ふるさとチョイス「ガバメントクラウドファンディング®」の利用手順は?税金の控除を受ける方法も

ガバメントクラウドファンディング®とは、ふるさと納税制度を活用して行うクラウドファンディングで、ふるさとチョイスが提供している仕組みです。地域課題の解決を支援すると同時に、税金の軽減を受けたり返礼品を貰ったりすることができる仕組みです。

この記事では、ガバメントクラウドファンディングの利用手順と、ふるさと納税の寄附金控除の適用を受けるための申請手順について解説します。

※記事内の税金・税率などは2023年1月時点の情報となります。最新の情報については、国税庁などのサイトをご確認のうえ、税理士などの専門家へのご相談もご検討ください。

目次

  1. ガバメントクラウドファンディングとは
  2. ガバメントクラウドファンディングの利用手順
    2-1.ふるさとチョイスのガバメントクラウドファンディングで支援したい地域課題プロジェクトを選ぶ
    2-2.ガバメントクラウドファンディングサイトで寄付をする
    2-3.返礼品が届く
    2-4.寄附金控除の適用を受ける
    2-5.地域課題の解決を見守る
  3. ふるさと納税の寄附金控除の申請手順
    3-1.領収書の発行・保管とその他書類の準備
    3-2.確定申告
    3-3.ふるさと納税のワンストップ特例
  4. まとめ

1.ガバメントクラウドファンディングとは

ガバメントクラウドファンディングガバメントクラウドファンディングは、ふるさとチョイスなどのふるさと納税事業を手掛ける株式会社トラストバンクが推奨する、新しい寄付の方法です。オンラインで地域課題の解決を目指すプロジェクトを探して、ふるさと納税の寄付を通じて支援することができます。

ふるさと納税は、納税者が、特定の都道府県や市区町村を選んで寄付という形式で納税することができる制度です。ふるさと納税の仕組みは、いったん寄付した金額を所得税の所得控除である寄附金控除と、住民税の税額控除である寄附金控除を利用して納税者に還元する構造になっています。

通常のふるさと納税では、寄付を受けた自治体が返礼品を送付してくれることから返礼品によって寄付先を選ばれる方が多い傾向にありますが、ガバメントクラウドファンディングでは、地域課題解決のプロジェクトごとに寄付を選ぶことができるのが特徴です。

2.ガバメントクラウドファンディングの利用手順

ガバメントクラウドファンディングを利用して寄付をする手順をみていきましょう。

  • ガバメントクラウドファンディングサイトで支援したい地域課題プロジェクトを選ぶ
  • ガバメントクラウドファンディングサイトで寄付をする
  • 返礼品が届く
  • 寄附金控除の適用を受ける
  • 地域課題の解決を見守る

2-1.ふるさとチョイスのガバメントクラウドファンディングで支援したい地域課題プロジェクトを選ぶ

ガバメントクラウドファンディングのプロジェクト一覧から、支援をしたい地域課題解決のプロジェクトを選びます。

まちづくりや子ども・教育、健康・福祉、自然・環境、動物といった大まかなカテゴリー別に選んだり、エネルギーや貧困、働き方・雇用、不平等・格差といったより詳細なタグ別に選んだりすることもできます。

自治体によっては、その自治体のホームページにガバメントクラウドファンディングを募っているプロジェクトを公開しているケースもあります。支援したい自治体のある方は、そのホームページをチェックしてみるのもよいでしょう。

2-2.ガバメントクラウドファンディングサイトで寄付をする

支援したい地域課題解決のプロジェクトが決まったら、ガバメントクラウドファンディングサイトでそのプロジェクトに寄付をします。

寄付は、クレジットやキャッシュレス決済、携帯電話料金決済、ネットバンク、現金支払いなどでおこなうことができます。

2-3.返礼品が届く

ガバメントクラウドファンディングでも返礼品を用意しているケースが多くあります。寄付をすると、返礼品とともに、寄付の受領書が届きます。寄付の受領書は、寄附金控除を受ける際に必要になります。

なお、ガバメントクラウドファンディングの寄付先によっては、返礼品がない場合もあります。

2-4.寄附金控除の適用を受ける

ガバメントクラウドファンディングで寄付をした際に受け取った受領書を下に、翌年2月16日から3月15日までの間に所得税の確定申告をおこなって、寄附金控除の適用を受けます。

