高校生が投資をするには?手続き方法や初心者向けの投資対象を解説

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2022年4月から高校家庭科授業で金融教育が必修化となります。授業の中では投資信託などの金融商品についても学ぶことになるため、「高校生でも投資はできるの?」と疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、高校生が投資を行う際の手続き方法や初心者向けの投資対象などを詳しく解説していきます。高校生投資のメリット・デメリットなども併せてご紹介するので、投資に興味を持っている高校生や未成年の方は参考してみてください。

※本記事は、2022年2月16日の情報をもとに執筆されています。最新の情報については、ご自身でもよくお調べの上、ご利用ください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 投資とは
    1-1.投資の目的
    1-2.投資のリスク・リターン
  2. 高校生が投資を行うメリット・デメリット
    2-1.金融リテラシーの向上につながる
    2-2.将来必要になる投資の知識と経験が身に付く
    2-3.金融・経済・社会などの様々な知識も身に付く
    2-4.親権者の同意が必要
    2-5.投資に使える資金が少ない
  3. 高校生や投資初心者向けの投資対象
    3-1.投資信託
    3-2.国内株式
  4. 高校生の投資の始め方
  5. まとめ

1 投資とは

高校生から投資を始める場合、投資とはどのようなものかをしっかりと理解した上で始めることが重要です。まずは、投資の目的やリスクとリターンなど投資の基本的な概要から確認してみましょう。

1-1 投資の目的

投資の主な目的はお金を増やすことですが、「いくらを目標に増やすか」「どのくらいの期間で増やすか」「どのような手段で増やすか」「いくらの資金を元手に増やすか」などは、それぞれ異なります。

そのため、投資では最初に投資目的を定めることが重要です。目標金額や運用期間が具体的に決まっていないと、一時的に利益が出ていても利益確保のタイミングを逃し、結果的には損をする可能性も高まります。

例えば、株取引では1,000円で買った株が1,200円まで上がったときに売ると、1株あたり200円の利益が出ます。目標金額(=売るタイミング)を決めていない場合、「まだ上がるだろう」と考えて1,200円では売らないという判断をするケースが増える傾向にあります。

しかし、そのあと株価が800円に下がり200円の損失が発生するというケースも起こり得ます。なお1,200円で売った後、さらに値上がりする可能性もありますが、利益確保しておけばその先の投資戦略を練り直して改めて同じ株を買うという選択も可能になります。

このように、目標の金額や投資の期間、手段、金額などを定めるために、まず明確な目的を定めることが重要なので、高校生や投資初心者の方などは具体的な目的を定めてから投資を始めると良いでしょう。

1-2 投資のリスク・リターン

投資リスクを考慮する上で大切なのはリターン(利益)との兼ね合いです。投資では期待リターンに見合ったリスクかどうかを判断することが重要なポイントになります。

例えば、1万円を元手に投資する場合、投資期間が同じだと目標金額が11,000円と15,000円では後者のほうが高いリスクをとって運用しなければなりません。しかし、リスクが高くなると損をする可能性も高まり、運用方法によっては元手の1万円が全て無くなる可能性もあります。

一方、リスクを抑えた投資はリターンも少ないのですが、最初に投資したお金が全て無くなる可能性もあるようなハイリスク・ハイリターンの投資商品と比べて、長期的に運用を続けやすいのが特徴です。

リスクを抑えた投資でも長期間運用することでリターンが積み重なるため、初めて投資に取り組む方ははなるべく少額・長期・低リスクを心掛けて投資を行うことがポイントです。

2 高校生が投資を行うメリット・デメリット

こちらでは、高校生が投資を行う利点や注意点について詳しく確認していきます。

2-1 金融リテラシーの向上につながる

2022年4月1日から、民法改正により成年になる年齢が20歳から18歳に引き下げられることで、現在の高校生は卒業した時点でひとりの成人として行動することが求められています。

