新型コロナウイルスによる経済活動の縮小が長引く一方、株価はITを利用したハイテク株を中心に好調に推移しています。金融業界では新しい投資サービスが次々と登場しており、中でもCAMPFIRE Angelsは株式投資型クラウドファンディングとして個人投資家の注目を受けています。
そこでこの記事ではCAMPFIRE Angelsの特徴、メリット・デメリット、評判、始め方について詳しく紹介します。少額投資が可能な株式投資型クラウドファンディングに関心のある方は、参考にしてみてください。
目次
- CAMPFIRE Angelsとは
1-1.CAMPFIREの株式投資型クラウドファンディングプラットフォーム
1-2.投資対象はスタートアップ企業
1-3.10万円から投資可能
1-4.ファイナンスのプロが企業を厳正に審査
1-5.投資家登録、口座開設、投資などの手数料無料 - CAMPFIRE Angelsのメリット
2-1.ハイリターンを期待できる
2-2.情報量が多く投資判断がしやすい
2-3.少額から未公開株に投資できる
2-4.投資にかかるコストがほとんどない
2-5.エンジェル税制を活用できる場合もある - CAMPFIRE Angelsのデメリット
3-1.必ず成功するわけではない
3-2.投資家登録の際に審査を受ける
3-3.未上場株の流動性は極めて低い
3-4.NISAは非対応 - CAMPFIRE Angelsの評判
- CAMPFIRE Angelsの始め方
- まとめ
1 CAMPFIRE Angelsとは
CAMPFIRE Angelsは、クラウドファンディング「CAMPFIRE」グループのDANベンチャーキャピタル株式会社が運営するサービスです。以下、その特徴を確認してみましょう。
1-1 CAMPFIREの株式投資型クラウドファンディングプラットフォーム
CAMPFIREは購買型クラウドファンディングのプラットフォームとして国内最大級の規模を持つサービスとして知られています。そのブランド名を冠した株式投資型クラウドファンディングプラットフォームがCAMPFIRE Angelsです。
株式投資型クラウドファンディングとは、事業者が自社の株式を発行し、インターネット上の多数の投資家からの資金を集める資金調達方法で、投資家は投資先事業者の株式を取得し、売却差益や配当金などを得ることができます。
1-2 投資対象はスタートアップ企業
株式投資型クラウドファンディングでは、投資対象によって収益化の形が異なるため投資対象を知っておくことも大切です。CAMPFIRE Angelsではスタートアップ企業を主な投資対象としており、特にCAMPFIREブランドの強みを活かしてアートやファッションなどのカルチャー領域、教育やシェアリングエコノミーなどの個人顧客向け領域のITスタートアップを中心に投資対象を選定しています。
1-3 10万円から投資可能
CAMPFIRE Angelsの最低投資金額は10万円です(2021年1月22日時点)。1単元の株式投資の金額としてはそれほど高い金額ではないため、資金にそれほど余裕がない場合でも投資しやすくなっています。なお、企業株式の寡占を避けるため、1案件ごとに投資できる上限は年間50万円までと制限されています。
1-4 ファイナンスのプロが企業を厳正に審査
株式投資型クラウドファンディングの収益確定方法(=イグジット)は、おもにIPOやM&Aでの株式売却です。そのため、投資する案件には将来的に上場を見込めるだけのポテンシャルがあるのか、または他企業が買収を考えるほどの技術力やアイデアがあるのかがポイントになります。
その点、CAMPFIRE Angelsでは、ファイナンスや経営に関して深い知識を持つ専門家が企業を厳正に審査してから案件化するため、公開案件の投資先は高いポテンシャルを持った企業が多くなっています。
1-5 投資家登録、口座開設、投資などの手数料無料
CAMPFIRE Angelsでは、投資家登録や口座開設、維持にかかる手数料は無料です。また、投資信託のように信託手数料などの投資に必要な手数料もありません。ただし、指定口座への振込手数料は必要で、金融機関ごとに所定の振込手数料がかかります。
2 CAMPFIRE Angelsのメリット
CAMPFIRE Angelsの個人投資家におけるメリットには次のようなものがあります。
2-1 ハイリターンを期待できる
