確認するのがよいでしょう。

また、会社によっては、

  • 給付率が平均よりも低い
  • そもそも退職金自体が出ない

という場合もあります。現に、厚生労働省の「平成25年就労条件総合調査結果の概況」によると、4社に1社は退職金が支給されません。こちらも一度確認した方がよいでしょう。

公務員の場合

公務員の場合は、退職金の規定がしっかり定められています。公務員の退職金の計算方法は、以下のとおりです。

【退職金 = 退職日の俸給月額 × 退職理由別・勤続年数別支給率 + 調整額】

退職理由別・勤続年数別支給率も、国や自治体によって、すでに決められています。また、調整額は、在職期間中の貢献ポイントです。仕事で貢献した分だけ、退職金の支給額に上乗せがされます。

退職金の平均受給額

計算式だけでは、退職金がどれだけもらえるのか、今ひとつピンと来ない方も多いと思います。そこで、厚生労働省が調査した退職金の平均受給額(平成25年就労条件総合調査結果の概況)をご紹介しましょう。調査データは直近で平成25年のものです。

勤続20年以上&45歳以上の定年退職者

学歴 定年退職の平均受給額
大学卒(管理・事務・技術職) 1,941万円
高校卒(管理・事務・技術職) 1,673万円
高校卒(現業職) 1,128万円

勤続35年以上&45歳以上の定年退職者

学歴 定年退職の平均受給額
大学卒(管理・事務・技術職) 2,156万円
高校卒(管理・事務・技術職) 1,965万円
高校卒(現業職) 1,484万円

このデータはあくまで平均値です。よって、企業によっては受給額に大きな差があるでしょう。

退職金で資産運用する際のポイント

今までの説明で、自分の退職金がどれぐらいか、多少のイメージはできたのではないでしょうか。次は、退職金で資産運用をはじめる際のポイントをご紹介したいと思います。

退職金で資産運用をする場合、過去の貯蓄とは違い、リスクを最小限に抑えなくてはいけません。それは、リスクの高い投資方法を選択して、その投資が失敗した場合に、資産をすべて失う危険があるからです。したがって、退職金で資産運用をする際には、リスクヘッジを優先的に考えるべきでしょう。

資産運用へ回す割合に気をつける

退職金で資産運用をするときは、運用へ回す金額の割合に注意する必要があります。

仕事を定年退職すると、主な収入源が年金だけになる方は少なくありません。その状況を心もとなく感じ、何か投資をはじめようと思ったとしましょう。

しかし、退職金のほとんどを、ひとつの投資対象へ集中投資することはオススメできません。それは、その投資対象にトラブルがあった場合、損失が計り知れないからです。

たとえば、何もわからない状況で、ひとまず銀行員に相談するケースもあるでしょう。そして、担当者に勧められるまま、投資信託へ集中投資してしまうケースがあります。

もちろん、投資信託がダメというわけではありません。ダメなのは、特定の投資対象へ集中投資を行うことです。

投資の基本は「分散投資」です。世の中には、たくさんの投資方法があります。それにもかかわらず、ひとつの投資先へ多くの資金をつぎ込むことは、自らリスクを高めていると言えます。したがって、退職金のうち、資産運用に回す割合は、多くても1/3程度に抑えるべきでしょう。

投資対象がなくなりそうなものを避ける

退職金で資産運用をするとき、投資対象がなくなりそうなものは避けましょう。

今の時代、個別銘柄への投資は、大企業が相手でもリスクが低くありません。また、不動産投資においても、災害リスクは気にした方がよいでしょう。それは、日本が地震大国だからです。他にも、

  • 火災
  • 水害
  • 交通事故

など、突発的なリスクを挙げたらキリがありません。

年齢が若いときは、不動産投資のように、多少リスクを背負って、リターンを狙っても問題ありませんでした。それは、貯蓄から損害が出ても、また稼げば良かったからです。しかし、退職金は資産の性質上、慎重に扱う必要があります。一度資産を失ってしまったら、再び稼ぐための機会は限られるでしょう。

したがって、投資対象がなくなる可能性のある投資方法は気をつけた方がよいでしょう。

ハイリスク・ハイリターンの投資は避ける

退職金で資産運用をする際は、ハイリスク・ハイリターンの投資を避けなくてはいけません。それは、繰り返し説明するように、退職金を失うと、年齢的に改めて稼ぐ機会が限られるからです。

  • 株式の信用取引
  • FXのハイレバレッジな取引

などは、当たれば大きな利益が得られます。一方、取引がうまくいかなければ、大きな損失を抱えるリスクもあります。そういったハイリスクな資産運用は、退職金で行うべきではありません。

もしどうしても、ハイリスク・ハイリターンの投資がしてみたいのであれば、少ない資金で行うべきです。そして、優位性の高いトレードのときだけ、取引に参加するようにしましょう。

退職金の運用先にソーシャルレンディングはあり?なし?

