コロナショックを契機として投資や資産運用を検討する方が増える中、証券会社の口座開設数も大きく増えています。その内の1社、「auカブコム証券」は業界最低水準の手数料体系と強固な財務基盤が強みで、取り扱う金融商品も豊富なため、実力派の証券会社として個人投資家から支持されています。
そこでこの記事では、auカブコム証券のメリット・デメリットや評判について詳しくご紹介します。投資をするのが初めての方、運用手数料の負担を軽くしたいという方は、参考にしてみてください。
目次
- auカブコム証券とは
1-1.財務基盤がしっかりしている
1-2.システムを完全に内製化している
1-3.リスク対策に強い - auカブコム証券のメリット
2-1.現物株・信用取引手数料が安い
2-2.Pontaポイントが投資信託購入に使える&投資信託保有で貯まる
2-3.金融商品や銘柄の種類も豊富
2-4.プチ株なら1株から購入可能
2-5.取引用ツール・スマホアプリが使いやすい
2-6.サポート体制も充実 - auカブコム証券のデメリット
3-1.100万円以上になると手数料は割高
3-2.外国株の取り扱いがない
3-3.IPOはやや使いにくい - auカブコム証券の評判・クチコミ
- auカブコム証券の始め方
- まとめ
1 auカブコム証券とは
auカブコム証券は、2019年12月1日にカブドットコム証券から社名を変更した企業です。国内ネット証券会社の中でも古参の部類で、独自性のある商品やサービスの開発に定評があります。以下、具体的にどのような特徴を持った企業なのかをご紹介します。
1-1 財務基盤がしっかりしている
auカブコム証券は、金融大手の三菱UFJフィナンシャル・グループの子会社で、ネット専業の証券会社として独自の地位を築いています。グループの持つ信頼性や顧客基盤に加えて、ネット証券の黎明期から築き上げてきた独自のノウハウを併せ持っているのが大きな特徴です。
また、株主として国内3大通信企業のauが資本参加しており、auとの連携を活かしたサービスも提供しています。
このように、財務上の数字や過去の実績、ノウハウなどは業界でも高く評価されており、ネット証券企業の中では最高の格付け(2020年4月10日時点)を得ています。
1-2 システムを完全に内製化している
auカブコム証券は社内に優秀なエンジニアを抱え、自社システムの開発や修正などにスピーディーかつユニークに対応できることが企業の強みになっています。また、技術力のあるスタッフがシステムの運用を行っているため、システムの障害やサイバー攻撃などにも強いのが特徴です。
auカブコム証券では、「顧客投資成績重視の経営」を経営理念に掲げており、その経営理念を形にするための必要な技術力を併せ持っています。「逆指値」などの自動売買のシステムや、多くの取引ツールの開発を行っており、顧客からも高い評価を得ています。
1-3 リスク対策に強い
auカブコム証券では、自社製システムによる「リスク管理追求型サービス」を提供することで、顧客の投資成績の向上を支援しています。システムの障害などで顧客に不利益が生じた場合、一定の条件のもとで不利益分を返還するなど、リスク対策にも強みがあります。
2 auカブコム証券のメリット
他社と比較した場合のauカブコム証券のメリットや特徴について見ていきましょう。
2-1 現物株・信用取引手数料が安い
auカブコム証券は、ネット証券会社の中でも最低水準の手数料体系が強みです。現物の1約定ごとの取引手数料は、5万円以下なら税込みで55円、10万円以下なら税込みで99円、20万円以下なら115円、50万円以下なら275円(全て税込み)となります。
また、一日定額手数料コースであれば100万円までは手数料が無料、25歳以下の方は現物株手数料が実質無料など、手数料にメリットが大きいネット証券会社です。信用取引についてもデイトレは手数料無料、買方金利や貸株料も業界最低水準となっており、信用取引ユーザーにも大きなメリットがあります。
さらに、auカブコム証券は独自の手数料割引も充実しています。50歳以上なら2~4%の割引が受けられる「シニア割」、NISA口座の開設で1~5%の割引が受けられる「NISA割」、auユーザーを対象とした「au割」などが提供されており、これらの割引率は合算することも可能です。
また、特定企業の株式の取引に適用される「株主推進割」は、最大50%の手数料が軽減される上、auカブコム証券でKDDI(9433)株式を保有している場合にその株の保有数と保有期間に応じて最大15%の割引が受けられる「株主優待割」も利用できます。
2-2 Pontaポイントが投資信託購入に使える&投資信託保有で貯まる
auカブコム証券では、Pontaポイントが投資信託購入で使える点や投資信託をを24,000円以上保有していれば毎月Pontaポイントがもらえるといったメリットがあります。
さらに、auの資産形成プログラムとの併用が可能のため、auの投資信託4銘柄ならさらに効率よくPontaポイントをためることができます。
- auスマート・ベーシック(安定)
- auスマート・ベーシック(安定成長)
- auスマート・プライム(成長)
- auスマート・プライム(高成長)
2-3 金融商品や銘柄の種類も豊富
auカブコム証券は取引可能な商品のラインナップが充実しており、投資スタイルに合わせて自由に商品を選ぶことができます。商品の種類は、現物株や信用株、IPO(新規株式公開)、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)、プチ株、投資信託、FX、先物・オプション、債券、外貨建てMMFなど多岐にわたり、各商品の中でも扱える銘柄も豊富です。
取引できる商品の種類が多いと、特に初心者は混乱することもありますが、各商品に関する説明や解説などは丁寧なので、新しい投資商品にもチャレンジしやすくなっています。
2-4 プチ株なら1株から購入可能
