エンジェル投資家になるには?エンジェル投資のリターン・やり方も

未上場企業に出資して株式を入手する「エンジェル投資」に関心があっても、どのようにして始めればいいのかわからない人もいると思います。上場している企業のように、証券会社で気軽に購入できないため、エンジェル投資をするための方法は限られています。

そこで、この記事ではエンジェル投資の始め方と案件の選び方について解説します。

目次

  1. エンジェル投資とは
  2. エンジェル税制とは
    2-1.優遇措置A
    2-2.優遇措置B
  3. エンジェル投資家になるには?エンジェル投資の始め方
    3-1.エンジェル投資家マッチングサービスを利用する
    3-2.株式投資型クラウドファンディングを利用する
  4. FUNDINNO(ファンディーノ)でエンジェル投資をする
    4-1.少額から投資できる
    4-2.大きなリターンが期待できる
    4-3.税制優遇が受けられる
    4-4.イグジット実績がある
    4-5.未上場株をオンラインで売買できる「ファンディーノマーケット」も提供
  5. エンジェル投資のリスク・注意点
    5-1.元本割れのリスクや倒産リスクが大きい
    5-2.上場企業と比べてIR情報などが少ない
    5-3.上場企業の株と比べて換金性や流動性に劣る
  6. まとめ

1.エンジェル投資とは

エンジェル投資とは、起業から間もない企業に資金を出資し、その対価として株式を入手する投資手法のことで、投資家として企業の成長を長期的に見守りながら、時には事業や経営の手助けやアドバイスなどをするケースもあります。

企業のスタートアップ(起業)には、ある程度まとまった資金が必要ですが、資金調達方法はいろいろあります。中には自分で賄える人もいますが、ほとんどの企業が国や自治体などからの助成金や銀行の借り入れを利用します。また、ベンチャーキャピタル(VC)から資金調達する企業もあります。

エンジェル投資では個人が直接企業に資金を出資し、投資した企業の成長により生じた利益を将来の株式売却益や配当で受け取ることが可能です。今までは起業して成功した人など、まとまった現金を持つ一部の投資家に限られる投資手法でしたが、最近では起業したい人とエンジェル投資家をつなぐマッチングビジネスもあり、一般の個人投資家にも門戸が開かれています。

ただ、欧米にはエンジェル投資家が多くいますが、日本ではまだあまり多くありません。しかし、日本でもベンチャー企業への投資を促すため、投資を行った個人投資家に税制優遇を行う「エンジェル税制」が創設されるなどの動きもあります。日本でもエンジェル投資を促す制度が整いつつあるのです。

2.エンジェル税制とは

エンジェル税制とは、一定の条件を満たした企業に対し、個人が投資した場合に投資時点と売却時点で所得税の優遇措置を受けられる制度を指します。投資した年の優遇措置は、以下のどちらかを選べます。

2-1.優遇措置A(設立3年未満の企業が対象)

「対象企業への投資額-2,000円」を、その年の総所得金額から控除できます。ただし、投資額の上限は、総所得金額×40%か1,000万円のいずれかになります。

2-2.優遇措置B(設立10年未満の企業が対象)

対象企業への投資額全額を、その年の他の株式譲渡益から控除できます。投資額の上限はありません。また、対象企業の株式売却によって生じた損失を、その年の他の株式譲渡益と相殺可能です。さらに、その年に相殺しきれなかった損失については、翌年以降3年にわたって他の株式譲渡益と相殺できます。

このような税制優遇制度により、エンジェル投資を促そうという狙いがあるのです。

3.エンジェル投資家になるには?エンジェル投資の始め方

エンジェル投資をしている人は起業経験者である場合が多く、起業家や著名人でなければエンジェル投資ができないと思っている人もいるかと思います。

しかし、最近は起業ブームが起こっているので、著名なエンジェル投資家から融資・出資を受けられるのはわずかです。多くのスタートアップが資金調達に困っているのです。そんなベンチャー企業に、個人投資家が投資する方法を紹介します。

