NISA・つみたてNISAと相性の良い投資信託は?投資目的別に解説

NISAを活用した投資先選びにお迷いの方も、多くいらっしゃるのではないでしょうか。一般NISAは投資信託の他に株式も投資対象となっていますが、つみたてNISAは投資信託やETFに限定されています。NISAの各制度とあわせて、資産形成にはどの投資先が良いのか、考えると迷いが尽きないときもあります。

この記事では、一般NISAとつみたてNISAの概要を解説した上で、投資目的にあったファンドをピックアップしています。NISA運用について詳しく知りたい方はご確認ください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※2022年1月11日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。

目次

  1. NISAとつみたてNISAの違い
    1-1.つみたてNISAは選択肢が限定的
    1-2.一般NISAは上限金額の多さと選択肢の広さ
  2. 投資目的別のNISAと相性の良い投資信託
    2-1.長期運用
    2-2.リスクを取ってリターンを狙う
  3. 2024年に一般NISAの制度が変更
    3-1.枠が2階建てに変更
    3-2.個人で資産形成を考える時代へ
  4. NISAを活用した資産形成の注意点
    4-1.メリットは収益が非課税になるのみ
    4-2.長期運用は万全ではない
    4-3.方針を決めたらファンドを持ち続ける
  5. まとめ

1.NISAとつみたてNISAの違い

一般NISAとつみたてNISAの制度の違いを確認しておきましょう。

項目 NISA つみたてNISA
概要 値上がり益や配当、分配金が非課税に
口座開設 原則1人1口座で、一般NISAかつみたてNISAを選ぶ
金融機関の変更 可能
運用 買付、積立 積立投資のみ
対象商品 株式、投資信託、ETF、ETN、REIT 国が定めた基準をクリアした長期運用向けの投資信託、ETFに限定
非課税期間 投資した年から最長5年 投資した年から最長20年
投資枠上限 年間120万円 年間40万円
払い出しの制限 いつでも売却、出金可能

1-1.つみたてNISAは選択肢が限定的

つみたてNISAは長期運用に最適化されている点に特徴があります。

選べるファンドは金融庁が指定したファンド、ETFのみで、いずれも基準価額の変動が少なく、リスクを抑えた運用商品となっています。年間投資金額の上限は40万円に抑えられており、運用期間は最大20年間です。

つみたてNISAは金融庁主導のもと、国民に資産形成を推奨するための施策の一つと見ることができます。

1-2.一般NISAは上限金額の多さと選択肢の広さ

一般NISAは2014年にスタートした税金優遇制度で、投資のハードルを低くし、多くの国民にマーケットに参加してもらうための、景気刺激策として運用がスタートしました。一般NISAの特徴は、年間投資上限枠が120万円、投資対象は投資信託、ETF、株と多様な点です。

2014年の時点では、現在ほど長期運用による資産形成の必要性が問われていなかったため、一般NISAはつみたてNISAやiDeCoのように長期運用に最適化された制度とはなっていませんでした。後述しますが、一般NISAも長期運用による資産形成に最適化された制度に変更される予定です。

2.投資目的別のNISAと相性の良い投資信託

NISA口座を使って投資信託の運用を検討する際に、運用スタイルごとに相性の良いファンドをピックアップしました。

2-1.長期運用

ファンド名 純資産(億円) 管理費用(税込) 基準価額 リターン/3年
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) 9,636.18 0.0968% 18,978円 29.15
eMAXIS Slim先進国株式インデックス 2,989.28 0.1023% 19,899円 25.96
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) 4,079.18 0.1144% 16,839円 23.56
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) 1,312.89 0.1540% 13,638円 11.53

楽天スーパーサーチより2022年1月11日時点の情報をもとに、eMAXISシリーズからインデックスファンドやバランスファンドをピックアップしました。楽天証券が扱うファンドの中では、eMAXISシリーズは低い管理費用を武器に多くの資金を集めています。純資産額でみると、インデックスファンドとバランスファンドの上位はeMAXISシリーズで占められていました。

長い期間ファンドを保有するには、ランニングコストを抑えることが重要です。長期運用が目的の場合、運用管理費用と純資産額、トータルリターンのバランスを見てファンドを選びましょう。

2-2.リスクを取ってリターンを狙う

純資産(億円) 管理費用(税込) 基準価額
楽天日本株4.3倍ブル 486.89 1.243% 14,691円
楽天日本株トリプル・ブル 103.23 1.023% 74,953円
楽天日本株3.8倍ベア 79.24 1.243% 1,612円
楽天日本株トリプル・ベアIV 25.82 1.023% 1,651円