所得税の確定申告書は、住民税の申告書も兼ねているため、翌年分の住民税課税の際、本来の住民税額からもふるさと納税に対応する寄附金控除がなされます。

【関連記事】寄付をすると住民税・所得税は安くなる?寄附金控除の仕組みや手順を解説

2-5.地域課題の解決を見守る

ガバメントクラウドファンディングをおこなっているプロジェクトの進捗状況は、自治体のホームページなどで確認できます。

寄付された支援金がどのように使われたのか、そして、その結果、地域の課題が解決していく様子を知ることができます。応援メッセージを送ると、サイト上に掲載されることがあります。自分の支援への想いを発信してみましょう。

3.ふるさと納税の寄附金控除の申請手順

ふるさと納税の寄附金控除の申請をおこなうには、基本的に確定申告による必要があります。給与所得者であっても年末調整で申請することはできません。ただし、寄附金控除の申請がふるさと納税のみである場合、一定の条件の下でワンストップ特例を適用できることがあります。

3-1.領収書の発行・保管とその他書類の準備

寄付先の自治体などから、寄付の受領証や領収書の交付を受けます。

確定申告を紙ベースでおこなう場合は、受領証や領収書を添付して税務署に提出する必要があります。電子申告でおこなう場合は、提出は不要ですが、5年間保管し、税務署から提示などを求められたときはこれに応じる必要があります。

確定申告によって、寄附金控除の申請をするには、その年のすべての所得を示す書類が必要になります。給与所得がある人は給与所得の源泉徴収票、不動産所得がある人は不動産所得の決算書などを準備しましょう。

3-2.確定申告

寄附金控除を受けることを記載した所得税の確定申告書の提出を、翌年2月16日から3月15日までにおこないます。確定申告書の提出方法は、主に電子申告と紙ベースでの申告の2つの方法があります。

所得税の寄附金控除を受けて減額された税額は、確定申告後に還付されます。住民税の寄附金控除適用による減額分は、地方自治体が課税してくる住民税額に反映されます。

電子申告

確定申告書の提出を電子申告でおこなうには、マイナンバーカードを用意します。まず、国税庁ホームページの確定申告書作成コーナーにアクセスします。

スマートフォンを利用する場合は、その後、マイナポータルAPという専用アプリをインストールし、マイナンバーカードを読み取って、収入・所得金額、寄附金控除を含めた各種控除情報を入力します。税額の計算結果を確認してから、データを保存し送信します。

パソコンを利用する場合は、カードリーダーを用いてマイナンバーカードを読み取り、e-Taxで送信します。

いずれの方法による場合でも、寄附金の受領証や領収書の提出は不要です。

紙ベースでの申告

国税庁ホームページの確定申告書作成コーナーで、住所、氏名などの個人情報、収入・所得金額、寄附金控除を含めた各種控除情報を入力し、紙ベースで申告書を印刷します。印刷した申告を、住所地の所轄税務署に郵送などで提出します。

この際、寄附金の受領証や領収書のほか、収入・所得を証明する源泉徴収票などの書類、各種控除の証明書、マイナンバーカードの写しなどの本人確認書類を添付することが必要になります。所轄税務署の設置する確定申告会場で相談を受けながら、申告書を作成し、提出することも可能です。

3-3.ふるさと納税のワンストップ特例

ふるさと納税の寄附金については、以下の条件を満たす場合に限り、確定申告をおこなわずに寄附金控除を受けることができる特例があります。ただし、確定申告をおこなってしまった場合、その確定申告において同時に寄附金控除の申請もおこなう必要があります。

  • 確定申告が不要な給与所得者(給与収入先が1箇所のみ、年間2,000万円以下)であること
  • ふるさと納税先の自治体数が5団体以下であること
  • ふるさと納税先の地方自治体に、寄附金税額控除に係る申告特例申請書を提出すること

※参照:国税庁「寄附金控除(ふるさと納税など)を受けられる方へ

【関連記事】「ふるさと納税したいけど、確定申告は面倒…」そんな方におすすめのワンストップ特例制度

まとめ

ガバメントクラウドファンディングは、ふるさと納税の制度を利用して、地域課題を解決するプロジェクトに寄付をすることができる仕組みです。

具体的なプロジェクトごとに寄付をして、その進捗や成果を知ることができるだけでなく、寄付金に相当する税金の軽減を受け、返礼品も貰うことができます。ふるさと納税の税金軽減は、原則として確定申告をすることによって、所得税や住民税の寄附金控除を受けることができる仕組みになっています。

寄付金の受領証や領収書の発行を受けて、翌年2月16日から3月15日までの間に手続きするようにしましょう。

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佐藤 永一郎

筑波大学大学院修了。会計事務所、法律事務所に勤務しながら築古戸建ての不動産投資を行う。現在は、不動産投資の傍ら、不動産投資や税・法律系のライターとして活動しています。経験をベースに、分かりやすくて役に立つ記事の執筆を心がけています。