SBI・Vシリーズ、人気ファンドのコストや実績を他ファンドと比較

※ このページには広告・PRが含まれています

今回は、投資信託の商品紹介シリーズ第3回目です。SBIアセットマネジメントのSBI・Vシリーズを紹介します。ラインナップはS&P500インデックス・ファンド、全世界株式・インデックス・ファンド、米国高配当株式インデックス・ファンドの3銘柄です。

このシリーズの特徴は、①バンガードが運用を行っているETFに投資していること。②信託報酬が低水準に設定されていること。③投資対象が米国株であることです。

これらVシリーズ3本をすべて購入できるのはSBI証券のみです。初心者にも始めやすいファンドです。それぞれ見ていきましょう。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※この記事は2021年11月19日時点の情報に基づき執筆しています。最新情報はご自身にてご確認頂きますようお願い致します。
※信託報酬の表記は全て税込です。

目次

  1. SBI・Vシリーズとは
  2. SBI・Vシリーズのメリット
  3. SBI・Vシリーズのラインナップ
    3-1.SBI・V・S&P500・インデックス・ファンド
    3-2.SBI・V・全米株式・インデックス・ファンド
    3-3.SBI・V・米国高配当株式・インデックス・ファンド
  4. 運用しながらポイントが貯まる
    4-1.投信マイレージ
    4-2.積立投信はクレカ決済でVポイントが貯まる
  5. まとめ

1 SBI・Vシリーズとは

SBI・Vシリーズは、SBIアセットマネジメントが設定・運用するインデックス・ファンドシリーズです。Vシリーズは、米国の運用会社であるバンガード社が運用しているETFを投資対象とするシリーズです。

2 SBI・Vシリーズのメリット

SBI・Vシリーズのメリットは、信託報酬が低く設定されていることです。信託報酬とは投資信託を保有している間、投資家が払い続ける手数料のことです。

インデックス・ファンドの場合、運用会社が異なっても運用成績に大きな差はありません。そのため、同じインデックスに連動するファンドでは、信託報酬が低いファンドに分があります。

信託報酬の差が将来的に大きな運用成績の差となります。信託報酬が0.2%と0.1%の場合、その差は0.1ポイントです。運用期間が長くなればなるほど、運用成績の差は拡大します。単純に計算すると10年で1ポイント、30年では3ポイントです。実際は複利運用されるため、差はそれ以上に広がります。

3 SBI・Vシリーズのラインナップ

SBI・Vシリーズのラインナップは、現時点で3銘柄あります。3銘柄とも米国ETFに投資するファンドです。米国のGDPは世界一で、今後も拡大基調にあります。一方、日本は超高齢化社会に入り、成長期待は米国ほど高くありません。日本にいながら米国株に投資することで米国経済の成長を享受できます。

米国株式は米国の経済成長とともに成長し続け、史上高値を更新しながら上昇しています。30年前にS&P500指数に投資していたら、現在10倍以上に資産が増えています(円換算では9.4倍)。一方、30年前の日本は、失われた30年の入口です。そのため、上昇率はTOPIXが17.75%、日経225が27.49%と低調です(下表)。現在の日経225は、1989年12月の史上高値3万8957円の約75%水準です。

指数の騰落率(%、現地通貨ベース)

銘柄 10年 20年 30年
S&P500指数 258.23 309.50 1,027.20
ナスダック指数 563.21 712.40 2,602.40
TOPIX 167.33 95.62 17.75
日経225 232.88 177.94 27.49

※基準日:2021年11月24日

指数の騰落率(%、円ベース)

銘柄 10年 20年 30年
S&P500指数 442.01 259.29 941.74
ナスダック指数 9,003.47 612.80 2,397.51

3-1 SBI・V・S&P500・インデックス・ファンド

SBI・V・S&500・インデックス・ファンドは、S&P500指数に連動した動きを目指すファンドです。S&P500は米国を代表する500銘柄で構成されています。投資対象は、バンガード社のS&P500ETF(VOO)です。信託報酬は0.0938%程度で、他社のインデックス・ファンドより低く設定されています(下表)。

このファンドはつみたてNISAの対象銘柄で、100円からつみたてが可能です。

ベンチマーク:S&P500指数

ファンド名 信託報酬(年率%) トータルリターン(%) 純資産額(億円)
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド 0.0938 52.49 3,996.0
eMAXIS Slim 米国株式 0.0967 52.73 8,234.3
りそなAM Smart-i S&P500 0.242 51.66 22.4
iFree S&P500インデックス 0.2475 52.48 419.0

