株式運用で家が建つ?過去に大幅上昇した銘柄や今から狙えるテンバガー候補を解説

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テンバガー銘柄という言葉を聞いたことはありますか。テンバガーとは、銘柄に投資した時点から株価が10倍に成長した銘柄のことです。

過去10年(2013年12月末~2023年12月末)で10倍に成長した銘柄は、日経平均構成銘柄225銘柄のうち3銘柄、TOPIX構成銘柄では41銘柄、S&P500指数は24銘柄でした。構成銘柄に対する比率では、日経平均株価が1.3%、TOPIXが1.9%、S&P500は4.7%という低い値です。このことから、テンバガー銘柄を発掘するのは至難の業だと言えそうです。

本稿では、投資のプロである筆者が、過去にテンバガーを達成した銘柄や、今から狙えるテンバガー候補を予想し解説します。

※株価は全て2024年3月26日時点。
※2024年3月26日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定のサービス・金融商品への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。


目次

  1. 指数別テンバガーを達成した銘柄
    1-1.日経平均株価指数
    1-2.TOPIX
    1-3.S&P500指数
    1-4.ナスダック指数
  2. テンバガー銘柄の要因
    2-1.国策
    2-2.市場規模が拡大
    2-3.市場シェアが高い
  3. テンバガー候補銘柄
    3-1.岩谷産業
    3-2.栗田工業
    3-3.古川電工
  4. 株式運用で家が建つ
  5. まとめ

1.指数別テンバガーを達成した銘柄

日米ともにテンバガーを達成した銘柄は、半導体関連が目立ちました。なお、指数構成銘柄は2024年3月時点です。

1-1.日経平均株価指数

日経平均構成銘柄のうち10年で株価が10倍以上に成長した銘柄は、レーザーテック、東京エレクトロン、アドバンテストの3銘柄です。騰落率は日経平均株価が105.41%だったのに対し、レーザーテックが17,036%、東京エレクトロンが1,665%、アドバンテストは1,636%です。

1-2.TOPIX

TOPIX構成銘柄2,148のうち41銘柄が、10年で株価が10倍以上に成長しました。上昇率上位5銘柄と騰落率は、1位がレーザーテックの17,036%、2位がトリケミカル研修所の7,108%、3位が神戸物産の6,225%、4位が野村マイクロ・サイエンスの4,823%、5位はラクスの3,825%です。

1-3.S&P500指数

S&P500指数のうち24銘柄が、10年で株価が10倍以上に成長しました。上昇率上位5銘柄と騰落率は、1位がエヌビディアの13,046%、2位がアドバンスト・マイクロ・デバイセズの5,379%、3位がブロードコムの2,645%、4位がテスラの2,345%、5位はエンフェーズ・エナジーの1,967%です。

1-4.ナスダック指数

ナスダック指数の構成銘柄3,378のうち、10年間で47銘柄が10倍以上に株価が上昇しました。上昇率上位5銘柄と騰落率は、1位がエヌビディアの13,046%、2位がアドバンスト・マイクロ・デバイセズの5,379%、3位がセルシウス・ホールディングス3,938%、4位がジン・メディカル・インターナショナルの3,020%、5位がブロードコムの2,646%です。

2.テンバガー銘柄の要因

ここでは、テンバガーを達成した銘柄の要因や背景を見てみましょう。

2-1.国策

テンバガー銘柄の多くは、国策に沿った業種であることが挙げられます。例えば、半導体は各国が国策として内製化をすすめています。

新型コロナウイルスによる世界的なサプライチェーンの混乱により産業界が半導体不足に陥り、自動車などが生産停止に追い込まれてしまいました。その経緯から、日米ともに、政府が主導し、半導体サプライチェーンの内製化を進めています。

半導体は、自動車や電子機器などの産業分野ばかりではなく、防衛産業にも多く使われていることから政府主導で推進しています。

2-2.市場規模が拡大

市場規模の拡大期待も株価を成長させる要因と言えるでしょう。2022年11月にOpenAIがChatGPTをリリースしました。ChatGPTは日常業務の効率化、使用使途の拡大期待からリリースから5日間という短期間でユーザー数が100万人を突破、公開2カ月で世界のユーザー数が1億人に達するほどの勢いです。

生成AIの市場規模は、拡大基調にあり、電子情報技術産業協会(JEITA)によると市場規模は2030年には2023年の20倍に相当する2,110億ドルになると予想しています。半導体市場も同様に、2023年から2030年まで年平均10%で成長すると言われ、2030年には市場規模が1兆ドルに達すると見込まれています。

参照:EE Times Japan「生成AIの世界需要、2030年に2110億ドルと予測

2-3.市場シェアが高い

市場規模が拡大する業界において、特に市場占有率が高い企業の株価は上昇期待が持てると言えそうです。

過去10年間で株価が10倍以上に成長した銘柄の多くは、その業界において唯一無二の企業が目立ちます。それらの企業は利益率が高いため、市場規模拡大が業績に直結します。

3.テンバガー候補銘柄

投資のプロである筆者が、次のテンバガー候補を予想します。参考にしてみてください。

3-1.岩谷産業

日本では、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、脱炭素社会の実現を目指しています。カーボンニュートラル社会の電力源として、原子力発電、太陽光発電、洋上風力などに加え、水素が注目されています。

