ETNとは何か?ETF・投資信託との違いと値動きなどの特徴まとめ

投資初心者の方でも株式と同じように市場で取引できるETFについては耳にしたことがあるかと思いますが、ETNについてはよくわからないという方が多いのではないでしょうか。

名前は似ていますがETNとETFは全く別の商品で明確な違いがあります。今回は、ETNとETFの違いとそれぞれの特徴などを、馴染みがある投資信託との比較も交えながら解説していきます。

目次

  1. ETNとは何か?
  2. ETN投資のメリット・デメリット
    2-1.ETN投資のメリット
    2-2.ETN投資のデメリット
  3. ETN、ETF、投資信託の比較一覧
  4. まとめ

1.ETNとは何か?

ETN(イー・ティー・エヌ)とは「Exchange Traded Note(債券)」の略です。上場投資“証券”や指標連動“証券”とも呼ばれます。ETF(イー・ティー・エフ)「Exchange Traded Fund(上場投資信託)」と同様に、特定の指標(指数:TOPIX、S&P500、価格:商品、農産物)に連動するように作られた金融商品です。

ETFとは異なり、信用力の高い金融機関が特定の指標に連動するように発行したNote(債券)であり、金融機関は裏づけ資産を保有せず、その信用力によりNote(債券)を発行します。

乱暴な言い方をすると、発行体である金融機関はTOPIXなどの投資対象指標とETNの償還価額が連動するように保証すればよく、実際にどのような資産運用をしても構わないことになります。そのため、発行体金融機関の倒産や財務状況の悪化等によりETNの価格が下落、または無価値となる可能性があるため、注意が必要です。

したがって東京証券取引所では、上記のような信用リスクを低減するため、ETNの発行体には一定水準以上の信用力を求め、財務状況や信用格付け等について厳格な上場審査・廃止基準を設けています。

2.ETN投資のメリット・デメリット

ETNに投資するメリットとデメリットをまとめました。

2-1.ETN投資のメリット

メリットは以下の通りです。

現物投資が難しい資産が投資対象となる

ETNはETFと違い、裏付け資産を保有しません。そのため、通常、個人では投資を行うことが難しい投資規制が存在する新興国の株式、希少資源、時間の経過とともに劣化してしまう大豆・トウモロコシなどの農産物、現物資産がなくETFでは組成できない「ボラティリティ」などの指標などに投資することができます。

取引量が少なくて多少の売買でも価格が大きく変動するような流動性が低い資産に投資する場合は、ETFよりもETNを利用した方がコストが低くなることがあります。

少額から投資可能

一般に、株式や商品先物などへ投資するには、数十万円程度のまとまった資金が必要となりますが、ETNでは数千円〜数万円程度から投資できます。ETF・投資信託も同様に少額から投資可能です。

リアルタイムの価格で売買可能

ETNは取引所に上場しているため、一般の証券取引口座を持っていれば、市場が開いている間であれば、株式のように証券会社を通じていつでもリアルタイムに売買ができ、信用取引も可能です。

ETFは同じくリアルタイムで売買できますが、投資信託はリアルタイムでの売買はできず、通常、申込当日の証券取引所が終了した後に計算される基準価額がベースとなります。

比較的低コスト

一般的な投資信託に比べて、運用コストや手数料は低く抑えられていますが、ETFと比較すると多少割高に設定されています。

トラッキングエラーが小さい

ETNは発行体である金融機関によって対象指標への連動が保証されているため、トラッキングエラー(ベンチマークとの価格の乖離)は運用管理費用などを除いて発生しません。また、インデックスファンドのように、指数(インデックス)への連動性が運用会社の運用能力に依存することもありません。

一方ETFにはその価値の裏付けとなる資産があり、株式の組み入れ比率、売買コスト等が発生するためトラッキングエラーは発生します。

2-2.ETN投資のデメリット

対して、以下のようなデメリットもあります。

発行体である金融機関の信用リスク

ETNは発行体となる金融機関の信用力を背景として発行される証券であることから、発行する金融機関の財務状況が悪化して信用力が低下したり、倒産したりすると、ETNの価格が下落したり、最悪の場合には無価値となるリスクがあります。

信託保全対象外

ETNでは、発行する金融機関は指数への価格連動を保証するものの、その価値を裏付ける現物資産は保有していません。そのため発行体が倒産してしまいETNが上場廃止となっても、裏付け資産を清算して投資家に保証が行われるという仕組みが存在しません。

一方ETFは、価値の裏付けとなる資産が運用会社の資産とは分けて信託銀行に保管されているため、もし運用会社が倒産しても投資した資産は守られる仕組みとなっています。

債券ではあるが満期に元本が償還されない

ETNは、債券でありながら満期時に元本が保証されていません。償還価格は、対象指標に連動して決まる価格であり、償還時の対象指標次第では元本を下回ることもあります(逆に上回ることもあります)。

銘柄の選択肢が少ない

ETNの国内での歴史はまだ浅く、東証で第一号のETNが上場したのは2011年のことです。その後、数は増えたものの、ETFと比べるとまだ銘柄数は少ないのが現状です。ちなみに、投資信託の方がETFよりも圧倒的に商品数も種類も多くなっています。

3.ETN、ETF、投資信託の比較一覧

では、ここまで解説してきたETNのメリット・デメリットを含めて、ETF・投資信託をまとめて比較してみましょう。

項目 ETN ETF 投資信託
価格 市場でリアルタイムに売買 市場でリアルタイムに売買 基準価額(1日1回公表)
注文方法 指値注文、成行注文 指値注文、成行注文 価格の指定は不可
信用取引 可能 可能 不可能
取引金額 少額から 少額から 少額から
発行体 信用力の高い金融機関 投資信託委託会社(アセットマネジメント会社) 投資信託委託会社(アセットマネジメント会社)
価格の基準 TOPIXやS&P500などの「指数」、金や農産物など商品の「価格」 株価指数(TOPIXやS&P500)や商品価格(指数)など 現物の株式、債券、REIT(不動産投資法人)、金などの商品(コモディティ)が中心
価値の保証 発行体の信用力 保有する現物資産 保有する現物資産
リスク 組み入れ商品によるリスク
発行体の信用リスク
組み入れ商品によるリスク
価格変動リスク・流動性リスク
信用リスク・為替リスクなど
組み入れ商品によるリスク
価格変動リスク・流動性リスク
信用リスク・為替リスクなど
トラッキングエラー 発生しない
*運用管理費用などを除く
発生する 発生する
償還期間 満期償還あり
*元本(額面)保証ではない
基本的に満期償還なし 基本的に満期償還なし
運用コスト 一般的な投資信託に比べて、コストが低く抑えられているが、ETFよりは割高 一般的な投資信託に比べれば格安 最近はかなり信託報酬が低いパッシブファンドが組成されているが、アクティブファンドは依然コストが割高

まとめ

ETNとETFはつい混同してしまいがちですが、様々な部分で違いがあります。特に大きな違いは、ETNは金融機関が発行している証券ということです。対象指標との連動は保証されているものの、その運用の詳細は発行体に一任されるということです。

厳格な審査を通過しているとはいえ、例えば流動性が全くない希少商品の指数連動を保証しているETNの場合、商品が売られれば指数も下落するわけですが、実際の運用で逃げ遅れたりすると、発行体が大きなダメージを負い、意図せず早期償還ということになる可能性も十分にありますのでご注意下さい。

とはいえ、ETNは個人では投資しにくい商品などから利益を上げる可能性をもたらしてくれるものです。今回の解説を参考にうまく活用していただければ幸いです。

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HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム

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