投資初心者は何から始めるべき?プロのおすすめ投資と必要金額、注意点も

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投資を始めようと思っても、何から始めたらよいのかわからなかったり、手続き等が難しそうだと感じて躊躇(ちゅうちょ)したり、様々な金融商品から何に投資したらよいのか迷ったりするかと思います。

そこで、今回は投資初心者の方にもわかりやすい投資の方法や必要金額、注意点について、金融・投資のプロの目線から解説します。

目次

  1. NISAとiDeCo
    1-1.NISAとは
    1-2.iDeCoとは
  2. 投資信託のメリット・デメリット
    2-1.投資信託のメリット
    2-2.投資信託のデメリット
  3. 投資信託の分類
    3-1.インデックス型
    3-2.アクティブ型
  4. 投資初心者の長期投資にはつみたてNISA
  5. つみたてNISAのメリット、デメリット
    5-1.メリット
    5-2.デメリット
  6. まとめ

1 NISAとiDeCo

投資初心者の方は、NISA、iDeCoといった制度を利用して投資を始めるのが良いでしょう。いずれも、国民の資産形成を促進する国の制度です。少額から始められ、税制が優遇されていることもあり、投資初心者には適していると言える手段です。それぞれの特徴について見ていきましょう。

1-1 NISAとは

NISAとは、少額投資非課税制度のことです。通常、株・投資信託の利益や配当金(分配金)に対しては約20%の税金が課せられますが、NISA口座で運用した利益や配当金(分配金)は税金がかかりません。

NISAには、一般NISAとつみたてNISAの2種類があります。運用対象は、一般NISAが株式・投資信託、つみたてNISAが投資信託となっています。非課税期間は、一般NISAが5年、つみたてNISAが20年となっており、長期運用にはつみたてNISAが適しています。

一般NISA、つみたてNISAともに運用期間中に売却が可能なため、不意の出費にも対応できます。

1-2 iDeCoとは

iDeCoは、私的年金制度の一つです。20~65歳まで加入でき、毎月の掛金は加入資格によって異なります。フリーランスや個人事業主の場合は、毎月6.8万円が上限(国民年金基金と合算)です。

掛金が所得から控除されるため、節税ができることがメリットです。デメリットとしては、60歳以上にならないと換金することができないため、不意の出費が発生してもiDeCoの資産を取り崩して出費に充てることはできないことが挙げられます。

2 投資信託のメリット・デメリット

つみたてNISAとiDeCoの投資対象は、投資信託が中心です。投資信託とは、多数の投資家から集めたお金を原資に、運用の専門家が株式や債券などに投資し、その運用収益を投資家に配分する金融商品です。ここでは、投資信託のメリット・デメリットを見ていきましょう。

2-1 投資信託のメリット

投資信託のメリットは、少額で株式や債券などに分散投資ができることです。自身で株式や債券に分散投資しようとすると、大きな資金が必要です。また、投資信託は複数の株式や債券に投資するため、投資信託が投資している会社が倒産し株価がゼロ円となった場合においても、投資信託の価格はゼロ円にはなりません。

投資信託を保有すると定期的に運用状況などが公表されるため、透明性が高い点もメリットと言えます。また、投資信託の運用は専門家が担当するため、自身で投資先の精査をする必要がない点もメリットの一つです。

2-2 投資信託のデメリット

投資信託のデメリットとしては、個別株のように短期的に数倍、数十倍には成長しにくいことや、信託報酬といって保有中に必要な手数料があることが挙げられます。また、株式投資同様、投資信託の価額が購入価額を下回ってしまうこと(元本割れ)もあります。

3 投資信託の分類

投資信託は、投資対象や運用方法により分類できます。ここでは、運用方法による分類(インデックス型とアクティブ型)について見ていきましょう。

3-1 インデックス型

インデックス型とは、対象の株式指数や債券指数に連動するように組成された投資信託のことです。例えば、S&P500インデックスファンドは、米国のS&P500指数の動きと連動するように組成されており、指数の動きと連動するため、値動きが分かりやすい投資信託といえます。

なお、つみたてNISAの対象の多くは、インデックス型の投資信託です。

3-2 アクティブ型

アクティブ型は、プラス収益(絶対リターン)を追求する投資信託です。インデックス型は、対象指数が下落すると投資信託の基準価額も下落しますが、アクティブ型は市場環境が悪くても、常にプラス収益を追求します。

専門のアナリストやファンドマネージャーが運用に携わるため、運用成績は担当者の腕次第です。

4 投資初心者の長期投資にはつみたてNISA

つみたてNISAは、少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。証券会社によっては100円から投資を始められるため、投資初心者の方に適している投資方法の一つです。

投資対象は、金融庁が指定した投資信託が対象です。これらの投資信託は金融機関によって取り扱っている銘柄が違うので、取り扱い銘柄が多いSBI証券や楽天証券などのネット証券を使うと便利です。

5 つみたてNISAのメリット、デメリット

ここでは、つみたてNISAのメリットやデメリットについて解説します。

5-1 つみたてNISAのメリット

つみたてNISAの最大のメリットは、運用益や分配金が最長20年にわたり非課税だということです。非課税額は年40万円まで(非課税投資枠は20年間で最大800万円)です。ひと月当たりの積立額は最大3.33万円で、複数の投資信託に分散投資できます。

過去20年の日米主要株式指数の上昇率をみてみると、2002年6月~2022年4月末の20年間の主要株式指数上昇率は、米国S&P500指数が約300%、ナスダック指数が約700%、ダウ工業平均が約250%、日本のTOPIXが約70%、日経平均株価指数が約130%です。

20年前に100万円分のS&P500指数に連動する投資信託に投資した場合、約300万円が利益となります。現在の税制では、利益に対し約20%課税されるため、手取り金額は約240万円ですが、NISA口座の場合は課税されないため、300万円が手取り金額となります。

過去のデータがそのまま将来に反映されるわけではありませんが、運用期間が長ければ長いほど元本割れのリスクが軽減されるためメリットがあります。また、いつでも換金が可能で、急な出費に対応できる点もつみたてNISAのメリットです。

5-2 つみたてNISAのデメリット

デメリットは、損失が発生した場合、一般口座や特定口座の利益と損益通算や損失の繰越控除ができないことです(特定口座の場合には、損失が出た場合、他の利益と相殺することができます)。

また、売却した場合、売却部分の非課税枠が再利用できない点もデメリットです。そのため、資産の売買によって投資割合を調整するリバランスを行うことが難しくなります。

まとめ

投資初心者の方には、つみたてNISAが適しています。少額から始められること、20年と長期にわたり積み立てができること、売却益や分配金が非課税なこと、運用期間中に売却ができることが理由です。

つみたてNISAは対象銘柄数が多いため、銘柄選定には迷うかもしれません。迷ったら、米国や世界株式、先進国株式などと連動する投資信託を選ぶと無難です。経済状況などにより価格は上下しますが、長期的には世界経済の成長によって資産額の増加が期待できます。

関心を持った方は、つみたてNISA口座を開設し、投資を始めてみることも検討してみてはいかがでしょうか。

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藤井 理

大学3年から株式投資を始め、投資歴は35年以上。スタンスは割安銘柄の長期投資。目先の利益は追わず企業成長ともに株価の上昇を楽しむ投資スタイル。保有株には30倍に成長した銘柄も。
大学を卒業後、証券会社のトレーディング部門に配属。転換社債は国内、国外の国債や社債、仕組み債の組成等を経験。その後、クレジット関連のストラテジストとして債券、クレジットを中心に機関投資家向けにレポートを配信。証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト、AFP、内部管理責任者。