将来有望な企業に投資することで、大きなリターンを期待できることがCAMPFIRE Angelsのメリットです。CAMPFIRE Angelsはサービス開始から日が浅く、案件数も少ないためイグジットまで進んだ案件はまだ無いものの、他のクラウドファンディングサービスでは、投資金額の150%ほどで株式が買い取られた案件もあります。
2-2 情報量が多く投資判断がしやすい
CAMPFIRE Angelsでは、各案件で公開されている情報量が多いため、投資家は企業の特徴や事業の方向性をよく考えた上で投資を行うことができます。情報の見せ方などもCAMPFIREのノウハウが詰まっているため、わかりやすく、企業の特徴が伝わるように工夫されています。
株式投資型クラウドファンディングでは、投資家は投資をするだけでなく企業のファンとなって応援するという側面もあります。企業情報が詳細に公開されていれば、企業に対する愛着や成功を願う気持ちにもつながり、投資の満足度を高めてくれます。
2-3 少額から未公開株に投資できる
CAMPFIRE Angelsに限らず、株式投資型クラウドファンディングは少額から未公開株に投資できるのがメリットです。
通常、未公開株を購入するためには、事業主などの株主と直接交渉し、株の評価などを行ってから取引を行う必要があるなど、そもそも入手方法が限られています。
一方、CAMPFIRE Angelsでは10万円から未公開株に投資することで株主となることができるほか、企業が配当金や株主優待を出すことにした場合、それらを得ることもできます。
2-4 投資にかかるコストがほとんどない
株式の購入では、購入金額に従って手数料が発生します。また、投資信託の場合では信託報酬として日々の利益から手数料が差し引かれています。IPO(新規株式公開)投資では、株式購入のための抽選に参加するために手数料が必要になる企業もあります。
一方、CAMPFIRE Angelsでは、投資家登録や管理、案件情報の公開などがWebで完結するようになっているため、手数料負担が必要ありません。指定口座への入出金の際には金融機関の振込手数料がかかるものの、投資家はその他の費用負担を気にすることなく投資することができます。
2-5 エンジェル税制を活用できる場合もある
CAMPFIRE Angelsは、投資家がエンジェル投資家となってスタートアップ企業を応援するサービスです。そのため、企業の状況によってはエンジェル税制の対象になることもあります。エンジェル税制が適用される場合、投資を行った時点または株式を売却した時点のいずれかで優遇措置を受けることが可能です。
3 CAMPFIRE Angelsのデメリット
CAMPFIRE Angelsは始まって間もないサービスで、その他クラウドファンディング投資と比べても案件数は多くありません。CAMPFIRE Angelsを利用する上での注意点やリスクについてもしっかり確認しておきましょう。
3-1 必ず成功するわけではない
CAMPFIRE Angelsでは、各案件に対して専門家による厳正な審査が行われるものの、必ずしも事業の成功や上場を約束するわけではありません。また、配当金や株主優待の有無は企業の判断によって決まります。そのため、すべての案件において、融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)のように一定期間ごとで分配金を貰えるわけでもありません。
投資には基本的に元本割れ等のリスクが伴うため、必ず利益になるわけではありません。特にCAMPFIRE Angelsは未上場企業に対する投資なので、ハイリスクである点に注意が必要です。
なお、CAMPFIRE Angelsでは、申し込み後に何らかの理由でキャンセルしたい場合、申込日より起算して8日間であれば無料でキャンセルできます。キャンセルによってその後の取引にペナルティが発生することもありません。
3-2 投資家登録の際に審査を受ける
CAMPFIRE Angelsでは、投資家として登録するためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 登録時の年齢が20歳以上75歳未満
- 保有する金融資産が300万円以上
- 投資資金が余裕資金である(生活資金などではない)
- リスク性商品に対する投資経験がある
