40代の投資デビューに適した投資と主なサービスは?メリット、リスク比較も

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40代は、子どもの教育資金や老後の生活に備えて資産形成の必要性が高まる年代ですが、20代・30代と比べて年収や保有資産が多くなる傾向にあるため、投資先の選択肢も広がります。しかし、これまで投資をしたことの無い方にとっては、「今から初めて遅くないか」「40代で投資を行う際のリスクは何か」が気になる方もいるでしょう。

そこでこの記事では、40代で投資を始める際のメリット、リスク、投資デビューに適した金融商品について詳しく解説します。投資や資産運用に関心をお持ちの40代の方は、参考にしてみてください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・サービスへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※本記事は2021年11月18日時点の情報をもとに執筆されています。最新の情報については、ご自身でもよくお調べの上、ご利用ください。

目次

  1. 40代で投資を始めるメリット・リスク
    1-1.老後資金の準備ができる
    1-2.本業以外の収入源ができる
    1-3.インフレ対策になる
    1-4.資産が増えるとは限らない
  2. 40代の投資デビューに適した金融商品
    2-1.投資信託
    2-2.株式投資
    2-3.不動産投資
  3. まとめ

1 40代で投資を始めるメリット・リスク

預貯金だけで将来必要なお金を貯めることが難しくなっている中、投資や資産運用でお金を増やす必要性が高まっています。一方、投資はお金を増やす手段にもなり得ますが、減らす可能性もあるので、投資デビューをする前にメリット・リスクについてしっかり確認することが大切です。

1-1 老後資金の準備ができる

老後資金の問題は、40代の方に限らず多くの方の悩みであり、働く世代共通の課題です。個人の状況によって一概には言えないものの、老後の生活を豊かにするには、一定以上の資金が求められます。

そのため、将来を見据えて早い段階から投資・運用に取り組み、老後資金の準備を進めることは、老後資金問題に対処する手段になり得ます。

特に40代の方の場合、定年を迎えるまでに約20年間あります。この期間を利用して資産運用・積立を行えば、長期投資の強みを活かして元本以上の資産を形成できる期待が高まります。さらに、40代は収入や預貯金に余裕も出てくるので、老後資金の準備を始めるのに適したタイミングとなります。

1-2 本業以外の収入源ができる

本業以外の収入が得られる点も、40代の方が投資を行うメリットです。本業の定期的な収入とは別の収入源を確保できれば、資産形成を大きく前進させることができるほか、失業や転職など、もしもの時のリスク分散になります。

例えば、継続的な不労所得を期待できる投資信託や不動産投資は、資金に一定の余裕はあるが本業で忙しいという方に適した資産運用です。投資信託なら分配金、不動産投資なら家賃収入を定期的に受け取れるので、本業以外の収入源として役立ちます。

1-3 インフレ対策になる

中長期の観点で投資を行うことは、将来のインフレに対する備えにもなります。インフレ(インフレーション)とは、物価が上昇し、お金の価値が相対的に低下することを指します。

例えば、現在10,000円で売買されている商品が物価上昇により12,000円で売買されることになった場合、現金の価値はそのままなので、10,000円ではその商品を購入できないことになります。

銀行預金で利息が付いたとしても、金利は10年定期で0.002%なのでわずかです。一方、市場で流通する株式や投資信託は物価変動を反映するため、インフレによる資産価値の目減りを抑えることが期待できます。このように将来のインフレへの備えとなる点も、投資を始めるメリットです。

1-4 資産が増えるとは限らない

元本保証のある銀行預金と異なり、投資では売買の判断やタイミング、市況、経済情勢などにより、元本を割り込んで損失が発生する可能性もあります。

また、個人的な事情によって投資を継続できなくなる場合もあります。例えば、結婚、出産、マイホーム購入などでまとまった現金が必要となり、投資を中断・中止せざるを得ない場合、当初の想定とは異なる投資結果に終わることもあります。

さらに、投資結果は市況や投資家の状況に左右されるため、必ずしも利益が得られるとは限りません。投資を始める際は、損失の発生する可能性やその金額などについて、十分に理解しておくことが不可欠です。

2 40代の投資デビューに適した金融商品

40代になると、退職後を見据えた資産形成や老後資金の準備などのニーズが高まります。資産形成の手段としては、投資信託、株式投資、不動産投資など様々な種類があるものの、ある程度資金力のある40代が初めて投資を行う場合、短期・高リスクな運用よりも、中長期・低リスクな運用スタイルが重要になります。

短期・高リスクな運用は、例えば株の信用取引、FX(外国為替証拠金取引)、先物取引などはリスクの高い投資です。いずれも特定の為替や商品などの価格を対象とし、証拠金を預け入れ、証拠金の何倍もの取引を行って利益を狙うのが特徴の金融商品です。

レバレッジをかけた分、大きな利益を得られる場合もあるので、資産形成の効率は良くなります。しかし、預け入れた証拠金を超える損失が発生する可能性もあるため、特に投資をこれから始めようという方が、最初に挑戦する資産運用としてはやや不向きです。

投資デビューで将来必要なお金を着実に作りたい40代の方の場合、短期で大きなリターンを目指すよりも、以下のように長期的な視点による低リスクの運用が適しています。

2-1 投資信託

メリット ・長期スパンでの資産形成に優れる
・投資のプロにおまかせできる
リスク ・基準価額の変動により元本割れの可能性もある
・リターンはやや低い
40代の投資デビューにおける特徴・注意点 ・最も始めやすい投資の一つ
・銘柄選びや手数料などは慎重に検討

