SBI・V・全世界株式インデックスファンドの手数料・リスク・組入銘柄は?

SBI・Vシリーズの新ファンドとして、全世界株式インデックス・ファンドが2022年1月17日に募集が開始され、2022年1月末に設定されます。

これまでに販売されているSBI・Vシリーズは米国株式が中心ですが、新たに全世界株式インデックスが加わることで、世界中の株式に投資することができるようになります。この銘柄のリリースにより、SBI・Vシリーズのラインナップは4銘柄となります。

SBI・Vシリーズは、世界最大級の投資運用会社である米国バンガード社の運用するETFに投資するファンドで、信託報酬が低く設定され長期・分散・積立投資に適したファンドです。

今回は一足先に、SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドを徹底分析します。

※本記事は1月17日時点の情報です。最新の情報についてはご自身でもよくお調べください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドとは
  2. バンガード・トータル・ワールド・ストックETFとは
    2-1.組入れ上位10銘柄
    2-2.バンガード・トータル・ワールド・ストックETFのリスク
  3. SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドのメリット
    3-1.一銘柄で世界中の株式に投資できる
    3-2.手数料が安い
  4. SBI・全世界株式インデックス・ファンドとの違い
  5. まとめ

1 SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドとは

SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドは、SBIアセットマネジメントが設定・運用する低コストインデックスファンドシリーズ「SBI・Vシリーズ」の新ファンドで、全世界株式の動きに連動するように運用されます。

ベンチマークはFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスで、運用対象は、バンガード・トータル・ワールド・ストックETFです。

2 バンガード・トータル・ワールド・ストックETFとは

バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(ティッカー:VT)は、2021年11月末時点で純資産総額が336億ドル、投資先が9,289社に上る大型のETFで、全世界の株式に分散投資しています。

2-1 ポートフォリオ構成(地域)

ポートフォリオの地域別組入れ比率は、北米が63.0%、欧州が16.0%、アジア太平洋地域が10.6%、新興諸国が10.0%、中東が0.2%です。北米の比率が高い理由は、世界株式時価総額119.8兆ドル(2022年1月7日時点)のうち米国が52.5兆ドルで43.8%を占めているためです。

2-2 組入れ上位10銘柄

保有銘柄数は9,289銘柄(2021年11月末時点)で、上位10銘柄は、米国のGAFA[グーグル(現アルファベット)、アップル、フェイスブック(現メタ・プラットフォームズ)、アマゾン]や、マイクロソフト、テスラ等です。上位10銘柄中、米国以外の企業は台湾のTSMCのみです(下記表参照)。上位組入れ銘柄は米国企業が占めています。

2021年11月30日時点 (純資産合計の16.1%)

順位 銘柄 本社所在地 時価総額(兆円)
1 アップル 米国 324
2 マイクロソフト 米国 273
3 アルファベット 米国 210
4 アマゾン・ドット・コム 米国 190
5 テスラ 米国 119
6 エヌビディア 米国 78
7 メタ・プラットフォームズ 米国 106
8 台湾積体電路製造 (TSMC) 台湾 68
9 バークシャー・ハサウェイ 米国 82
10 JPモルガン・チェース 米国 57

*時価総額は2022年1月7日時点

2-3 バンガード・トータル・ワールド・ストックETFのリスク

バンガード・トータル・ワールド・ストックETFは、9,000銘柄以上に投資しているものの、上位10銘柄が純資産額の16.1%と高いことがリスクと言えます。それは、組入れ銘柄の動きがファンド価額に大きな影響を与える可能性が高いからです。

FRBは金融緩和政策から引き締めに舵を切りました。2022年3月には資産買入(国債や住宅ローン担保証券)が終了。利上げが年内に3度実施されると市場は予想しています。これは2022年1月7日時点で0.25%の政策金利が1.00%に上昇することを示唆しています。

金利上昇は、株式市場にはネガティブな材料となります。特に割高な水準で推移している成長株が大きく下落するリスクがあります。

同ETFは上位組入れ銘柄の中にアマゾン、エヌビディア、テスラなど割高な成長株が組入れられているため、株式市場の下落時にはETF価格が市場平均よりも下落する可能性があります。

