将来の資産形成のために、投資信託を始めたいと考えている学生の方もいらっしゃると思います。ですが、投資信託の始め方や金額がいくら必要になるのかなど、気になっている方も少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は、学生が投資信託を始める方法や必要な金額、メリット、注意点について紹介します。最後に投資信託の購入に便利な証券会社も紹介しますので、参考にしてください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- 学生でも投資信託を購入できる
1-1.投資信託とは
1-2.投資信託の種類 - 投資信託を始めるのに必要な資金額
- 投資信託のメリット
3-1.投資初心者でも始めやすい
3-2.手間を掛けずに投資できる
3-3.投資信託を取り扱う金融機関が多い - 投資信託の注意点
4-1.元本は保証されない
4-2.手数料コストがかかる
4-3.短期的な収益化には向いていない - 学生が投資信託を始める方法
5-1.目標金額を決める
5-2.利用できる制度を検討する
5-3.投資信託の種類を決める
5-4.口座を開設して入金する
5-5.運用を開始する - 投資信託の購入に便利な金融機関
6-1.SBI証券
6-2.松井証券
6-3.楽天証券
6-4.auカブコム証券 - まとめ
1.学生でも投資信託を購入できる
投資信託の購入には年齢や収入に関する条件はないため、学生でも投資信託を購入することができます。ただし、金融機関によっては、成人の学生でも貯蓄や定期収入がないなどの理由で、口座開設の審査に通過できないケースがあります。
また、未成年の学生が口座を開設する場合、親権者の同意書や続柄が確認できる書類の提出や、親権者が同じ金融機関に口座を開設して入金することが条件となる場合もあります。
1-1.投資信託とは
投資信託とは、専門家(金融機関)に投資を信託して自分の代わりに資産運用してもらう金融商品で、専門家は投資家から資金を集め、株式や債券などに投資をして運用します。
投資家は投資した金額に応じた分配金を受け取ったり、基準価額の上昇に伴って投資信託を売却したりすることで利益を得る仕組みとなっています。
1-2.投資信託の種類
投資信託は運用先によって下記のような種類があります。
- 国内株式型投資信託
- 外国株式型投資信託
- 国内債券型投資信託
- 外国債券型投資信託
- J-REIT(日本の不動産投資信託)
- 海外REIT
- コモディティ投資信託
- バランス型投資信託
これらに加えて、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)などのインデックス(指数)に連動するように運用されるインデックスファンドや、インデックスを上回る成果を目指すアクティブファンド、購入時期が異なる単位型と追加型、資産を取り崩せるオープンエンド型と減資できないクローズエンド型など、さまざまな種類に分類できます。
投資信託を始める場合は、各商品の特徴を理解して、自分に合った投資信託を選択することが大切です。
2.投資信託を始めるのに必要な資金額
投資信託は、少額資金から運用を始められるという特徴があります。
投資信託の販売会社や条件などによって異なりますが、1万円程度あれば投資信託を購入できますし、ネット証券を利用すれば100円から投資信託を購入することも可能です。また、普段の買い物で貯まったポイントやおつりを使って投資信託を購入できるサービスもあります。
そして、投資信託を一括購入するか積立購入するかで必要な資金額が異なり、積立で購入したほうが最低投資額は少額になるのが一般的です。
例えば、株式投資の場合は、1株から購入できるサービスはあるものの、一般的には100株を1単元として購入することになるので、数万円から数十万円以上の資金が必要になります。一方で投資信託では少額から投資ができるので、これから資産運用を始めたいと考えている方には向いているといえます。
3.投資信託のメリット
投資信託には以下のメリットがあります。
- 投資初心者でも始めやすい
- 手間を掛けずに投資できる
- 投資信託を取り扱う金融機関が多い
それぞれ詳しくみていきましょう。
3-1.投資初心者でも始めやすい
投資信託は初心者でも始めやすいというのがメリットの1つです。資産運用を専門家に任せられるため、投資の知識がなくても利益を狙いやすいからです。
また、選択する商品によっては購入するだけで分散投資の効果を得られるため、投資にかかるリスクを抑えながら運用することができます。
3-2.手間を掛けずに投資できる
投資信託は手間を掛けずに投資ができるというメリットがあります。投資信託は運用を任せることができるため、購入手続きや現金化のための解約手続き以外に、何もする必要がないからです。