成人になると契約締結などの法律行為を自分の判断で行わなければなりません。しかし、高校を卒業する18歳という年齢は社会人としての経験が少ない状態なので、家計管理や金融知識などを正しく理解して判断できる金融リテラシーの向上が教育上の急務となっています。

これを受けて高校の家庭科の授業では、2022年4月度から預貯金や株式、債券、投資信託の特徴など資産形成の視点も必修化され、高校生から金融リテラシーの向上につながるカリキュラムが組まれています。

高校生から投資を始めると、これらの金融商品に関する知識だけでなく、運用資金のマネジメントなど家計管理の感覚も養うことが可能なので、金融リテラシーの向上に繋がることは大きなメリットです。

2-2 将来必要になる投資知識や経験が身に付く

将来必要になる投資の知識と経験を身に付けられることも高校生から投資を始めるメリットです。

現行の日本の年金システムでは公的年金だけで老後の人生設計をすることが難しくなっています。銀行の預金利息もほとんど付かない現状で、貯蓄だけで老後の資金を工面するのも困難です。そこで、将来的に必要になるのが投資による資産形成です。

投資は知識だけでなく様々な局面での判断や経験も必要になります。高校生などの若い年齢から投資を始めることで、知識の蓄積だけでなく様々な局面の市況などを経験できる点は大きなメリットで、将来の投資にも役立つ重要な財産となります。

2-3 金融・経済・社会などの様々な知識も身に付く

高校生から投資を始めることによって、金融や経済、社会などの様々な知識が身に付く点もメリットの一つです。

投資では投資の手段となる金融商品の知識が必要になりますが、それぞれの金融商品は金融や経済、社会などの様々な情報を根拠に値動きします。例えば、為替が円高ドル安になると日本の輸出企業は収益が悪化することも多いため、株価なども収益の悪化を見込んで値下がりする傾向が強くなります。

また、最近は地球温暖化対策のため二酸化炭素削減が大きな社会目標として掲げられています。これにより、ガソリン車を主力としている大手自動車メーカーは将来の規制などによって収益が圧迫されることも考えられますが、電気自動車などの二酸化炭素削減に貢献するメーカーは今後の収益拡大が期待できるという見方もできます。

このように、投資を始めると金融や経済、社会をはじめとする様々な情報が知識として身に付くため、高校生などの若いうちからこれらの知識に触れられる点は、今後の知見を広げる観点からもプラスになります。

2-4 親権者の同意が必要

高校生や未成年が証券口座を開設するためには、基本的に親権者の同意が必要です。口座を開設する証券会社によっても異なりますが、親権者の方の口座開設後に未成年者の口座開設ができるシステムとなっている証券会社が多い一方、20歳未満の口座開設ができない場合もあります。

また、投資に全く興味のない方や高校生から投資を始めることに否定的な意見を持った親権者の方も少なくないため、このように親権者の同意が必要になることは投資を始める前のハードルとなる可能性もあります。

ただし、法律上の成年年齢の引き下げが高校生投資の後押しになる可能性もあります。例えば、楽天証券では、成年年齢の引き下げと共に口座開設の要件を満18歳以上に引き下げることが発表されており、民法改正後は18歳以上の高校生の方が親権者の同意なく口座開設が可能です。

未成年の口座開設については、改正民法が施行される2022年4月1日までに各社の対応が発表される予定です。

2-5 投資に使える資金が少ない

高校生が投資に回せる資金は多くないため、購入できない金融商品も出てくる点がデメリットになります。

例えば、国内株式は単元株数という取引単位が定められており、個人投資家が取引できる上場株式は100株などの単位になるため、ある程度のまとまった資金が必要になります。仮に、1株1万円の銘柄を1単元購入する場合、10,000円×100株=100万円の資金を用意しなければなりません。

