金(ゴールド)に投資する方法は?それぞれのメリット・デメリットも

金価格が2020年8月に史上最高値を更新し、その後も堅調に推移しています(同年10月26日時点)。足元で金が買われている理由の一つには、コロナ禍や不安定な世界情勢による先行き不安の高まりを背景に、不況金への資金流入が進んでいることが挙げられます。

コロナ禍に収束がみられない中、先行き不安から金投資を検討されている方も多いと思います。今回は金に投資する方法や、メリット・デメリットについて解説します。

※この記事は2020年10月23日時点の情報に基づき執筆しています。最新情報はご自身にてご確認頂きますようお願い致します。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・サービスへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 投資としての金
  2. 金現物に投資する方法とそれぞれのメリット・デメリット
    2-1.金地金を購入する
    2-2.金貨を購入する
    2-3.純金積み立てを始める
    2-4.アンティークコインに投資する
  3. 金価格に連動する金融商品に投資するメリット・デメリット
    3-1.ETF(上場投資信託)に投資する
    3-2.投資信託に投資する
    3-3.金鉱企業に投資する
    3-4.金先物に投資する
  4. まとめ

1.投資としての金

金の強みは、世界で地政学リスクの高まりや経済情勢が悪化すると需要が高まり、価格が上昇する傾向にあることです。金価格は2008年9月のリーマンショックや今回のコロナショック後上昇しました。コロナ禍にある2020年10月現在も高値で推移しており、投資としての金が見直されています。

金に投資する方法は、大きく2つに分けることができます。金地金や金貨といった現物を購入する方法と、金価格に連動する金融商品を購入するという方法です。

まずは現物に投資する方法とメリット・デメリットを解説します。

2.現物に投資する方法とそれぞれのメリット・デメリット

金の現物に投資する方法としては、金地金、コイン、純金積み立て、アンティークコイン等があります。

2-1.金地金を購入する

金地金を購入することは、世界共通の通貨に投資することと同じです。金は古くから通貨として利用され、金本位制の時代は金が通貨の裏付けとなっていました。その名残もあり、現在でも各国の中央銀行は外貨準備として外貨の他に金を保有しています。

金地金は、金取り扱い会社の店頭で購入できるほか、最近ではインターネット上でも購入が可能です。

金を保有することで資産のリスクを分散させることができます。金には、例えば基軸通貨であるドルが暴落した場合、金価格が急騰するといった値動きをするためです。株や債券の価格が暴落した場合にも、金価格は上昇することが多く、資産を金に分散しておくことでリスクを軽減できます。また、緊急時には換金のしやすさという点でも威力を発揮します。

金地金購入の大きなデメリットは、保管場所です。もし、金地金を500キロ保有していたら、どこに保管すれば良いかは悩むところでしょう。保有量が多ければ多いほど盗難リスクが高くなり、保管場所にも困ります。

SNS時代の現在、「金の延べ棒500キロがあの家にある」とネットで拡散されたり、保管場所が特定されたりすることもあるかもしれません。また、もし自宅に金を保管した場合、火災や災害に見舞われたら溶解してしまうリスクもあります。

このほか、手数料が高いこと、売却益が出た場合には譲渡所得扱いとなり、他の所得と合算し総合課税が適用されることもデメリットです。

2-2.金貨に投資する

金貨は、「金でできた貨幣」であり、金色の輝きとずっしりとした重み、レリーフの美しさが魅力で、投資やコレクションの対象となっています。金地金に比べると少額から投資することが可能です。

貨幣なので発行元が国で信用の裏付けがあり、貨幣として日々の買い物でも使用可能です。しかし、通貨価値は金の価格より低いことが多いため、貨幣として金貨を使用すると損をしてしまいます。

また、金貨にはプレミアムが付いているため、金地金より買値が高く売値が安いことには注意が必要です。

2-3.純金積み立てを始める

金投資の方法として、純金積み立てが定着してきました。少額から投資可能で、ネット証券のSBI証券マネックス証券などででは月1,000円から、金取扱企業では月3,000円から始められます。ドルコスト平均法でリスクを分散しながらコツコツ資産を形成することができ、まとまれば仏像やジュエリーなど金地金との交換もできます。

一方、手数料が高いことがデメリットです。購入金額の2%台が一つの目安となり、株式や投資信託などと比べ割高となっています。

2-4.アンティークコインに投資する

富裕層コレクターの間などで行われる投資方法です。アンティークコインは、発行枚数が少なく現存するものも少ないことから希少性が高いこと、デザイン性に優れていることから人気となっています。レアなアンティークコインの中には、1枚数千万円するものもあり、1億円を超えるものも存在します。