分配金を再投資してくれるファンドを選べば、時間が経過するとともに複利で資金を増やすことも狙えます。
3-3.投資信託を取り扱う金融機関が多い
投資信託を取り扱う金融機関が多いというのもメリットといえます。銀行や証券会社などの金融機関がさまざまな投資信託商品を取り扱っており、投資を始めやすい環境が整っています。
ただし、取り扱っている投資信託商品や手数料は、金融機関ごとに異なるため、よく比較検討することが大切です。
4.投資信託の注意点
投資信託には、以下の注意点があります。
- 元本は保証されない
- 手数料コストがかかる
- 短期的な収益化には向いていない
それぞれ詳しくみていきましょう。
4-1.元本は保証されない
投資信託は銀行預金や債券のように元本が保証されていないというのが注意点です。運用状況によっては、購入した金額よりも売却した金額の方が低く、損失となるケースもあります。
また、外国の金融資産に投資するファンドでは、為替の影響によって日本円に換算した際に利益が目減りしたり、損失となったりする可能性があります。
ほかにも、資金額が不十分になった場合や予定期限を過ぎてファンドが解散した場合、運営元が倒産した場合などには、返金額が元本を下回ることがあります。
4-2.手数料コストがかかる
投資信託では、運用会社や販売会社に支払う手数料や信託報酬など、さまざまな手数料コストがかかります。また、外国の金融資産に投資するファンドでは、現地の法律によって別途費用が発生するケースもあります。
投資信託商品によって手数料コストは異なりますので、事前に調べておくことが重要になります。
4-3.短期的な収益化には向いていない
投資信託は投資した金融資産の売買によって利益を得ます。このため、経済状況によっては資産の価値が下がる場合もあります。状況の回復を待てば資産価値が回復する可能性はありますが、どちらにせよ数年単位で待たなければならず、短期的な収益化を狙う場合には適していません。
また、投資信託の収益率は株式投資などと比較してそれほど高くなく、短期的に収益化を目指すほどリスクが高まります。そのため、投資信託では中期的・長期的に運用していくことが重要といえます。
5.学生が投資信託を始める方法
投資信託は金融機関に口座を開設して入金すれば始めることができます。
しかし、それ以前に資産運用の目標金額や予算などを決めておくことが重要になります。具体的には、以下のような手順となります。
- 目標金額を決める
- 利用できる制度を検討する
- 投資信託の種類を決める
- 口座を開設して入金する
- 運用を開始する
それぞれ詳しくみていきましょう。
5-1.目標金額を決める
投資信託を始めるなら、まずは目標金額を決めましょう。
手元にある資金のうち、投資にどれくらい回せるのかを検討します。投資の元手が決まったら、投資する期間とどれだけ殖やしたいかを考えてください。これで、目標金額に必要な利回りが見えることになります。
投資に対して求める利回りがはっきりすることで、どんな投資信託商品を選択すればいいのかがわかります。場合によっては株式など投資信託以外の商品が望ましいという場合もあるでしょう。その際は投資信託に固執せず、ベターな選択肢を選びましょう。
5-2.利用できる制度を検討する
投資信託で資産運用を行う場合、利用できる制度が3つあります。
- NISA
- つみたてNISA
- iDeCo(個人型確定拠出年金)
NISAは個人の投資家が利用できる税制優遇制度です。投資によって発生する利益に対して毎年120万円まで非課税(最長5年間)となり、投資信託の分配金や譲渡益も非課税となります。
つみたてNISAも、個人投資家が利用できる税制優遇制度です。年間40万円の非課税枠と最長20年間の非課税期間が設定されており、条件を満たした投資信託で利用できます。積み立てによる長期投資や分散投資を行いやすくするための制度ですので、投資信託による資産運用に適しています。
iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、個人年金制度の一つで、加入者が掛金を拠出して自身が選択した金融商品で運用するもので、投資信託も投資対象に含まれています。掛金がすべて所得控除となる税効果がある一方で、原則60歳まで年金を受け取れないというデメリットがあります。
これらの制度のうち、自分に合っているものがあれば利用を検討してみましょう。
5-3.投資信託の種類を決める
次に、自分で決めた目標金額や求める利回りから、実際に購入する投資信託を選別していきます。
先述したように投資信託にはさまざまな種類や運用方針があります。また、手数料や純資産額についても確認することが大切です。