auカブコム証券では単元未満株式であるプチ株というサービスを提供しています。株式投資では、通常、100株を1単元とした取引単位で売買する必要があるので、ある程度のまとまった資金が必要になります。
一方、auカブコム証券のプチ株では1株から売買できるので、少額資金でも上場企業の株式を取得することができます。
2-5 取引用ツール・スマホアプリが使いやすい
auカブコム証券が自社開発している取引ツールやスマホアプリも人気です。情報収集から取引までひとつで可能な「kabuステーション」、商品ごとに提供されるナビゲーターやシミュレーター、市場の状況をわかりやすく視覚化してくれる「~ボードフラッシュ」など、豊富に提供されています。
このほか、複数社での所有株式を一元管理できる「kabu smart®」、株主優待の検索に特化した「PICK UP! 株主優待®」などの独自サービスも高く評価されています。
2-6 サポート体制も充実
auカブコム証券が初心者におすすめされる理由のひとつに、質の高いサポート体制があります。各種の情報提供やWebサイトの使いやすさなども評価されていますが、手続きのわかりやすさや、24時間体制のメールサポート、オンラインサポートやメールサポートなども好評です。
また、サポートセンターの対応は証券外務員の資格を持ったスタッフが行うため、専門的な知識が必要な相談内容でもしっかり対応してくれます。サポートセンターの受付は午前8時からと早めの時間帯から対応しているので、仕事が忙しい方でも出社前に相談することが可能です。
3 auカブコム証券のデメリット
auカブコム証券にもデメリットがあります。よく理解した上で、どのような使い方が良いのかを考えましょう。
3-1 100万円以上になると手数料は割高
auカブコム証券の取引手数料は安いのが強みですが、100万円を超える取引になると、他サービスよりも割高になる場合もあります。割引を含まない手数料は、100万円を超える場合1,089円(一日定額手数料は2,200円)となり、最安クラスのネット証券会社と比較しても倍近い金額になります。
3-2 外国株の取り扱いがない
日本経済の成長鈍化が見られる中で、世界的な経済成長の恩恵を受けられる外国株は人気が高まっています。しかし、auカブコム証券では外国株の取り扱いがないため、外国株への投資を考えている方は慎重に検討しましょう。
4 auカブコム証券の評判・クチコミ
auカブコム証券を利用しているユーザーから寄せられた意見や感想は以下の通りです。
「手数料が安く、プチ株なら少額投資もできる」
「auユーザーなので、興味を持って使い始めた」
「商品が多いけど、サイトがすっきりしていて見やすい」
「kabuステーションの始値・終値予想は使いやすい」
「IPO投資の1社として利用している」
「サポートも手厚く、投資初心者だった自分には重宝した」
※個人の感想です。サービスのご利用にあたっては、ご自分でも情報収集をされた上で最終的にご判断ください。
auカブコム証券に対する評判は、手数料などのように数字で表せる情報だけでなく、「使いやすい」「見やすい」「サポートが丁寧」などの感想が寄せられているのも特徴です。「少額から始められる」「サポートが手厚い」「使いやすい」といった声も多いので、初心者の方におすすめできるサービスと言えます。
また、auカブコム証券では顧客の投資成績の向上のために、ツール開発や低リスクのサービス開発、サポート体制の充実などを積極的に行っており、そういった企業努力が高評価に繋がっています。
このほか、auカブコム証券ではIPOを取り扱っているので、IPO投資をしたい方にも向いています。IPO取引実績は2019年24社、2018年23社、2017年14社と、ネット証券大手のSBI証券やマネックス証券に次ぐ規模です。IPO投資では抽選に当たることが難しいため、複数口座の開設を検討している方は、auカブコム証券を候補の一つに加えてみるのも良いでしょう。
5 auカブコム証券の始め方
auカブコム証券の口座開設は、Webサイト上の口座開設ページ、または口座開設アプリから行うことができ、手続きは5分ほどで完了します。口座開設に関して手数料などは発生しませんが、以下のものが必要になります。
- メールアドレス(フリーアドレスでも可)
- 出金用の金融機関口座番号(本人名義)
- マイナンバー・本人確認書類(マイナンバーカード、免許証、パスポートなど)
まず、上記のページやアプリにアクセスし、必要な情報を入力して申し込みを行います。この申し込みの際に、個人情報やメールアドレスが必要です。
必要な情報を入力した後は、マイナンバー・本人確認書類を送付します。送付の方法には、メール、アップロード、FAX、郵送といった方法が利用可能です。写真付きのマイナンバーカードが望ましいのですが、その他(マイナンバー通知カードなど)の場合、マイナンバーを示す書類に加え、写真付きの本人確認書類(免許証やパスポートなど)が必要です。
申し込みと本人確認書類の提出が終わると、証券会社側での審査が行われ、口座番号やログインパスワード、取引用のパスワードが記載された「口座開設手続き完了の案内」が郵送されてきます。なお、「口座開設手続き完了の案内」の郵送までは数日かかることもあります。
上記書類が届いたら、Webサイトやアプリからログインし、マイページに必要な情報を追加して口座に入金します。入金が済めば、取引ページからいつでも取引が可能です。
まとめ
auカブコム証券は、さまざまな割引サービスによる安価な手数料体系や、使いやすい取引ツールやアプリ、手厚いサポートで人気のネット証券会社です。使いやすさや対応の良さから、初心者でも投資を行いやすいサービスとして親しまれています。特に、各種の手数料割引が適用される場合、コスト負担はさらに軽くなるので、有力な選択肢となるでしょう。
この記事などを参考に投資を行う際は、サービスの特徴やメリット・デメリットをよく把握した上で、ご自身の投資方針や運用スタイルに合う証券会社を選んでみて下さい。
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