Siiibo証券、社債セカンダリーマーケットサービスを開始

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社債発行・購入オンラインプラットフォーム「Siiibo(シーボ)」を運営するSiiibo証券株式会社は12月5日、投資家向けの新サービス「社債のセカンダリーマーケット」の提供を開始した。既に発行された社債の売り買いがいつでも行えるプラットフォームで、保有中の社債をニーズの変化に合わせて売却する機会や、掘り出しものの既発債を購入する機会を提供する。

社債のセカンダリーマーケットを利用すると、投資家は新規で社債が発行される際に企業から直接プライマリーマーケット(一次市場/発行市場)で購入するだけでなく、株式などと同様にセカンダリーマーケット(二次市場/流通市場)でも取引できる。”発行時にしか買えない”決まったタイミングでしか換金できない”という一般的な社債投資の常識を変え、投資家がより参画しやすく活用しやすい仕組みを目指す。

ベンチャー企業の資金調達環境は2022年から「冬の時代」に突入したといわれ、本年もその傾向が継続している。国内向けベンチャー投資金額は23年上半期で前年同期比27%減となっており、エクイティファイナンスを補完するかたちでデットファイナンス、いわゆる「ベンチャーデット」の活用に注目が集まっている。

他方、日本におけるベンチャーデットの市場規模は数百億円規模とされ、ベンチャー企業の資金調達額全体に占める割合は数%しかない。ベンチャーデットが資金調達額全体の15%を占める米国と比較すると後進だが、同社はその分「成長ポテンシャルの大きい市場」と捉えている。

そのうえで、日本のベンチャーデット市場の課題は「ベンチャー企業側のニーズに対応できていないこと」だと指摘。「伝統的な融資とは融資可否や融資額の判断基準が異なるため、現在デット資金の貸し手の数は限られている。加えて条件面でも『審査基準の柔軟性が低い』『貸出金額が少ない』「貸付期間が短い」など、企業側のニーズに貸し手側が応えきれていない。社債の流動性が増し、投資家が増えれば取引機会が増加し、ひいてはベンチャーデット市場の活性化につながる」という発想が、新サービスの起点となった。

金融機関ではなく一般投資家からデット資金を募ることで、ベンチャー企業にとって多様で柔軟な投資判断と金額の伸長を期待でき、審査基準や貸出金額といった解決が期待される。

セカンダリーマーケットで保有中の社債を売りたい場合、社債が満期を迎える前でも、投資家のニーズの変化に合わせて売却できる機会を提供する。中途換金を申込むと、買取金額が提示され、承諾すると最短で2営業日後に入金される。これまでは投資家側が半年ごとにそのまま保有するか、換金を選ぶことができる社債(愛称「定期社債」)を販売してきたが、タイミングの制約がなくなる。同社で取扱う新発債のうち、今年12月以降に発行されるものは基本的にいつでも売却申込みが可能。

既発債を買いたい場合、これまでは「定期社債」が中途換金されると期限前償還扱いとなり、別の投資家が購入することはできなかったが、セカンダリーマーケットは、新発債の発行タイミングと社債投資したいタイミングが合わなかった銘柄を購入する場合や、満期までの期間が短い銘柄を購入したい場合などに活用でき、取引機会が増えることになる。既発債の案内は、当社に在庫があるタイミングごとに行われる。

同日行われた説明会で、代表取締役CEOの小村和輝氏は「セカンダリーマーケットを通じ社債の流通量を拡大することで、取引できる社債のバラエティが増え、よりさまざまな投資家ニーズを満たすと同時に、発行企業にとっても、より安定した資金調達、資金ニーズに合致した調達を行いやすいプラットフォームとしていきたい」と意欲を見せた。

【関連サイト】Siiibo「社債のセカンダリーマーケット」

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