岩谷産業は、燃料電池自動車(FCV)や燃料電池バス(FCバス)の普及に必要なインフラ整備をすすめています。すでに、全国161カ所(2023年12月)で、水素ステーションが稼働しています。同社は、水素インフラの拡大を目指し、コスモエネルギーホールディングスの株式の約20%を取得し計画を着々と進めています。日本の水素自動車インフラのコアとなる銘柄です。

参照:岩谷産業「イワタニの水素ステーション

時価総額4,580億円、株価が7,825円、予想PERは13.05倍で、株価に割高感はありません。

3-2.栗田工業

栗田工業は、高度な水処理技術で世界から高い評価を得ています。水は生命維持のために欠かせない資源です。世界人口の増加とともに水市場は拡大傾向にあり、2030年には世界市場が110兆円を超えるという試算もあります。

参照:経済産業省「世界の水インフラはどうなっているのか?

新興諸国では経済成長が優先される傾向があるため、水質汚染が深刻化しています。また、新興国の多くは水道インフラの遅れから汚染水が日常に使われることが多く、深刻な健康問題につながっています。

売上高2,867億円(2024年3月期第3四半期累計)のうち、海外売上が約48.5%です。地域別にみると、EMEA(欧州、中東及びアフリカ)での売上成長率が22.6%と、他市場を大きく上回っています。

参照:クリタグループ「2024年3月期 第3四半期 決算説明会

時価総額は7,250億円、株価が6,242円、予想PERは24.8倍で、株価水準は若干割高な水準と言えるでしょう。

3-3.古川電工

古川電工は、核融合炉の建設に必要な高温超電導線材を製造しています。2023年1月には世界初の先進核融合電炉・ST80-HISを開発した英国トカマクエナジー社への提供が決まりました。核融合は、原子核同士が合体する時に莫大なエネルギーを利用する発電です。メリットは、高レベルの放射性廃棄物が生じないこと、燃料資源が無尽蔵であること、メルトダウンが起きないこと、二酸化炭素を排出しないこと、大規模電力を供給できることです。

参照:古河電気工業株式会社「トカマクエナジー社と古河電気工業 核融合エネルギーの推進に向け両社の関係を強化

政府は、クリーンエネルギーとして、核融合発電の実用化を目指しています。しかし、技術的な壁が厚く、実用化されるのは早くて2030年代半ば、保守的な観点から2050年かそれ以降と予想されています。核融合発電は世界中から注目されており、技術が確立されれば市場規模が一気に拡大し、同社の売上規模拡大に繋がりそうです。

時価総額は2,298億円、株価が3,252円、予想PERは75.7倍で、株価水準は割高な水準と言えるでしょう。

4.株式運用で家が建つ

住宅を購入する際の頭金を株式市場で運用し、株価が上昇した後に家を購入するという方法を取ると、株価が思惑通り上昇すれば、家を一括で購入できる可能性があります。銘柄投資で家が建つと言うことです。

住宅を購入する際の頭金は、住宅価格の20%から25%が目安とされています。5,000万円の物件を購入するためには、頭金20%の場合で1,000万円、25%なら1,250万円が必要です。

仮にその頭金を大和ハウス、積水ハウス、住友林業の株に投資し、運用した場合どういう結果になるかを検証してみましょう。また、住宅価格(国土交通省公表)と可処分所得についても比較できるように表記しました。

銘柄/騰落率 5年(%) 10年(%) 20年(%)
ダイワハウス 47 191 526
積水ハウス 138 212 412
住友林業 250 356 636
日経平均 67 105 213
可処分所得 5 16 25
住宅価格 20 31 23
住宅価格(関東) 27 44 33

※表は筆者作成
※データ基準日は2023年12月

20年前に頭金1,000万円を大和ハウスに投資していた場合、5,260万円増加し、投資元本である頭金を含めると資金は6,260万円に成長しています。地方都市であれば、一軒家を一括払いで購入できる金額です。その間の住宅価格の上昇率は33%なので、株価上昇率が住宅価格の上昇率を大きく上回っています。取り上げた銘柄については、株価上昇率>住宅価格上昇率という式が成立するでしょう。

株価の再現性が低いものの、住宅購入の際の選択の一つとして、頭金を運用し、資産が増えてから家を購入するという選択も考えられるのではないでしょうか。

5.まとめ

テンバガー銘柄の多くは、高い技術力を背景に、市場規模拡大とともに株価が上昇しました。市場規模拡大の背景には政府の主導、新技術の開発などが挙げられます。

10年間でテンバガーを達成した銘柄の多くは、半導体関連やAI関連企業でした。次のテンバガー銘柄としては、水素、核融合などの技術開発がカギとなると考えられます。水素、核融合などの関連産業で、技術力の高い銘柄がテンバガー候補と言えるでしょう。

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藤井 理

大学3年から株式投資を始め、投資歴は35年以上。スタンスは割安銘柄の長期投資。目先の利益は追わず企業成長ともに株価の上昇を楽しむ投資スタイル。保有株には30倍に成長した銘柄も。
大学を卒業後、証券会社のトレーディング部門に配属。転換社債は国内、国外の国債や社債、仕組み債の組成等を経験。その後、クレジット関連のストラテジストとして債券、クレジットを中心に機関投資家向けにレポートを配信。証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト、AFP、内部管理責任者。