SBIホールディングス株式会社は5月24日、子会社のSBIソーシャルレンディング(SBISL)株式会社を自主的な廃業とし、ソーシャルレンディング事業から撤退すると発表した。SBISLは今年3月から新規ファンドを通じた貸付けをすでに停止しているが、今後は、新規ファンドの募集及び新規投資家の登録受付を全面的に停止するとともに、投資家の保護に万全の措置を講じるべく、今般新設した債権管理に特化した「アセットマネジメント部」を中心に、既存ファンドの管理・回収に注力する予定。
SBISLはインターネットを通じて個人の投資家から集めた資金を事業主に融資し、収益を投資家に還元するソーシャルレンディング業務を展開。しかし今年に入り、太陽光発電関連会社が手がける開発工事案件に約380億円を融資したものの、資金が目的外の用途に使われ、返済が滞ったことから問題が発覚、第三者委員会の調査を受けることとなった。
SBIHDは第三者委員会の調査報告を受け、今年4月28日にSBISLの貸付先の重大な懸案事項に関し、再発防止策の整備などを進めると発表。投資家保護に万全を期すべく、同件関連ファンドの未償還元本相当額の償還に係る手続を進めており、すでに対象ファンドの99.94%(出資額ベース)について投資家から同意を得た(5月23日現在)。
一方、金融庁はSBISLに投資勧誘の違反行為があったとして、近日中に業務停止命令を出す方向で検討していることが明らかになった。
同社グループとしてはSBISLの今後の業務運営に関して、第三者委員会調査報告書の内容をもとに検討を重ねた結果、ソーシャルレンディング事業の継続は困難と判断し、全既存ファンドの償還を条件として、廃業および撤退を決定したという。SBISLによる今般の決定に伴う同社連結業績への影響は軽微という。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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