ETF投資の始め方は?証券会社選びや銘柄選びなど手順に沿って解説

ETFは、株式のようにリアルタイムで取引できる投資信託です。少額から国内外の様々な金融商品に分散投資できるので、初心者の方でも始めやすい一方、通常の投資信託と違って分配金を自動で再投資できないほか、株式と違って株主優待がない等のデメリットもあります。

そこで、この記事ではETF投資を始めるために必要な基礎知識や銘柄の選び方、証券会社の選び方を詳しく解説します。ETF投資の注意点なども併せてご紹介しますので、これまでETF投資をしたことがない方や、新しくチャレンジしたいと考えている方は参考にしてみてください。

※本記事は2022年6月13日時点の情報をもとに執筆されています。最新の情報については、ご自身でもよくお調べの上、ご利用ください。

目次

  1. ETF投資とは
    1-1.少額から国内外の様々な金融商品に分散投資できる
    1-2.投資信託と比べて取引コストが安い
    1-3.一般NISAやつみたてNISAが利用可能
    1-4.株主優待がない
    1-5.分配金を自動再投資できない
  2. ETF投資の始め方
    2-1.銘柄の選び方
    2-2.証券会社の選び方
  3. ETF投資の注意点
  4. まとめ

1 ETF投資とは

ETFは上場投資信託とも呼ばれる金融商品で、株式と同様に取引所で取引される投資信託です。日本の市場で取引されている銘柄は4桁の銘柄コードが付されており、市場の開いている時間帯はリアルタイムで売買することができます。

ETFの代表的な銘柄は、日経平均株価(日経225)やTOPIX(東証株価指数)のような株価指数に連動した値動きをする商品です。指標となる株価指数などの数値を確認しやすく、上場していない投資信託(公募投信)と比べて価格動向を把握しやすいという特徴があります。また、金・原油のような商品や債券などの指数に連動した銘柄もあり、公募投信と同様に投資対象となる金融商品は多種多様です。

このほか、ETFには次のような特徴があります。

1-1 少額から国内外の様々な金融商品に分散投資できる

ETFは株式と同様に銘柄ごとに定められた売買単位での取引が基本です。1口や10口単位など株式よりも少ない単位で売買できる銘柄が多く、数千円から数万円と少額から多くの銘柄を取引することが可能です。

また、ETFは投資信託と同様に様々な投資対象で運用されます。例えば、日経平均株価に連動した運用成果を目指す銘柄では、対象資産となる日経平均の構成銘柄に幅広く分散投資するため、少ない投資金額からリスク軽減を図ることができます。

1-2 投資信託と比べて取引コストが安い

ETFは公募投信と比べて取引コストが安いのも特徴です。購入時や売却時、保有期間中に発生する手数料は、ETFと公募投信で以下のように異なります。

手数料が発生するタイミング ETF 公募投信
購入時 株式と同様の売買手数料が発生し、手数料の金額は証券会社によって異なる。 購入時手数料として販売会社へ購入金額の0~3%程度の手数料が発生。
売却(解約)時 換金の際などに信託財産留保額が発生することもあり、ファンドによって最大3%程度までで設定。
保有期間中(信託報酬) 0.1~1%程度 0.1~3%程度

国内ETFは、購入時と売却時に株式売買と同様の手数料が発生します。定額制の手数料体系を導入している証券会社の場合、1日の約定金額合計が100万円など、一定金額以内なら手数料無料で取引可能なところもあります。

公募投信の購入時手数料は、ノーロード(無料)の証券会社や銘柄も増えている一方、換金の際は信託財産留保額などのコストが発生するファンドもあり、売却手数料を安く抑えられるETFよりも手数料は高くなることがあります。

保有期間中に発生する信託報酬については、ETFが0.1~1%程度となっており、公募投信の0.1~3%程度よりも安い水準です。

1-3 一般NISAやつみたてNISAが利用可能

ETFは、税制優遇制度の一般NISAを利用できるのもメリットです。一般NISAでは、年間120万円までの投資で発生した売却益や分配金などの利益が全て非課税となるので、本来はこれらの利益に対して20.315%の割合で課される税金を納める必要がありません。運用で得られた利益は全て手元に残るため、非課税期間の最長5年間は効率的に資産を増やすことが可能です。

なお、つみたてNISAの対象となるETF対象商品は、2022年6月9日時点で7銘柄と限られており、いずれも大和証券の取扱いとなります。

1-4 株主優待がない

ETFは企業が発行している株式ではないため、株主優待の権利はありません。株主優待を得るには、権利確定日に一定数以上の株式を持っている必要があります。

ETFを購入することで、組入対象である企業の株式を間接的に所有することになるものの、株主優待の対象ではないため、留意しておきましょう。

1-5 分配金を自動再投資できない

公募投信は分配金を再投資できる仕組みとなっているため、複利効果を得ながら運用することが可能です。特に分配金を出さないファンドは自動的に再投資を行ってくれ、無税で基準価額に対する複利効果を享受できます。

一方、ETFは同様の仕組みがなく、決算ごとに分配金が現金で支払われるため、複利効果を活かして再投資するには、現金で受け取った分配金でETFを再度買い付ける必要があります。

