国内株式の平均利回りはいくら?計算方法や銘柄選びの注意点も

株式投資のメリットの1つに「配当金」があります。株式を保有しているだけで継続的に得られる利益で、売買益と双璧をなす株式投資の利益の源泉になります。この記事では、配当金の計算方法や銘柄選びの際の注意点について解説します。

目次

  1. 配当金とは
  2. 配当利回りとは
    2-1.国内株式の平均配当利回り
  3. 高配当銘柄のリスク・注意点
    3-1.減配リスクがある
    3-2.株価下落リスクがある
    3-3.税金がかかる
  4. まとめ

1.配当金とは

株式の利益には、主に値上がり益と配当金の2種類があります。配当金とは会社の利益を株主に分配するもので、金額は「一株当たりいくら」というように株主総会で決まります。

いくら配当金を受け取れるかは会社によって異なります。例えば一株当たり30円の配当金をだす企業の株式を100株保有していた場合は、「30円×100株=3,000円」の配当金を受け取れるのです(税金等は考慮せず)。

ただし、配当金は会社の業績によって毎年見直されます。業績が伸びれば配当金が増える可能性もありますが、業績が悪化すれば配当金は減る恐れもあるのです。ですから、配当金を狙うなら、業績が安定している企業を選ぶようにしなければいけません。

中には配当金をださない企業もあります。利益を配当に回さずに事業へ積極的に投資する成長企業や、赤字体質の企業などが該当します。いずれも配当目的の投資には適さず、企業の成長や業績の回復による値上がり益を狙うのが主となります。

また、株主に支払う配当金の回数に決まりはありませんが、多くの会社は年に1回か2回、配当金をだしています。年1回の企業は、3カ月ごとの決算(第1四半期、第2四半期、第3四半期、本決算)のうち、本決算時に配当金を支払います。そして年2回の会社は、第2四半期と本決算時に、株式を保有している株主に配当金を支払うのが一般的です。

2.配当利回りとは

配当金が一株当たり100円で株価が3,000円のA社と、配当金が1株当たり80円で株価が2,000円のB社では、どちらの銘柄を購入したらいいのでしょうか。

そこで確認したいのが「配当利回り」です。購入した株式に対し、1年間でどれだけ配当を受け取れるかを表す指標で、計算式は以下の通りです。

配当利回り(%)=1株当たりの配当金額÷1株当たりの購入金額(株価)×100

先ほどのA社とB社の配当利回りを比較してみます。

A社の配当利回り(%)=100÷3,000×100=3.3%
B社の配当利回り(%)=80÷2,000×100=4%

配当金自体はA社の方が多いのですが、配当利回りで見てみるとB社のほうが高くなっています。配当金と株価を比べてどのくらい利回りがあるのかを表したのが配当利回りなので、投資するときは、配当利回りが高いB社を選ぶようにしたほうが有利になりえます。

2-1.国内株式の平均配当利回り

それでは、配当利回りはどの程度が一般的なのでしょうか。市場ごとの平均配当利回りは、以下の通りです(7月27日時点、参照:日本経済新聞「国内株式指標」)。

  • 東証一部 1.79%
  • 東証2部  1.80%
  • ジャスダック 1.59%

各市場の平均配当利回りと比較すると、配当利回りが1%台では低く、2%台なら普通、3%以上なら高配当銘柄といえます。高配当銘柄を保有するメリットは、多くの配当金を受け取れることです。配当金は株式を保有しているだけでもらえるので、株式を長期で保有すればするほど多くの配当金を受け取れます。

ただし、配当金は企業業績によって変わります。今は高配当銘柄でも、業績悪化などで配当金が少なくなる可能性もあります。そして、株価が低い企業ほど配当利回りが高くなる傾向になることにも注意が必要です。株価が低いということは、業績面で何らかの課題を抱えている可能性もあるので、会社の経営状況を必ずチェックするようにしてください。

3.高配当銘柄の注意点

配当利回りが高い銘柄ほど魅力的に見えますが、以下の点に注意が必要です。

3-1.減配リスクがある

高配当銘柄で気をつけなければいけないのは、「減配リスク」です。減配リスクとは、配当金が減少してしまうリスクのことです。基本的に企業は減配を避けようとしますが、業績が悪化して赤字になったり、業績低迷が長期間続いたりすると減配や無配(配当金がでない)になってしまう恐れもあります。

3-2.株価下落リスクがある

高配当銘柄でも株価が下落するリスクがあります。そして、配当利回りは株価が下がることでも上がってしまうのです。配当利回りの計算式をもう一度確認すると、以下のようになります。

配当利回り(%)=1株当たりの配当金額÷1株当たりの購入金額(株価)×100

株価が下がっているということは、業績が低迷している可能性もあるということです。現状の配当利回りが高いからといって業績が低迷している株式に投資すると、減配リスクがあるので長期投資をする際は注意が必要です。

3-3.税金がかかる

配当金には税金がかかります。所得税と住民税を合わせて20.315%の税金がかかるので、実際の利回りは低下します。配当金を再投資するときは、税金を差し引いた金額で投資することになるので、複利効果が低減してしまうのです。

配当金の複利効果を上げるためには、非課税制度であるNISA(少額投資非課税制度)を利用するようにしましょう。株式投資した場合、値上がり益や配当に対して20.315%の税金がかかりますが、NISAを利用すれば非課税になるのです。

年間120万円までの投資に限られますが、5年間で最大600万円分の枠があり、これから投資を始めようと考えている人にとっては十分な金額です。配当金などのインカムゲイン投資でも積極的にNISA口座を利用すると良いでしょう。

まとめ

配当金をメインにした投資なら売買タイミングを計る必要がないので、売買益を狙う手法に比べると投資初心者にも適していると言えます。ただ、減配リスクや株価が下落するリスクはあるので、必ず余裕資金での運用を心掛けるようにしてください。

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山下耕太郎

山下耕太郎

一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。ツイッター@yanta2011