※数値は2022年1月11日時点の情報です。

リスクの高いブルベア型ファンドをピックアップしました。ブル型は上昇相場でレバレッジを効かせて、大きくプラスを狙うファンドです。ベア型は逆に下げ相場でレバレッジを効かせて、収益を狙います。

基本は長期運用をベースに、チャンスがあればトレンドの波にのって収益を狙う運用スタイルでは、ブル・ベア型ファンドへの投資が有効です。

ピンポイントな動きを狙っての投資になりますので、相場の読みが外れると損失を被るリスクがあります。逆に思い通りにいった時は、大きな収益が出る可能性があるため、一般NISAの非課税制度の恩恵を十分に受けることが期待できます。

3.2024年に一般NISAの制度が変更

現行の一般NISAは2023年をもって終了となり、2024年からは新しいNISAの制度がスタートします。詳しい内容を確認しておきましょう。

3-1.枠が2階建てに変更

新しいNISAのメインとなる変更点は枠が、非課税枠が分割される点です。

  • 1階 新規投資額で毎年20万円が上限 (つみたてNISA)
  • 2階 新規投資額で毎年102万円が上限(一般NISA)

1階の枠は実質つみたてNISAと同じで、投資対象は金融庁が指定した投資信託やETFに限定されます。1階の20万円の枠を使い切った場合、2階の102万円の枠を使うことができます。2階枠はいままでのNISAと同じく、株や投資信託、ETFが非課税枠の対象となります。

金融庁は、より多くの人々に長期・積立・分散投資を始めるきっかけとして活用してもらうための制度変更とアナウンスしています。

3-2.個人で資産形成を考える時代へ

NISAがスタートした時点では、長期運用に最適化された制度は採用されていませんでしたが、ここ数年でつみたてNISAやiDeCoなど新しい制度を施行し、国が長期運用による資産形成を国民に呼びかけ、主導するようになりました。

運用による資産形成を個々で行うことが当たり前の時代になりつつあります。2024年からスタートする新しいNISAの制度は、個人の長期運用による資産形成を後押しする制度となっています。

4.NISAを活用した資産形成の注意点

NISAやつみたてNISAを活用した運用で注意するポイントを3つピックアップしました。

4-1.メリットは収益が非課税になるのみ

NISAやつみたてNISAで得られるメリットは、非課税枠内の投資において、収益に対する税金がゼロになる点です。したがって、非課税投資枠で収益が出ないとメリットはありません。NISA口座では特定口座との損益通算や繰越控除ができないので、収益がでないとデメリットが目立つことになります。

4-2.長期運用は万全ではない

インデックス投資をNISA枠で長期運用する投資スタイルは無難ですが、万全ではありません。

2008年に大きく下落したアメリカのマーケットは以後、右肩上がりを継続し続け、インデックスファンドの長期運用は結果として正解となっていますが、日本はバブル崩壊後の20年に大きな下降と横ばいが続き、浮上のきっかけが掴めませんでした。

投資さえしていれば自然と収益が積み重なっていくとは言えない点に注意が必要です。大きなトレンドはある程度把握しておく必要があります。

4-3.方針を決めたらファンドを持ち続ける

ある程度のトレンドを把握し、見通しがつかめたら惑わされずにファンドを持ち続けることも大事です。機動的に投資する資金と、動かさない資産を分けておき、短期的な投資で収益がでたら、長期運用の資産へ追加投資するパターンが、資産形成を促進できるため望ましいスタイルです。

一度決めた方針は簡単に変えないことも重要です。

まとめ

一般NISAとつみたてNISAは、根本的な制度が異なるため、目的にあった投資対象は異なります。つみたてNISAは投資対象が金融庁の指定したファンドやETFに限定されますが、一般NISAでは株やリスクの高い投資信託にも投資可能です。

現行の制度を活用すると、つみたてNISAで長期運用による資産形成を継続し、別の資金で一般NISAの非課税枠でブル・ベア型投信のような、ハイリスク・ハイリターンのファンドへ投資し、高い収益を狙うこともできます。

2024年からは、一般NISAはつみたてNISAと合体したような制度へ変更されますので、リスクによってNISA制度を使い分ける投資スタイルは2023年までとなります。投資スタイルを確立している方は、つみたてNISAと一般NISAの非課税枠を使い分けてみてはいかがでしょうか。

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sayran

sayran

「資産形成をより身近に」をモットーに、証券会社にて投資信託を中心にリスクの低い資産形成をオススメしていました。 テキストではよりわかりやすくみなさんの興味分野を解説し、資産形成の理解を広めていきたいと思っています。