- 日本国内に居住している(国外に転出した場合には投資不可となる)
また、その他の要件(反社会勢力への所属)に該当する場合、上記の条件によらず審査が通らないことがあります。
3-3 未上場株の流動性は極めて低い
CAMPFIRE Angelsでは、投資によって得られる株式はすべて未上場株です。実際に売却を希望する場合、発行会社と交渉するか、もしくは買い取ってくれる第三者を自分で探す必要があります。また、譲渡制限付きの株式の場合には譲渡できません。そのため、現金化したいと思っても、簡単にはできないことに注意する必要があります。
3-4 NISAは非対応
CAMPFIRE Angelsに限らず、株式投資型クラウドファンディングはNISA(少額投資非課税制度)に対応した投資商品ではありません。そのため、NISAによる優遇措置を受けることができません。
4 CAMPFIRE Angelsの評判
CAMPFIREブランドの株式投資型クラウドファンティングということあり、CAMPFIRE Angelsにはスタート当初から注目をしているユーザーもいます。インターネット上のクチコミでは、次のような意見や感想が寄せられているので、参考にしてみてください。
- 「案件の募集画面から投資先企業に質問ができるのがわかりやすくて良い」
- 「公開情報が他社よりも多い。動画が多いのも情報量の面で良い」
- 「発行済み株式数や資本金等の推移が会社概要書でわかるので助かる」
- 「分散投資したいので株式投資型クラファンのプラットフォームが増えてうれしい」
- 「投資後にもう少し情報がほしい」
※上記はすべて個人の感想です。最新情報などについてはご自身でもよくお調べの上、ご利用をご判断ください。
CAMPFIRE Angelsのスタート前は、サービス開始を歓迎する声などが多く、企業向けに提案されているレーマン方式(募集総額によって手数料が低減する方式)も投資案件増や大型案件獲得に期待できると評価されています。
一方で、投資前の情報は多いが投資後の情報が少なく、事業の状況が見えないという意見も聞かれます。競合サービスと比較する声も多く、今後の改善や方向性の明示が期待される部分です。
CAMPFIRE Angelsには新しい試みも多く、これからの新規案件やイグジットの登場に期待している投資家が多いという印象です。
5 CAMPFIRE Angelsの始め方
CAMPFIRE Angelsを始めるにあたっては投資家登録が必要です。投資家登録のためには、以下のものを用意する必要があります。
- メールアドレス
- 本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証など)
- 返金先口座の情報
投資家登録を行う場合は、公式サイトの「投資家登録」のボタンからメールアドレスの入力ページに移動します。メールアドレスを入力すると、確認メールが届くので、そのリンクからパスワード登録を行います。
その後、サービス同意書への同意や個人情報の入力を行います。口座情報は、プロジェクトの中止時や案件のキャンセル時の返金に利用されるものです。
これらの情報入力を終えた後、本人確認書類の画像をアップロードし、登録手続きの完了となります。登録手続きが終わると、運営企業で審査が行われ、審査に通れば登録住所に本人確認コードが書かれたハガキが届き、投資家としてログインして投資が行えるようになります。
ログイン後は、投資を行いたい案件を探し、各種の重要事項書類を読み込んで応募します。プロジェクト成立時には、所定の期日までに申し込んだ金額を指定口座に入金します。
まとめ
CAMPFIRE Angelsは、クラウドファンディング大手のCAMPFIREのグループ会社が運営する株式投資型クラウドファンディングです。始まったばかりのサービスですが、多くの案件を呼び込むブランド力や仕組みがあるため、今後も投資案件の増加が期待できます。
ただし、未上場株の購入はリスクを伴う投資です。クラウドファンディング投資や案件選びを行う際は、メリットだけでなくデメリットや注意点についてもしっかりと把握することが大切です。
HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム
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