結論から言うと、退職金の運用先として、ソーシャルレンディングは「あり」です。もちろん、すべての案件が該当するわけではなく、「分散投資を心がける」という条件も欠かせません。以下では、ソーシャルレンディングを退職金の運用先として検討する際のポイントについて解説します。

投資後は何もしなくてよい

ソーシャルレンディングがおすすめの理由は、資金を投資した後に何しなくてよいからです。

ソーシャルレンディングの投資期間は、

  • 事業者
  • 融資先企業

の間で決められます。融資先企業の事業計画に合わせて、投資スケジュールが組まれるのです。つまり投資家は、各案件の投資期間を見て、投資を行うかどうかを決めます。

  • 株式
  • FX

では、売買のタイミングを気をつけないと、損失が大きくなるリスクがあります。しかし、ソーシャルレンディングの場合は、売買のタイミングを気にする相場がありません。

したがって、投資期間中の利回りは基本的に変わりません。その手軽さが、今投資家に人気を集めています。「知識が十分ではなくても、投資がはじめられる」という資産運用の入門として、ソーシャルレンディングは利用者が増えています。

本来であれば、投資家が投資対象の安全性を見極めなくてはいけません。しかし、ソーシャルレンディングの場合は、事業者が代わりに行ってくれるのです。もちろん、100%安全とは限りません。ある程度のリスクは承知の上で、投資をはじめるべきでしょう。

損失を減らせるオプションがある

ソーシャルレンディングがおすすめの理由は、何かトラブルが起きた際に、損失を減らせるオプションがあるからです。

通常の投資は、自己責任で得か損をするしかありません。しかし、ソーシャルレンディングの場合は、事業者が案件に

  • 担保
  • 保証

を付けるケースがあります。

担保があれば、融資先企業が資金を返済できなくても、投資家の損失リスクが減ります。それは、事業者が担保物権を売ることで、投資家の資金が戻る可能性があるからです。また、返済の強制力を高める保証があれば、「そもそも資金の返済ができない」という事態も起こりにくくなるでしょう。

つまり、ソーシャルレンディングでは、担保や保証付きの案件を選ぶことで、何かトラブルが起きても投資家の損失リスクが減らせるのです。

また、貸し倒れ自体も、ここ3年以上は起きていません(クラウドポート調べ)。以前は、個人向け融資が行われており、個人による貸し倒れが起きるケースもありました。しかし、企業向けの融資に切り替わってからは、貸し倒れも珍しくなっています。

したがって、ソーシャルレンディングでリスクを最大限に考慮したいのであれば、担保や保証付きの案件を選ぶのがよいでしょう。

平均利回りは5%~8%

ソーシャルレンディングの現在の案件の多くは利回り5%~8%程度となっています。

今の時代、銀行の定期預金は年利0.1%以下です。その中で、この利回りは悪くないのではないでしょうか。しかも、ソーシャルレンディングは投資が完了した後に、手間いらずで投資以外に時間を使うことが可能です。

  • 基本ルール
  • 案件ページの用語

を少し勉強すれば、ソーシャルレンディングの利用を始めること自体はハードルが高くないでしょう。

もちろん、他の運用に比べて利回りが高いということは、それ相応のリスクを覚悟する必要はあります。リスクとは、返済遅延や貸し倒れです。事業者が倒産する可能性も否定はできません。

ただ、返済遅延や貸し倒れのリスクに関しては、担保や保証付きの案件を選ぶことで、ある程度は軽くできまます。そして、事業者選びに関しても、

  • 企業規模
  • 創業年数
  • スポンサー

などを考慮することで、ある程度はリスクを避けることができます。

まとめ

以上、退職金の運用先にソーシャルレンディングがおすすめかどうかをご紹介しました。

おさらいすると、まず退職金の代表的な計算方法は、以下のとおりでした。

一般企業…【退職金 = 退職時の基本給(1ヶ月分) × 就業年数 × 給付率】
公務員…【退職金 = 退職日の俸給月額 × 退職理由別・勤続年数別支給率 + 調整額】

また、退職金で資産運用をする際のポイントとしては、

  • 資産運用へ回す割合に気をつける
  • 投資対象がなくなりそうな投資は避ける
  • ハイリスク・ハイリターンの投資は避ける

の3つが挙げられます。

そして、退職金の運用先として、ソーシャルレンディングは「あり」です。その理由としては、

  • 投資後は何もしなくてよいから
  • 損失を減らせる工夫があるから
  • 平均利回りが8%以上だから

の3つがありました。

もしソーシャルレンディングをはじめるのであれば、まずは事業者選びからはじめてみてください。

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石村淳

石村淳

ローリスクでの資産運用を目指すフリーライター。ソーシャルレンディングや仮想通貨などで、少しずつ資産を増やしています。HEDGE GUIDEではソーシャルレンディング記事が担当です。読者の方の疑問が残らないように、わかりやすく読みやすい文章を心がけています。