【インタビュー】「長期・分散・積立」どう実現?ウェルスナビが取り組む資産運用の形

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利用者が拡大し、新サービスも続々とローンチするなど勢いが増しているロボアドバイザー「ウェルスナビ(WealthNavi)」を提供するウェルスナビ株式会社。ウェルスナビは20代~50代の忙しく働く世代を中心に、資産運用経験が豊富な方にも選ばれているサービスです。

今回はウェルスナビ株式会社リサーチ&クオンツグループのシニア・クオンツ・リサーチャーの方に、ウェルスナビならではの魅力と10月にリリースがあった新サービスについて伺いました。

話し手:ウェルスナビ株式会社

    DIAM(現:アセットマネジメントOne、資産運用会社)で約10年間ファンド・マネジャー業務に従事。その後、UBS(世界最大手のスイス系プライベートバンク)で、富裕層向けの投資一任勘定の運用を担当。一貫して資産運用を専門とするキャリアを歩むなかで、世界水準の資産運用を「働く世代」にという理念に共感し、2018年11月にウェルスナビに入社。

記事目次

  1. ウェルスナビが掲げる「ものづくりする金融機関」とは?
    1-1.ノーベル賞受賞者のアルゴリズムを採用
    1-2.ホームバイアスのない国際分散投資
    1-3.プロも惚れ込む詳細な「ホワイトペーパー」を公開
  2. ユーザーファーストを実現するウェルスナビの新サービス
    2-1.「ライフプラン」で計画的な運用
    2-2.お客さまの行動に寄り添うAIを展開
    2-3.ハイブリッド型のロボアドバイザーを実現
  3. ウェルスナビの今後の展望
  4. まとめ

1 ウェルスナビが掲げる「ものづくりする金融機関」とは?

Q: ウェルスナビで担当されている業務をお教え下さい。

前職はスイス系大手プライベートバンクUBSで富裕層向けの投資一任勘定の運用を担当していました。そこでは世代を超えて資産を増やすためには世界中に長期で分散投資をすることが大切だと学んできました。そんな中ウェルスナビを見つけ、ウェルスナビの資産運用の方法とそれをテクノロジーで実現しようという想いに共感し、昨年の11月に入社をしました。

現在はリサーチ&クオンツグループという資産運用のアルゴリズムに関わる部署におりまして、お客さま、メディアの方や社員にも資産運用サービスについて分かり易く解説するということをしています。

Q:ウェルスナビ独自の特徴や魅力について教えて下さい。

1-1 金融のプロも使い続けているノーベル賞受賞者の理論をアルゴリズムに採用

数ある金融機関の中で、徹底して使う方の視点に立っていると自信を持って言えるのが私たちの強みです。例えばお客さまの大切な資産を運用するために何が最適なのかを考えると、高度で新しい理論や変わった資産運用手法が必ずしも良いとは言えません。

私たちが採用しているアルゴリズムはノーベル賞受賞者(ハリー・マーコビッツ氏)が1950年代に提唱した理論に基づいていますが、これは70年近くに渡って金融のプロたちが使い続けてきたきわめて手堅い理論と言えます。検証が十分にされていない新しい理論を用いるよりも、このような実績ある理論に基づくほうが資産を長期的に運用することを考える上では適切だと考えています。

1-2 ホームバイアスのない国際分散投資

また、国内株、国内債券に対してホームバイアス(自国の金融商品を過剰に投資してしまうこと)をかけてしまいがちですが、現在の国内債券の利回りは歴史的な低水準で、さらにそこから手数料を引くと安定した投資収益を得ることが難しい状況です。

ウェルスナビでは国内と海外をフラットに扱っており、米国株や新興国株、米国債券といった投資国やアセットクラスなどに分散投資し、リスクを低減させて効率的なリターンを狙っています。

1-3 プロも惚れ込む詳細な「ホワイトペーパー」を公開

さらに、運用アルゴリズムが分かる「ホワイトペーパー」をサイト上で公開していることも、ウェルスナビの大きな魅力の一つです。ホワイトペーパーには、運用のプロセスやどの資産クラスに対してどのような計算をしているのかが明確に書いてあり、プロが見れば実際にどのような運用をしているのか大まかに把握できてしまうほど十分な情報量で、入社前の私がこのホワイトペーパーを見た時は「こんなに公開して大丈夫なのか?」と思うほどでした。

私はこのホワイトペーパーの内容やこれを公開できる透明性や情報開示姿勢などに魅力を感じ、ウェルスナビの門戸を叩くことなりましたが、入社した今になって考えると、このホワイトペーパーの内容に基づいて忠実に運用されており、公開することで私たちの運用方法を正しく理解していただけると考えています。

Q:女性ユーザーが大きく増えている要因は?