しかし、少額投資はデメリットだけではありません。少額の資金でも長期間投資することによって、リスクを抑えながら複利効果で運用することも可能です。

複利効果とは、運用で得た収益を再投資に回すことで利益が更なる利益を生み出す効果のことです。また、少額から毎月コツコツと投資信託などの商品を購入する積立投資という方法もあるので、限られた資金でも将来必要なお金を作ることができます。

3 高校生や投資初心者向けの投資対象

高校生や投資初心者向けの投資対象についても確認してみましょう。

3-1 投資信託

投資信託とは、投資家から集めた資金を投資のプロが株や債券、商品(金や石油など)などに投資して運用してくれる金融商品です。

投資信託は、投資のプロに運用をお任せできるだけでなく、投資家から集めたお金で様々な金融商品に投資するため、個人で投資するよりも分散投資(リスクが偏らないように投資対象を分散させる投資手法)の効果もある点が大きな特徴です。

また、投資信託の銘柄にもよりますが、基本的に少額から購入可能なので、投資知識や経験の少ない高校生や投資初心者の方にも取引しやすい投資対象となっています。

しかし、プロに運用をお任せする分、信託報酬と呼ばれる運用手数料などが発生するため、株式投資と比べて高コストである点にも注意が必要です。そのため、投資信託を購入する際は投資対象や手数料、過去の運用実績などに着目して銘柄を選定する作業が必要になります。

3-2 国内株式

高校生や投資初心者の方に向いている2つ目の投資対象は国内株式です。

株取引では、安く購入した株を高値で売って売却益を目指す方法と配当金で利益を出す方法があります。中には株主優待制度を実施している銘柄もあり、商品券や割引券などを貰える場合もあります。

最近は外国株を取引できる証券会社も増えていますが、外国株は為替や各国の経済指標、現地のニュースなどが株価に大きな影響を及ぼすため、投資初心者の方は情報を入手しやすい国内株の取引から始めるほうが適しています。

また、上記の通り、国内株は100株単位の単元株数が定められているため、まとまった資金が必要ですが、証券会社によっては1株から購入できる単元未満株もあるので、少額から投資を始めたい高校生や投資初心者の方も手軽に購入可能です。

例えば、SBI証券やマネックス証券は単元未満株の購入手数料が無料(売却時は手数料がかかります)なので、これらの証券会社を利用することで手数料負担を抑えた投資も可能です。

4 高校生の投資の始め方

高校生でも購入できる国内株式や投資信託は、おもに銀行や証券会社などで取り扱われています。また、最近は購入手数料無料のノーロード型投資信託を多く扱っているネット証券でも購入可能な上、購入手続きもオンラインで完結するため手軽です。

ネット証券で投資信託を取引するためには、以下のような口座開設の手続きが必要です。

  1. 親権者の方が口座開設
  2. 未成年者の方の口座開設
  3. 口座開設の完了後に証券口座に入金して取引開始

なお、親権者の方がすでに口座を持っている場合、親権者の方が口座開設する必要はありません。中には、岡三オンライン証券のように親権者の方の口座開設は不要で未成年者の方の口座を開設できる会社もあるので、手続きを行う際は事前に確認しましょう。

また、口座開設にはマイナンバーを確認できる書類と身分証明書も必要です。マイナンバーカードのみで手続きできるケースもありますが、マイナンバー通知カードを利用する場合、身分証明書として健康保険証や住民票なども併せて必要になることがあります。

これらの必要書類についても事前に確認しておくとスムーズに手続きを進めることが可能です。

まとめ

高校生でも株式投資や投資信託などの投資を行うことは可能です。むしろ若い年齢から投資を始めることで、金融知識や経験を身に付けられるのは大きなメリットになります。

一方、高校生や未成年が口座開設するには、親権者の承諾が必要になるだけでなく、投資に使える資金も限られているため、どのような投資対象で運用するかも重要なポイントです。

高校生の方が投資を始める際は、目標金額や投資手段など投資の目的を明確に定めた上で、投資リスクにも注意しながら親権者の方と相談してみてください。

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HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム

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