組入れ比率上位10銘柄の予想PER

順位 銘柄 予想PER
1 アップル 30.03
2 マイクロソフト 33.64
3 アルファベット 23.58
4 アマゾン・ドット・コム 57.09
5 テスラ 160.81
6 エヌビディア 62.80
7 メタ・プラットフォームズ 21.94
8 台湾積体電路製造 (TSMC) 27.78
9 バークシャー・ハサウェイ 27.43
10 JPモルガン・チェース 11.14

*予想PERは2022年1月7日時点

3 SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドのメリット

SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドに投資するメリットは、1銘柄で世界中の株式に投資できることや、手数料の安さが挙げられます。以下にて詳しく解説します。

3-1 一銘柄で世界中の株式に投資できる

SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドに投資すると一銘柄で世界中の株式に投資することができます。

バンガード・トータル・ワールド・ストックETFは2021年11月末時点で9,289社に投資しています。個人が9,289社に投資することは大富豪でもない限りほぼ不可能です。それを1銘柄で可能にしたファンドがSBI・V・全世界株式インデックス・ファンドです。

SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドに投資すると、世界経済の成長を享受できることもメリットです。2021年10月に発表されたIMF(国際通貨基金)の世界経済の実質GDP成長率(2022年)は、4.9%です。成長率は先進国が4.5%、新興市場国・発展途上国が5.1%と、発展途上国の成長率が高い傾向にあります。

個人が新興諸国・発展途上国に投資する場合、政情不安や通貨リスクを伴うため、リスクが高いと言えます。しかし、このファンドは、世界中の株式に分散投資しているため、リスクを分散しながら新興市場・発展途上国の成長を享受することができます。

国際通貨基金(IMF) 2022年経済見通し(2021年10月時点)

項目 成長率(%)
世界の総生産 4.9
先進国 4.5
新興市場国・発展途上国 5.1
米国 5.2
ユーロ圏 4.3
日本 3.2

3-2 手数料が安い

SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドは手数料が安いこともメリットです。ファンドを保有している間はずっと投資家が払い続ける必要がある信託報酬率は0.1438%程度と低水準に設定されています(年率・税込)。

この水準は同様のファンドである、楽天・全世界株式インデックス・ファンドの0.212%(同上)を下回っています。2銘柄の差はわずかですが投資期間が長くなればなるほど広がり、運用成績に反映されます。

4 SBI・全世界株式インデックス・ファンドとの違い

SBIアセットマネジメントは全世界株式に投資するファンド(全世界株式インデックス・ファンド)を運用しています。このファンドとSBI・V・全世界株式インデックス・ファンドとの違いは運用対象銘柄です。

運用対象は、SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドがバンガード・トータル・ワールド・ストックETFの1銘柄に対し、全世界株式インデックス・ファンドは、①バンガード・トータル・ストック・マーケトETF、②SPDRポートフォリオ・ディベロップド・ワールド(除く米国)ETF、③SPDRポートフォリオ・エマージングマーケッツETFの3銘柄です。

なお、各銘柄の保有率は2021年11月30日時点)で、①が55.11%、②が34.72%、③が9.86%です。

まとめ

SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドは、一銘柄で全世界の株式に投資することができるため、運用の基礎である長期・分散・積立に適しているファンドと言えます。

日本は超高齢化社会に入っているため経済成長は世界平均を下回っています。このファンドに投資をすることで日本にいながら世界経済成長の恩恵を得ることが期待できます。ただし、組入比率上位には成長株も見られるため、金利上昇などのイベントによっては大きく下落するリスクもあります。検討される場合は、積立投資などを選択肢として考えておくと良いでしょう。

The following two tabs change content below.
藤井 理

藤井 理

大学3年から株式投資を始め、投資歴は35年以上。スタンスは割安銘柄の長期投資。目先の利益は追わず企業成長ともに株価の上昇を楽しむ投資スタイル。保有株には30倍に成長した銘柄も。
大学を卒業後、証券会社のトレーディング部門に配属。転換社債は国内、国外の国債や社債、仕組み債の組成等を経験。その後、クレジット関連のストラテジストとして債券、クレジットを中心に機関投資家向けにレポートを配信。証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト、AFP、内部管理責任者。