日本のファイナンシャル・アドバイザーは今後3年で2桁成長目指す。ナティクシスIMが調査

ナティクシス・インベストメント・マネージャーズ株式会社が6月29日発表した「金融プロフェッショナルのグローバル調査:2022年」によると、22年上半期に世界の株式・債券市場が2桁の調整をしており、インフレが急激に上昇しているにも関わらず、日本の金融プロフェッショナルは22年には5%、今後3年間では10%のビジネス成長を見込んでいることが明らかになった。

この調査は今年3月から4月にかけ、日本の150名を含む富裕層向け資産管理者(ウェルス・マネージャー)、登録投資アドバイザー、ファイナンシャル・プランナー、独立系ブローカー、ディーラーなど、世界の金融プロフェッショナル2700名 を対象に実施。サプライチェーンの混乱、インフレ、ウクライナ侵攻などを受け、多くの金融プロフェッショナルが、 顧客の期待値を管理しつつ投資戦略を調整する中、 成長目標を達成するのは困難だと考えていた。

日本のファイナンシャル・アドバイザー(FA)は、 2023年にビジネスを強化するための最重要項目としてテクノロジーへのアクセスを挙げており(日本37%、グローバル38%)、また、最大の課題として人材不足を挙げていた。

「過去10年見られたように市場パフォーマンスが追い風になることは期待できない中、 今後、金融プロフェッショナルは新規顧客から新たな資産を獲得することに目を向ける。しかし、日本のFAが顧客基盤の合理化(日本19%、 グローバル25%)や後継者育成計画(日本13%、グローバル24%)など、他の成長ドライバーに注力する傾向はグローバルと比較して低い傾向にある」と同社。 特に後継者育成計画は、日本のFAーが挙げる成長項目の中で最下位となり、回答者の37%(グローバル22%)が極めて困難な項目として「コスト」を挙げていた。

新規顧客や新規資産を獲得するため、日本の金融プロフェッショナルは年齢別に潜在顧客をセグメント化し、働き盛りの個人に注目する。日本のFAの多くは35歳から60歳の定年前の個人(日本80%、グローバル79%)に焦点を当て、退職後の収入計画(リタイアメント・インカム・プラン)として貯蓄や投資を年金資金に振り向けるサービスに力を入れている。

また、世界全体と比較して「女性」や「LGBT」のセグメントに焦点をあてた商品開発が進んでいるのも日本の特徴のようだ。日本の回答者の約33%(グローバル29%)が、女性投資家のニーズに合わせた商品提供に注力していると回答。また、LGBTQ投資家セグメント(日本23%、グローバル12%)にも成長余地があると考えていることがうかがえた。 LGBTキャピタルによると、 この市場セグメントの全世界での資産総額は年間3.9兆ドルのGDPに相当し、世界第4位の経済大国ドイツ(3.6兆ドル)を上回る水準となっている。また、日本の回答者が「女性」(13%、グローバル6%)と「LGBTQ」(11%、グローバル2%)のセグメントを最優先事項として挙げた割合は、グローバルと比較して高くなった。

また、日本のFAは今年の下半期のポートフォリオ・リスクとして金利上昇(日本42%、グローバル48.5%)と地政学的な緊張(日本43%、グローバル56.5%)を最大のリスクとして挙げている。 インフレに対する懸念は米国で最も顕著(米国66%、日本29%)。米国消費者は1980年代以来の高いインフレを経験しており、世界全体の金融プロフェッショナルの57%(日本29%)がインフレは顧客のポートフォリオにリスクをもたらすと見ている。一方、パンデミックからの回復が遅れ、インフレ率が低水準で推移してきた日本は調査対象の他のどの国よりもインフレを懸念として挙げる回答者が少なかった。

また、日本の金融プロフェッショナルの57%(グローバル72%)は、顧客が自分のポートフォリオにインフレ対応策が施されているか尋ねていると回答した。金融プロフェッショナルは、低金利と長期の株価上昇から、金利上昇と株価急落へと変化した市場を見る際に、 どの資産クラスが顧客のポートフォリオに最も適しており、最も適していないかについて明確な見解を持っているが、日本の金融プロフェッショナルは世界の専門家と比較して、見解がやや異なる。

例えば、債券については、利回りの改善により日本のFAの21%(グローバル25%)が債券に魅力を感じ始めている。 株式では、グローバルな金融プロフェッショナルの39%が、魅力があると回答(「魅力がない」は31%)。しかし日本は逆で、インフレと金利上昇を考慮して株式の魅力が増したと答えたFAは32%にとどまり、38%が実際には魅力が薄れたと回答した。

デジタル資産については、日本のFAの30%が現在の市場でより魅力的になっていると回答、さらにほぼ半数(45%、グローバル48%)がデジタル資産に対する顧客からの需要が高まっているとし、日本の58%(グローバル42%)が「顧客から特にNFTについて詳しく聞かれる」としている。

しかし、デジタル資産は規制されておらず、 変動も大きいため、 金融プロフェッショナルは顧客の暗号通貨への投資に関しては慎重だ。日本のFAの43%(グローバル49%)が、 暗号通貨やNFTは殆どの個人投資家に適切ではないと考え、顧客にそのように助言していた。

一方で、金融プロフェッショナルからの助言や推奨が得られないにもかかわらず、世界全体では回答者の56%(日本53%)がデジタル資産を保有していると回答した。

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HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム

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