1億円の現金を持ち運ぶには労力が必要ですが、1億円のコインはポケットに入れて持ち運ぶこともできます。また、それぞれのコインには歴史的背景があり、コインを通じて歴史ロマンに浸ることもでき、希少性が高いため保有するだけで幸せを感じる方もいるでしょう。

一方、値上がりしそうなコインは既に付加価値がついているため多額の資金が必要だという点はデメリットです。また、需給で価格が決まること、盗難リスクが高いこともデメリットとして挙げられます。保管場所や情報管理には注意が必要です。

3.金価格に連動する金融商品に投資するメリット・デメリット

金の値動きに連動する金融商品としては、ETF(上場投資信託)や投資信託、金鉱株、金先物などがあります。これらの商品別にメリットとデメリットをみていきます。

3-1.ETFに投資する方法

金のETFとは、金価格に連動する上場投資信託のことを指します。

金の現物に投資する場合と異なり保管場所が必要ないこと、購入時の手数料が低いこと、盗難リスクが小さいことがメリットです。税制面では、株式と同様、「特定口座(源泉徴収あり)」を選択すれば確定申告が不要になり、株式等との損益通算が可能です。なお、一部のETFについては金地金と交換することができます。

デメリットとしては、価格変動リスクや、金の重みを肌で感じることができないことが挙げられます。

3-2.投資信託に投資する方法

金に連動する投資信託も販売されています。手数料は取り扱い金融機関により異なるので購入時には注意しましょう。メリット・デメリットはETFと基本的に同様ですが、基準価額の変動や売買がリアルタイムではない点に違いがあります。短期的な価格変動リスクは相対的に小さい一方、売買に時間がかかる点はマイナスと言えます。

3-3.金鉱企業に投資する

金鉱企業の株価は、金価格と連動性が高いため金の代替投資となります。リーマンショック時や今回のコロナショック時においても、金鉱企業株は資産防衛の手段として買われ、金価格同様に株価が上昇しました。

金鉱企業株の代表例として、米国のニューモントとカナダのバリック・ゴールドの2つが挙げられます。同社の株価と金価格との連動性は高く、金代替投資として検討できます。

リーマンショック時やコロナショック時にはほとんどの株が売られ、金には「有事の金買い」が入り価格が上昇しましたが、両銘柄の株価は金同様に上昇し、一時は金価格の上昇率を上回る水準で推移していました。また、2銘柄は配当を実施しているため、定期的に配当金を受け取ることも出来ます。

こうした金鉱企業銘柄にはデメリットもあります。有事の際、資金が集中する傾向があり、株価が割高な水準まで押し上げられてしまう可能性があります。金との相関性がいつまでも強いとは限らない点にも注意が必要です。

3-4.金先物に投資する

金先物は大阪取引所に上場しています。取引単位が10分の1に設定された「金ミニ先物」もあります。先物は投資というより投機に近く、短期売買やヘッジを目的とした取引が中心です。リスクが高いため初心者の方にはお勧めできません。

メリットは、少ない証拠金で大きな取引ができ、売りからでも買いからでも参加できることです。上場しているため、価格の透明性が高いこともメリットです。一方、思惑と違う方向に金価格が動くと、レバレッジ倍率のぶんだけ損失が大きくなりやすく、追証(証拠金の積み増し)やロスカット(強制的な損切り)が必要になる場合もあることはデメリットです。 

まとめ

以上、金(ゴールド)に投資する方法や、それぞれのメリット・デメリットについて解説しました。

金に投資する方法は様々あります。金は他の金融資産との相関性が比較的低いため、金を保有することで、経済危機が起きた場合に資産の目減りを抑えることが期待できます。興味のある方は、ご自身の投資目的や投資できる金額等にあった方法を考えたうえで検討を進めてみてください。

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藤井 理

藤井 理

大学3年から株式投資を始め、投資歴は35年以上。スタンスは割安銘柄の長期投資。目先の利益は追わず企業成長ともに株価の上昇を楽しむ投資スタイル。保有株には30倍に成長した銘柄も。
大学を卒業後、証券会社のトレーディング部門に配属。転換社債は国内、国外の国債や社債、仕組み債の組成等を経験。その後、クレジット関連のストラテジストとして債券、クレジットを中心に機関投資家向けにレポートを配信。証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト、AFP、内部管理責任者。