バンカーズ(Bankers)の利回りやリスク対策は?5つの案件タイプごとに解説

バンカーズは月に数億円以上の募集を行うこともある、大規模な融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)サービスです。募集規模が大きい案件も多く、できるだけ多くの資金を運用したい投資家にとっても使いやすいサービスと言えるでしょう。

しかし、融資型クラウドファンディングは元本保証のないリスクのある資産運用方法です。注意しておきたいリスクへの対策や他社と比較した時の想定利回りなど、ポイントごとに確認しておくことが大切です。

そこで、今回はバンカーズで実際に募集されているファンドの特徴を紹介していきます。バンカーズでの投資を検討している方はご参考ください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. バンカーズ(Bankers)とは
  2. バンカーズ(Bankers)のファンドの種類
    2-1.サービサー事業支援ファンド
    2-2.伊勢の卵NextCenturyサポーターズファンド
    2-3.事業者ローン・商業手形ファンド
    2-4.不動産担保ローン事業支援ファンド
    2-5.診療報酬債権ファクタリング事業支援ファンド
  3. まとめ

1.バンカーズ(Bankers)とは

融資型クラウドファンディング「バンカーズ」

バンカーズに関するニュース

バンカーズの概要

バンカーズは、2020年12月に融資型クラウドファンディングの運営を開始しました。運営元の株式会社バンカーズの前身となる泰平物産は1974年創設であり、前身企業から換算すると株式会社バンカーズは50年近い歴史があります。

株式会社バンカーズではこれまでにも商業手形割引を中心とした金融商品の取り扱いを行っており、金額にして200億円以上の取り扱い実績があります。

バンカーズの特徴として、バンカーズ自体もセイムボート出資を行っている点が挙げられます。セイムボート出資とはファンドの融資先に対し、投資家から集めた資金運用だけではなくバンカーズも出資を行うことを指します。

セイムボート出資では、プラットホームの運営も出資のリスクを負うため、ファンドの融資先選定においてリスクの高い融資先を選ばなくなり、投資家の資産保全対策につながります。

また、複合ファンドを組成し、予定利回りに幅があるのがバンカーズのファンドの独自性の一つです。例えば、商業手形割引ファンドは商業手形の支払期日までの返済期間でファンドの収支が変わってくるため、利回りに幅が出てくる性質を持っています。

バンカーズの主なファンドでは、変動の起きやすい商業手形割引事業と資金の融資を複合して、一定以上の利回りを得られる工夫がなされており、また融資先の分散によってリスク回避に努めています。

2.バンカーズ(Bankers)のファンドの種類

バンカーズが募集している代表的なファンドの種類を見ていきましょう。

2-1.サービサー事業支援ファンド

バンカーズの代表的なファンドの一つが、サービサー事業支援ファンドです。サービサーとは、債権買取や債権回収サービスを運営する事業者です。サービサー事業支援ファンドでは、サービサー事業者の活動資金を融資します。予定利回りは5.00%~6.00%ほどとなっています。

資産保全対策としては、借り手であるサービサー運営事業者の特定金銭債権に対する質権設定および質権設定登記となっています。また、この質権に対しては第三者からの担保評価額もファンド情報に含まれており、リスクの判断材料が投資家に提供されています。

2-2.伊勢の卵 Next Century サポーターズ ファンド

「伊勢の卵 Next Century サポーターズ ファンド」は、卵を生産する事業者への運転資金を融資するファンドです。利回りは4%程となっています。また金銭以外の投資家へのリターンとして、生産品である伊勢の卵がプレゼントされるという内容も付随していました。

この案件における担保は、借手が保有する、食品の販売に関する契約に基づき発生する売掛債権に対する、バンカーズへの債権譲渡登記となっています。担保の評価額もファンド情報に含まれています。

募集中止・不成立(2022年3月11日)

バンカーズより募集されていた「伊勢の卵 Next Century サポーターズ ファンド」ですが、2022年3月11日に公表されたイセ食品及びそのグループ会社であるイセ株式会社の会社更生手続き(経営破綻)により、ファンド募集中止・不成立となっています。

なお、バンカーズではこのファンドが成立した融資実行後にイセ食品が経営破綻した場合の見解について、自社ウェブサイト上の「イセ食品株式会社の会社更生手続開始に係る当社見解について」で発表しています。