3-1.エンジェル投資家マッチングサービスを利用する

エンジェル投資家になるには、事業を始めて間もない経営者とコンタクトし、直接企業に投資するという方法があります。しかし、人脈がなければ起業家と会う機会はなかなかありません。つまり、エンジェル投資家になるのがそもそも難しいのです。

ただ、現在はインターネットを活用すれば様々な情報にアクセスできる時代です。検索をすれば、スタートアップ企業と投資家をマッチングさせるサイトも複数見つかります。このようなサイトに登録して興味のある企業を探すこともできるのです。出資金額は5万円~10万円程度からが目安です。

3-2.株式投資型クラウドファンディングを利用する

一般の個人や団体から寄付を募る「クラウドファンディング」が最近脚光を浴び、「誰かのやりたいことを応援する」という気運が高まっています。企業経営も、いわば誰かのやりたいことになるので、投資はその後押しとなります。

「株式投資型クラウドファンディング」は、そうしたクラウドファンディングの一種です。「購入型」や「寄付型」といったクラウドファンディングは、出資する見返りとしてサービスやモノが還元されるのに対し、株式投資型クラウドファンディングでは、出資者はその企業の株式を手に入れられます。

未上場の株式はリスクがありますが、企業の売却やIPO(新規株式公開)によって大きなリターンを得られるチャンスがあり、株式投資型クラウドファンディングの注目度は高まっています。株式投資型クラウドファンディングで投資する投資家の多くが、高いリターンを目的としているのです。

エンジェル投資のマッチングサービスでは、最低でも100万円ほどの出資を求める案件が多いのに比べると、株式投資型クラウドファンディングは投資家の1社当たりの上限額が年間50万円と決められているので、一人あたりの投資金額は比較的少なくなっています。たとえば、株式投資型クラウドファンディングを行っているFUNDINNO(ファンディーノ)では、10万円程度から投資できます。

4.FUNDINNO(ファンディーノ)でエンジェル投資をする

株式投資型クラウドファンディングのファンディーノを利用すれば、少額からエンジェル投資ができます。ファンディーノでは2022年6月時点で成約260件超、累計成約額82億円超の実績があります。適正な審査を通過した、将来性あるベンチャー企業に投資できる日本初の株式投資型クラウドファンディングです。ファンディーノの特徴は、主に次の5つです。

4-1.少額から投資できる

エンジェル投資は1社に対し数百万~数千万円というのが通常ですが、ファンディーノなら10万円程度から投資できます。少額から気軽にエンジェル投資できるというメリットがあります。

4-2.大きなリターンを期待できる

投資したベンチャー企業が、バイアウト(M&Aなど第三者への売却)や新規株式公開(IPO)した時に、大きなリターンが期待できます。ただし、未上場企業なので上場株式のように証券取引所で簡単に売却することはできません。

また、最悪倒産して株式価値がゼロになる可能性もあり、エンジェル投資はハイリスク・ハイリターンの投資手法なので注意が必要です。

4-3.税制優遇が受けられる

ファンディーノで紹介されるベンチャー企業の中で、エンジェル税制の対象となる企業に投資した場合は、投資した金額に応じて所得税の優遇制度が受けられます。

4-4.イグジット実績がある

ファンディーノで募集した企業の中には、すでにイグジットを実現した企業もあります。第一号のイグジット案件は2019年7月で、株式会社漢方生薬研究所というベンチャー企業です。この案件ではファンドと一部の株主の間で相対取引が行われ、ファンディーノの投資家が保有していた募集価格1株500円の株式について、1.5倍となる1株750円で買い付けが行われました。

また、2020年4月にはファンディーノで資金調達を行った株式会社nommocで、一部株式の相対取引によりイグジットが実現しました。株式会社nommocは広告サービスを利用して電車やクルマなどの移動無料化に取り組むベンチャー企業であり、この企業に投資した一部の投資家が、数社に対して1株50円の株を75円で売却したことでイグジット達成となっています。この他2社が相対取引でのイグジットを実現しています。