2 ETF投資の始め方

ETF投資をスムーズに始めるために、ETFの主な銘柄の種類と証券会社の選び方のポイントを押さえておきましょう。

2-1 銘柄の選び方

ETFの種類 主な投資対象 対象となる主な指数
国内・海外株式 国内外の株式 日経平均株価(日経225)
TOPIX(東証株価指数)
ダウ・ジョーンズ工業株30種平均
S&P500指数
FTSE100指数など
国内・海外債券 国内外の債券 FTSE日本国債インデックス
FTSE世界国債インデックスなど
J-REIT・海外REIT 国内外の不動産投資信託(REIT) 東証REIT指数
S&P先進国REIT指数など
コモディティ(商品) 金やプラチナ、原油などの商品 金地金価格
WTI原油先物価格など
レバレッジ型・インバース型 国内外の株価指数先物、外国債券など 日経平均レバレッジ・インデックス
日経平均ダブルインバース・インデックス
NASDAQ100インバース指数など

ETFは株式指数や商品、債券など様々な金融商品が投資対象です。国内外の株式に投資するETFでは、国内の主要な株価指数だけでなく、米国のダウ平均やS&P500指数、ロンドン市場のFTSE100指数なども対象指数となる銘柄があり、他にも業種別や高配当株などのテーマ別の指数などが採用されている銘柄もあります。

また、レバレッジ型ETFという指数に一定の倍率をかけた指標や、インバース型ETFという指数に負の倍率をかけた指標をもとに運用される銘柄もあり、対象となる指数の2倍(-2倍)までの値動きをするように設計された銘柄の取引が可能です。

これらの銘柄はレバレッジによって短期で大きな利益を狙うことが可能で、負の倍率をかけたインバース型ETFは相場の下落局面でも積極的に利益を狙える一方、通常のETFと比べてリスクも高くなるため、慎重な判断が必要です。

投資対象や指数からETF銘柄を選ぶ際は、日本取引所グループや各証券会社の銘柄検索ツールを利用すると、運用目的や投資スタイルに合った銘柄を探しやすくなります。

2-2 証券会社の選び方

ETFは、売買手数料の安い証券会社を選ぶことでコストを抑えた取引が可能になります。国内株式手数料の安いネット証券について、約定金額100万円までの約定コースと、定額制コースの手数料、米国上場ETFの取引手数料、海外上場ETFの取扱銘柄をまとめると以下の通りです。

証券会社 取引手数料(税込) 海外ETF取扱銘柄
国内ETF(100万円以内の取引) 米国ETF
約定ごと 定額制
SBI証券 ~5万円:55円
~10万円:99円
~20万円:115円
~50万円:275円
~100万円:535円
1日の約定金額合計100万円まで無料 約定代金の0.495%で上限22ドル 373本(米国、中国、シンガポールなど)
楽天証券 398本(米国、中国、シンガポール)
auカブコム証券 206本(米国)
マネックス証券 1日の約定金額合計100万円まで550円 378本(米国、中国)
松井証券 1日の約定代金合計で手数料が決まるボックスレート
~50万円:無料
~100万円:1,100円
※25歳以下は金額に関わらず無料
68本(米国)

約定ごとの取引手数料コースは、取引金額100万円以内の場合、各社に大きな違いはありません。定額制コースの手数料は、SBI証券と楽天証券、auカブコム証券が1日の約定合計100万円まで無料となっており、550円の手数料が発生するマネックス証券よりもコストを抑えた取引が可能です。

松井証券は約定ごとの手数料体系がないボックスレートとなっており、他社の定額制と同様、1日の約定金額合計50万円まで無料、50万円を超えると有料になりますが、25歳以下は金額にかかわらず取引手数料無料となります。

一方、米国ETFの取引手数料は、各社とも横並びとなっているので、取引コストをなるべく抑えたい方は、国内ETFの取引手数料が一定金額まで無料となるSBI証券、楽天証券、auカブコム証券、松井証券なども適しています。

なお、米国など海外の市場に上場しているETFは、証券会社によって取扱銘柄や取引手数料が異なるため、証券会社選びの参考にしましょう。

3 ETF投資の注意点

ETFは元本が保証された金融商品ではありません。運用状況によっては投資した金額が目減りする元本毀損リスクがあるほか、流動性の低い銘柄に注意することも大切です。

ETFは株式と同様に市場でリアルタイムの取引が可能なので、ETFを売買する際は市場価格で取引する一方、投資信託の価値を金額で表した基準価額も1日1回算出されます。

市場での取引価格と基準価額は基本的に連動しますが、市場の需給関係によっては、両者の金額に乖離が生じる可能性もあります。特に、取引量の少ない銘柄などは価格の乖離や市場で売却したいときに買い手がつかない可能性もあるため、極端に取引量の少ない銘柄には注意も必要です。

まとめ

ETFは少額から分散投資が可能で、投資信託よりも取引コストが安く、税制優遇制度が活用できるなどメリットの多い金融商品です。一方、分配金を自動で再投資できないほか、つみたてNISAの対象となるETF銘柄は7つと、選択肢が限られている点はデメリットにもなります。

そのため、ETF投資を始める際は、商品特性をしっかり理解した上で、投資目的に合った銘柄や、取引コストの安い証券会社を選ぶことが大切です。

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