見解の主な内容としては、以下の3点です。

  • 融資金の元本は全額回収可能
  • 利息及び遅延損害金は会社更生法及び更生計画で認められる範囲で全額回収可能
  • イセ食品が再生計画に基づき融資金の弁済を行うまでに1年程度

上記の根拠として、融資実行時には十分な保全措置を求めており、融資額を上回る担保(売掛金債権)を設定していたため、仮に融資が実行されていたとしても元本回収は可能ということです。

本件は実際にファンドの成立には至っていないものの、融資型クラウドファンディングにおける融資先の経営破綻は注意しておきたいリスクの一つです。投資を検討する際は、融資先企業・事業の経営状況や資金の使途、設定されている担保の妥当性などもできる範囲で確認し、慎重に検証することが重要となります。

2-3.事業者ローン・商業手形ファンド

「事業者ローン・商業手形ファンド」は、金融事業を運営する事業者への事業運用のための資金を融資する内容となっています。融資した資金は借手の事業者である不動産担保融資の事業資金として利用されます。想定利回りは年利2.5~4%ほどです。

このファンドにおける資産保全対策は、借手の企業向けローン事業者が融資する会社が保有する不動産に対するものとなっています。企業向けローン事業者から資金を借りた会社の不動産に対し、第一順位の根抵当権として借手の会社との共有根抵当(バンカーズへの優先弁済権有)を設定しています。また、担保評価額も公開されています。

その他、ファンドの借手である企業向けローン事業者の融資先に対する、貸金債権をバンカーズに債権譲渡担保として設定しています。

2-4.不動産担保ローン事業支援ファンド

「不動産担保ローン事業支援ファンド」は、不動産担保ローン事業を運営する事業者に対する融資ファンドです。利回りは2.6~4%前後となっています。

不動産を担保に資金を必要とする事業者へ融資を行うので、資金を必要とする事業者が担保として設定した不動産が、このファンドの主な担保になります。

資産保全対策の一つに、借手の不動産担保ローン事業者が保有する、借手の融資先への貸金債権に対する質権設定があります。ファンドの運営に問題があれば、不動産担保ローン事業者の貸金債権を質権として資金を回収できます。

また、上記の質権設定において第三債務者からの承諾を取り付けており、確定日付についても、配達証明付内容証明郵便による質権設定通知を裏付けとして実行しています。

その他、上記の貸金債権が被担保債権となっている不動産に対する根抵当権においても、バンカーズの質権設定付記登記を実行しており、その担保評価額も公開されています。

2-5.診療報酬債権ファクタリング事業支援ファンド

「診療報酬債権ファクタリング事業支援ファンド」は、医療機関の資金繰りのためのファクタリングを行う事業者への融資ファンドです。利回りとしては2.7~3.5%ほどです。

医療機関は医療行為のあとに、患者からの治療費だけではなく国民健康保険組合などから診療報酬が支払われます。

しかし、医療行為の後から診療報酬の支払までには2~3ヶ月のタイムラグがあります。そのタイムラグを埋めるために診療報酬が支払われる権利を債権として、ファクタリング事業者から融資を受けることがあります。つまり、診療報酬債権ファクタリング事業支援ファンドに融資を行うことは、医療機関の資金繰りの改善につながる社会的な意義もあると言えるでしょう。

資産保全対策としてはファクタリング事業者の融資先である医療機関から譲渡を受けた、診療・介護報酬債権が担保に設定されます。またその評価額も記載されています。国民健康保険組合など社会的な信用性のある機関から支払われる債権です。

また、債権譲渡された診療・介護報酬の入金口座が、バンカーズに指定されるので、ファクタリング事業者から返済が行われない場合には、直接国保からバンカーズに診療報酬が支払われます。

まとめ

バンカーズが扱うファンドの種類と特徴を説明してきました。バンカーズでは商業手形割引における利回りの変動のあるファンドや、またセイムボート出資による投資家の資産保全対策など、他のソーシャルレンディングサービスでは見られないユニークな取り組みを行っています。

ただし、融資型クラウドファンディング投資は元本保証のないリスクのある資産運用の方法です。余裕資金で投資を行ったり、ひとつのファンドに資金を集中させすぎないように注意して、投資を行っていきましょう。

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