執行役員の牛山と私で資産運用に関するコラムも執筆していて、その中で男女の投資行動の差について取り上げたのですが、女性の方が中長期的な目標を持って資産運用をしているというデータがあることが分かりました。女性にもウェルスナビの投資方法が合っているということなのかもしれません。

2 ユーザーファーストを実現するウェルスナビの新サービス

Q:2019年10月、3つの新サービスについてニュースがありました。それぞれの魅力は何でしょうか。

2-1 「ライフプラン」で計画的な運用

まずは、新機能「ライフプラン」により、老後資金に向けて目標を立て、目標に対する現状の立ち位置を明確化することで計画的な投資が実現できます。資産運用で大事なのは「長期・積立・分散」ですが、この3つのうち最も難しいのが「長期」の部分です。投資に限った話ではありませんが、長期で取り組む際に目標がないと続けにくいのではないかと考え、この機能をリリースするに至りました。

今年6月の初めに公表された金融庁の「老後資金2000万円必要」という試算も、人それぞれ違いますので、この機能では年齢やライフスタイルに合った老後資金を試算できます。

そして今どの位置にいるのかを確認しながら資産を運用することで、お金の問題を全体的に捉えることができ、老後の漠然とした不安を少しでも安心に変えて頂けるような機能になっています。

2-2 お客さまの行動に寄り添うAIを展開

ウェルスナビが掲げる「長期・分散・積立」は続けるのが難しく、続けられるかどうかによって資産運用の成果に大きく影響があります。そんな中、東京大学大学院 松尾豊教授と共に開発しているのがAIによる資産運用アドバイス機能です。

たとえば、相場が下落しているときに不安を感じるお客さまに対してAIがアドバイスをするというもので、お客様一人ひとりの目標や資産運用の志向なども加味しながら、きめ細やかなサポートを提供できればと考えています。投資の領域ではAIは市場平均を上回ることを目的として使われることが多いのですが、私たちはお客さまの行動に寄り添うAIを展開していく予定です。

2-3 対面相談も可能なハイブリッド型のロボアドバイザーを実現

現在アメリカではウェブと対面の両方でサービスを利用できるハイブリッド型のロボアドバイザーの人気が高まっています。ファイナンシャルプランナーのようなアドバイザーがサポートにつき、ロボアドバイザーの投資について分からないことを相談できるサービスです。

そんな中、ウェルスナビは株式会社北國銀行と共同で、対面にて口座開設や運用後のフォローができる資産運用サービス「北國おまかせNavi」の提供を開始しました。私たちがセミナーをする際に、まとめて投資をした方がいいのか、小口で分けながら投資をした方がいいのかといったような質問をされることがあります。なかなか対面で相談できる機会がないので、サポートできる場を設けていくことが大切だと思っています。

3 相談できる人がいない状況を変えるきっかけになりたい

Q:ウェルスナビが目指す未来像を教えてください。

資産運用の分野で、プライベートバンクのようなきめ細かいサポートができるようになることが私たちの目指していることです。今は、資産運用は手間が多く相談できる人もいない状況ですが、将来は「昔は、自分で資産運用をしていたらしいよ」と言われるくらいに、私たちが変えていきたいと思っています。

資産運用をするための知識・時間がない方や自分のやり方に自信がない方も多いかと思います。ウェルスナビはスマホ1つで誰でも簡単に取り組めるサービスですので、忙しく働く人にこそご活用頂ければと思います。

4 まとめ

ウェルスナビのインタビューを通じて感じたことは、一貫して利用者の目線を徹底している、ということです。ウェルスナビを利用する方の、大切な資産をどのように運用するべきか、「長期・積立・分散」をどう実現していくか、運用中に不安を感じた時にどのようなコミュニケーションが求められるのか、そういったことを一つ一つ丁寧に考えて、機能やサービスとして実現しているのが「ウェルスナビ」なのだと感じました。

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HEDGE GUIDE 編集部 ロボアドバイザーチーム

HEDGE GUIDE 編集部 ロボアドバイザーチームは、ロボアドバイザーに関する知識が豊富なメンバーが投資の基礎知識からロボアドバイザーのポイント、他の投資手法との客観的な比較などを初心者向けにわかりやすく解説しています。/未来がもっと楽しみになる金融・投資メディア「HEDGE GUIDE」