シュローダー、四半期マクロ経済見通しで21年・22年の日本の経済成長率見通しを引き上げ

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シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社は9月6日、エコノミスト・チームによる四半期マクロ経済見通しの和訳を公表した。2021年の世界経済成長率見通しは5.9%を見込む。緩和的な金融政策・財政政策に加え、新型コロナウイルスワクチンの配布に伴う経済活動の回復が下支えすることから、欧州経済と日本経済は22年も回復が継続すると見る。特に日本の経済成長率見通しは2.2%、22年については集団免疫を獲得し、経済は全面的に再開することが見込まれることから2.8%に改善するとした。

米国は、需要回復や財政刺激策などが下支えとなり、21年の米国経済成長率は5.8%を見込むものの、影響は22年には薄れ、経済成長率は3.7%に減速すると予測。インフレ率については、エネルギー価格のベース効果が薄れたことからピークを迎えていると考えているが、コアインフレ率は、供給上の制約の解消に時間を要することから、2.5%以上の相対的に高水準で維持されるとした。コアインフレ率は、需給ギャップの解消が見込まれる22年4月を経て同年後半に加速する。経済活動の回復に伴い、米連邦準備制度理事会(FRB)は21年10-12月期に量的緩和の縮小を開始、22年末に政策金利を引き上げると見立てる。

ユーロ圏は、これまで抑制されてきた需要の回復が経済活動の下支えとなり、21年の経済見通しは5.1%。22年は欧州復興基金が下支えとなるほか、家計は貯蓄を消費に回すと考えられることから5.6%に上昇すると見込んでいる。欧州中央銀行(ECB)は、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)を2022年1-3月期に終了するが、感染拡大以前から実施されていた量的金融緩和政策については維持、政策金利も据え置くと考えている。

英国では、ワクチン接種が進んでおり、制限措置の緩和に伴って「力強い経済回復」を予測。21年、22年は拡張的な財政政策が維持され、量的金融緩和政策は21年末までは維持されると見る。これらを背景に、英国の経済成長率見通しは21年を7.0%、2022年は6.7%とした。イングランド銀行(BOE)は量的金融緩和政策を20年末までに終了し、政策金利は据え置くと予想した。

日本では感染拡大が収束しないことから、21年の経済成長率見通しは2.2%に止まるが、22年は集団免疫と経済の全面的に再開を見込み2.8%に改善。日本銀行はイールドカーブ・コントロールを維持し、量的緩和のペースを大幅に減速すると見込む。

新興国では新型コロナウイルスに対する取り組みはまちまちで、21年のエマージング諸国経済成長率見通しは7%。22年は中国経済の減速が見込まれるほか、コロナ禍による財政拡張を受けた財政の立て直しが注視され、またコモディティ価格の上昇による下支え要因も薄れることから4.7%とした。

今後想定される景気シナリオとして、スタグフレーション・シナリオの 「供給サイドによるインフレ」を挙げる。シナリオでは、需要は上昇するが供給が抑制されたままであることからインフレ率は上昇、経済成長率は基本シナリオを下回ると予想する。ほか、デフレーションシナリオの「中国経済のハードランディング」やリフレ―ションシナリオの「経済の過熱とその後の冷え込み」などを展望する。

【関連サイト】シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社

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