投資信託とは、各投資家から集めた資金を投資のプロが運用する金融商品です。投資信託の価格に相当する「基準価額」をもとに売買を行う仕組みで、リアルタイムで取引できる株価と異なり、基準価額は1日1回のみ算出されるのが特徴です。

そのため、投資信託は中長期的な運用に向いており、銘柄の購入後は基本的に何もする必要がありません。基準価額は各銘柄によって異なりますが、大体1万円前後から購入可能です。

投資信託の銘柄には様々な種類があります。例えば、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は米国の代表的な株価指数であるS&P500に連動するタイプのファンドで、好調な米国経済の成長に伴う恩恵を受けることができるので、長期的な資産形成に向いた商品の一つとなっています。

一方、国内・海外債券を中心とする投資信託は、株式を中心とするタイプに比べてリターンも小さくなりますが、リスクを抑えて運用できます。特に40代で投資デビューする方にとっては、低リスクがポイントになるケースも多くあります。複数の資産に分散投資されている投資信託は、株式のように企業の倒産を心配する必要も少ないのです。

また、税制面における各種優遇制度も投資信託のメリットです。例えば、iDeCo(個人型確定拠出年金)では、対象となる投資信託を原則60歳まで定期的に積立することで、通常であれば運用益に対して発生する税金が非課税となります。さらに、年末調整や確定申告を行うと、掛金に対して所得控除を受けられるので、支払うべき税額が軽減されます。

このほか、つみたてNISAと呼ばれる非課税制度でも、特定銘柄の投資信託を積立することにより、運用益に対する税金が非課税となります。

iDeCoとつみたてNISAのいずれも事前の手続きが必要である点や特定の銘柄に限定される点などの制限はあるものの、投資家にとって優遇された仕組みになっています。

プロの投資家におまかせでき、iDeCoやつみたてNISAなどの各種優遇も受けやすく、個別株よりも低リスクの投資信託は、40代で投資デビューを考える方が検討したい金融商品の一つです。

2-2 株式投資

メリット ・株価上昇によるリターンを期待できる
・配当金や株主優待なども活用できる
リスク ・損失も大きくなりやすい
・チャートの見方や注文方法が複雑
40代の投資デビューにおける特徴・注意点 ・ある程度の資金を使って投資できる
・銘柄の種類や売買タイミングの見極めが難しい

株式投資とは、証券取引所に上場されている株式を売買することにより利益を狙う投資のことです。最近はスマホやパソコンから手軽に取引できるため、時間や場所を選ばないのも特徴です。

株式の価格である株価は、日々の取引の中で変動しています。上昇しそうな株式銘柄を前もって購入しておき、実際に上昇してから売却することで、その差額が投資家の利益となります。

一方、株式投資はリスク・リターンの大きい金融商品です。投資信託に比べると値動きが大きく、株価の変動によっては大きな利益を期待できるものの、下落すれば多額の損失が発生する可能性もあります。

また、株式投資の取引単位は1単元(100株)となるため、基本的に数十万円以上の購入資金を必要としますが、預貯金のある40代の方なら資金効率の良い運用を狙うことも可能です。

なお、株式投資でもNISAと呼ばれる制度があり、専用のNISA口座を開設して取引することにより、本来利益にかかる税金を非課税にできます。このNISAは、一部の投資信託のみが対象の「つみたてNISA」と区別して「一般NISA」と呼ばれますが、つみたてNISAと一般NISAを両方同時に利用することはできません。

株式投資は、資産運用の代表例としてイメージしやすく、株価の動きによっては大きな利益を狙うこともできます。比較的リスクを取れる・取りたい方や、銘柄や売買のタイミングを自身で判断したい方に向いた金融商品です。

2-3 不動産投資

メリット ・定期的な家賃収入を期待できる
・ローン完済時は純粋な資産になる
リスク ・基本的にローンを組む必要がある
・空室対策や賃貸価格変動などが課題
40代の投資デビューにおける特徴・注意点 ・信用力や収入などは不動産投資で役立つ
・ローンや金利、税への総合的な対応が必要

不動産投資とは、マンション・アパートや一戸建てなどの不動産を購入した上で、その物件を貸し出すことにより、家賃収入を得る方法です。定期的な収入が見込めることや、好調に推移する不動産需要を背景に検討する方も増えてきている投資の一つです。

不動産投資は、収益を期待できそうな物件を購入することがポイントです。また、ローンを組めるかどうか、どの程度の金額のローンを組むかも重要になります。豊富な自己資金で不動産を一括購入する手段もありますが、不動産投資家の多くはローンを組んで投資物件を購入しています。

ローンの頭金を多く用意できれば、金利の総支払額が少なくなります。また、収入や信用力を活かしてローンを組むことになるため、勤続年数や給与所得などの点から20・30代と比べて40代投資家の強みを活かしやすいのが特徴です。

一方、入居者の募集や不動産管理業務などが課題になります。これらは専門の管理会社に任せるのが通常ですが、数多くの業者が存在するため、コスト面などで希望に合ったところを見つけることが重要です。中には、販売・募集の段階から実際の管理業務まで一貫して手掛けている業者などもあります。

まとめ

40代で投資デビューする場合、着実な資産形成を行うには長期的な視点で低リスクの運用を心がけることが大切です。特に、投資信託、つみたてNISA、iDeCoはリスクを抑えながら銀行預金よりも効率よく資産形成を狙える上、投資の基本的な考え方の理解にもつながります。

また、資金的に余裕がある方や、家賃収入に関心のある方は株式投資や不動産投資も有力な選択肢となります。40代でこれから投資を始めたい方は、投資の種類や特徴、メリット・デメリットを確認しながら検討してみてください。

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HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム

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