手数料はできるだけ低いものを選ぶようにするのが無難です。特に信託報酬は保有期間中常に発生するもので、基準価額を引き下げる働きがあるため、過去の成績から手数料負けしていないファンドかどうかを確認すると良いでしょう。
純資産額とはファンドの時価評価額に利息・分配金などの利益をプラスした数値です。純資産額が少なくなるとファンドを運用できなくなり、損失につながる可能性があります。また、純資産額が増えていれば、それだけ資金が集まったり、利益が発生したりしている勢いのあるファンドということになります。手数料と純資産額については必ずチェックしておきましょう。
5-4.口座を開設して入金する
投資信託の種類が決まったら、金融機関に口座を開設して入金しましょう。
なお、証券会社には「店舗型」と「ネット型」があります。店舗型(総合証券)は投資家に対する窓口対応やサービスが充実していますが、手数料が高く設定されているケースが多くなります。銀行も同様の傾向があります。
一方、ネット型(ネット証券)は、窓口対応や対面サービスはありませんが、その分手数料が低く設定されています。
これらを踏まえたうえで、購入したい投資信託を取り扱っている金融機関を選んで口座を開設します。口座開設が完了すれば、あとは入金すれば準備は完了です。ただし、投資信託の購入に必要な金額以上を入金する必要があるため注意しましょう。
5-5.運用を開始する
入金した資金で投資信託を購入したら、運用開始です。定期的に発表される運用レポートと合わせて1ヶ月に1回程度運用成績を確認しておきましょう。
6.投資信託の購入に便利な金融機関
投資信託を始める場合に便利な金融機関を紹介します。
- SBI証券
- 松井証券
- 楽天証券
- auカブコム証券
※下記数値などは2022年6月時点の情報です。
6-1.SBI証券
SBI証券では、2,650本以上(2022年5月時点)の投資信託を取り扱い、原則としてすべての銘柄を買付手数料無料で購入できます。そのうち183本をつみたてNISA口座で購入可能です。
楽天証券と並んで国内金融機関でも最大級の投資信託銘柄を取り扱い、最低100円からの積立投信サービスも利用できますので、少額からの資産形成を考えている方に適した証券会社です。
銘柄検索がしやすい「パワーサーチ」や運用の専門家による「動画セミナー」など、利用しやすいサービスも多く提供されています。
6-2.松井証券
松井証券では1,600本超(2022年5月時点)の投資信託を取り扱っています。すべての銘柄が買付手数料無料・NISA口座での購入可能となっており、つみたてNISA口座でも173本の投資信託を購入できます。
松井証券でも最低100円からの少額投資が可能です。また、資産形成をサポートしてくれる「投信工房」「投信提案ロボ」「投信見直しロボ」の3つのロボアドバイザーサービスを提供しているのも特徴の1つです。
さらに、不安や疑問についてマネープランナーが相談に応じてくれるなど、投資信託が初めての方でも利用しやすくなっています。
6-3.楽天証券
楽天証券では、2643本(2022年6月時点)の投資信託を取り扱っており、すべての銘柄で買付手数料無料となっています。そのうち179本をつみたてNISA口座で購入可能です。
また、100円から投資信託を購入できる「100円投資サービス」や、楽天ポイントで投資信託が購入できるなど、投資信託を始めたいと考えている方に向いています。投資信託による資産形成でポイントが貯まる、投資信託を保有することで国内株式手数料が割引になるなど、充実したサービスを提供しているのが特徴です。
6-4.auカブコム証券
auカブコム証券では1,550本以上(2022年5月時点)の投資信託を取り扱っており、すべての銘柄で買付手数料無料・NISA口座買付可能となっています。また、つみたてNISA口座でも171本の投資信託を購入可能です。
Pontaポイントで投資信託を購入できる「ポイント投資」や、毎月100円以上1年単位の少額から投資信託を積み立てできる「プレミアム積立®」など、気軽に投資信託を始めたいという方に向いている証券会社です。
また、ロボアドバイザーアプリ「FUND ME」を使えば、利用者の状況に応じた投資信託のポートフォリオの提案や、シミュレーションサービスを利用できます。
まとめ
今回は学生が投資信託を始める方法について紹介しました。
投資信託は少額から始めやすいことに加え、投資期間が長いほど複利効果を得やすいため、学生の方に向いている投資手法といえます。学生のうちから将来のための資産運用を考えている方は、運用におけるメリット・デメリットなどを踏まえ、手段や商品を検討してみてください。
山本 将弘
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