2021年3月には、ファンディーノで資金調達を行った琉球アスティーダスポーツクラブ株式会社が株式会社東京証券取引所「TOKYO PRO Market」へ上場が承認されました。株式投資型クラウドファンディングで資金調達を行った企業で初めての新規株式公開事例となりました。

4-5.未上場株をオンラインで売買できる「ファンディーノマーケット」も提供

ファンディーノでは、2021年12月8日に未上場株をオンラインで売買できる「ファンディーノマーケット」のサービスを開始しています。

未上場株はこれまで何かしらのイグジットをしないと株を手放すことができないという流動性の低さが大きな課題でしたが、ファンディーノでは日本証券業協会が提供する「株主コミュニティ」という制度を活用して、未上場株式を売買できるようになりました。株式投資型クラウドファンディングにおいて、上場やM&Aなど以外の出口ができたことは非常に大きな意義があります。

2022年1月末にはサービス開始後初となるマッチング期間が終了し、取引事例の中には7.8倍の値上がりが見られた銘柄もあります。(2022年1月末時点での取引は銘柄数4、約定取引数37、約定金額612万5千円、値上がり幅1倍~7.8倍)今後も月に1回マッチングが行われるとともに、取引可能な企業も増えていく予定です。

なお、FUNDINNOでは2022年7月1日(金)00:00 〜 2022年7月31日(日)23:59 までの期間中、「アンケートに答えるだけ!参加費無料キャンペーン 」を開催しています。キャンペーン期間中にアンケートに回答すると2022年7月一か月分の会費(月契約1,100円(税込)/年契約11,000円(税込))が無料となります。

【関連記事】インタビュー:「エクイティファイナンスを通じて日本経済を元気に」ファンディーノマーケットが描く未来の金融の形

2 エンジェル投資のリスク・注意点

エンジェル投資は大きなリターンが狙える一方で、次のようなリスク・デメリットにも注意することが大切です。

2-1 元本割れのリスクや倒産リスクが大きい

未上場企業は会社の規模も大きくなく、まだ経営基盤が十分に確立されていないことなどから、経済・景気動向の変化による経営悪化や倒産などのリスクを伴います。その場合には、株式の価値が低下または0になり元本割れを起こす可能性があります。

2-2 上場企業の株と比べてIR情報などが少ない

未上場企業は、IR(Invetment Relations)情報発信の体制が整っていないケースが多く、上場企業などと比べると決算数値や事業に関する情報が少なく、投資判断に必要な情報が揃わないケースや、不十分になってしまうリスクもあります。

未上場企業が発信する情報だけでなく、新聞やメディア、セミナー、SNSなども情報源としてウォッチしていくことや、未上場企業内の役員・社員に直接話を聞いてみるといったアクションも重要です。

2-3 上場企業の株と比べて換金性や流動性に劣る

未上場企業へのエンジェル投資によって保有する株式は、上場株式と比べて換金性や流動性で劣るデメリットがあります。

上場株式は、株式市場の価格で随時その価値が判断され、いつでも売買をすることが可能です。一方、非上場株式の場合は市場の相場価格がないため、売却しようとしてもスムーズに売れる保証はありません。

また、非上場株式には譲渡制限が付けられている場合があり、そのケースでは売却する際に株主総会や取締役会の承認を得る必要があるのも手間となります。未上場企業へのエンジェル投資は、当面使用する予定のない余裕資金で始めることが大切です。

まとめ

エンジェル投資は、これまで一般の投資家には馴染みのない投資手法でしたが、最近は株式投資型クラウドファンディングなどを利用して少額からエンジェル投資を始められるようになっています。

ただ、エンジェル投資はハイリスク・ハイリターンの投資手法なので、その他の金融資産にも分散投資してリスクを軽減させるような運用を心掛けてください。

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山下耕太郎

山下耕太郎

一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。ツイッター@yanta2011