3-2 SBI・V・全米株式・インデックス・ファンド

SBI・V・全米株式・インデックス・ファンドは、米国の全株式指数のCRSP USトータル・マーケット・インデックスに連動した動きを目指すファンドです。米国市場全体が投資対象(3,500銘柄以上)です。S&P500指数より米国市場を網羅するファンドです。

投資対象は、バンガード社のトータル・ストック・マーケットETFです。この指数に連動するファンドには、楽天・全米株式インデックス・ファンドがあります。信託報酬を比較すると、SBI・V・全米株式インデックス・ファンドの方が低く設定されています。

SBI・V・全米株式・インデックス・ファンドも、つみたてNISAの対象銘柄であり100円から積立が可能です。

ベンチマーク:USトータル・マーケット・インデックス

ファンド名 信託報酬(年率%) トータルリターン(%) 純資産額(億円)
SBI・V・全米株式インデックス・ファンド 0.0938 407.6
楽天・全米株式インデックス・ファンド 0.162 53.84 4,307.7

3-3 SBI・V・米国高配当株式・インデックス・ファンド

SBI・V・米国高配当株式・インデックス・ファンドは、高配当株式指数のFTSEハイディビデンド・イールド・インデックスに連動した動きを目指すファンドです。ファンドの投資対象はバンガード米国高配当株式ETFです。

高配当株にはバリュー株が多いため、株価の成長という点では、S&P500や全米株式インデックスに劣ります。一方、高配当株は株式市場の下落時には配当利回りが株価の支えとなるため、下落局面に比較的強いという特徴があります。

信託報酬は、Vシリーズ3銘柄のうちで最も高い0.1238%ですが、楽天・米国高配当株式・インデックス・ファンドの信託報酬(0.192%)より低く設定されています。

ベンチマーク:FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス

ファンド名 信託報酬(年率%) トータルリターン(%) 純資産額(億円)
SBI・V・米国高配当株式・インデックス・ファンド 0.1238 51.8
楽天・米国高配当株式・インデックス・ファンド 0.192 40.89 56.8

4 運用しながらポイントが貯まる

SBI証券では、投資信託を購入したり、積立を始めたりすると、ポイントが貯まるというサービスがあります。投資信託に関連するポイントサービスについてご紹介します。

4-1 投信マイレージ

SBI証券では、投資信託の月間平均残高に応じてポイントが貯まります(Tポイント・Ponta)。貯まったポイントは、1ポイント=1円とし、投資信託の買付に使うことができます。

還元率は、通常銘柄で最大年率0.2%(1,000万円未満0.1%、1,000万円以上0.2%)です。今回のVシリーズは一律0.0242%(年率)です。SBI・V・S&500・インデックス・ファンドの信託報酬は0.0938%ですが、ポイントを考慮すると0.0696%になります。

4-2 積立投信はクレカ決済でVポイントが貯まる

積立投信に三井住友カード決済(毎月100円~5万円)を利用すると、最大2%のVポイントが付与されます。Vポイントは1ポイント=1円で使えます。還元率はカードのステータスにより違います。ポイントの還元率は、プラチナカードが2%、ゴールドカードが1%、その他が0.5%です。

SBI証券でクレカ決済を利用し、つみたてNISAを始めると実質的な手数料はマイナスです。

まとめ

今回は、SBI・Vシリーズについて解説しました。いずれも信託報酬が低く、人気の高いファンドシリーズです。

SBI・V・S&P500・インデックス・ファンドとSBI・V・全米株式・インデックス・ファンドは、つみたてNISA対象ファンドでもあり、長期投資向きです。いずれも米国経済の成長を享受できるファンドです。また、SBI証券ではつみたてNISAをクレカ決済で始めると、実質的な手数料がマイナスとなるため他の証券会社よりもメリットが大きいと言えます。

投資信託は他にも様々な種類があるため、信託報酬や過去の成績などを比較し、運用目的にあったファンドを決めていきましょう。

The following two tabs change content below.

藤井 理

大学3年から株式投資を始め、投資歴は35年以上。スタンスは割安銘柄の長期投資。目先の利益は追わず企業成長ともに株価の上昇を楽しむ投資スタイル。保有株には30倍に成長した銘柄も。
大学を卒業後、証券会社のトレーディング部門に配属。転換社債は国内、国外の国債や社債、仕組み債の組成等を経験。その後、クレジット関連のストラテジストとして債券、クレジットを中心に機関投資家向けにレポートを配信。証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト、AFP、内部管理責任者。