短期投資とは?長期投資との違いや取引手法も

投資は運用期間によって、大きく「短期投資」と「長期投資」に分けることができます。この記事では短期投資のメリット・デメリットと、主なサービスについて紹介します。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・サービスの利用を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 短期投資とは
  2. 短期投資と長期投資の違い
  3. 短期投資のメリット
    3-1.毎日利益を狙える
    3-2.損失をコントロールできる
  4. 短期投資のデメリット
    4-1.マーケットを監視する必要がある
  5. 短期投資の主な取引手法
    5-1.スキャルピング
    5-2.デイトレード
  6. レバレッジ取引を利用する
    6-1.信用取引
    6-2.FX(外国証拠金取引)
    6-3.先物取引
  7. まとめ

1.短期投資とは

短期投資の明確な定義はありませんが、1日に何回も取引を繰り返す「スキャルピング」や、1日で取引を完結する「デイトレード」、数日から数ヶ月以内に損益を確定させる「スイングトレード」が短期投資(トレード)に分類されることが一般的です。

短期投資は中長期より取引期間が短いので、1回の取引で大きな利益を狙うことはできません。細かく利益を積み重ねていく手法です。

2.短期投資と長期投資の違い

長期投資は数年~数十年スパンで株式や投資信託などを保有するため、利益幅が広く、1回あたりの取引利益が大きくなります。

一方、短期投資は数時間から数カ月程度の保有期間となるため、長期投資と比べると利益幅が狭く、1回あたりの利益も小さくなります。

また、短期投資は取引期間が短いので、相場が予想外の方向に行ってもすばやく損切りできるためリスクを低く抑えることができます。一方、長期投資は期間が長いので、短期投資より損失が大きくなる可能性があります。

3.短期投資のメリット

短期投資の主なメリットについて解説します。

3-1.毎日利益を狙える

数分や数日で利益を確定させる短期取引は、うまくいけば毎日利益を狙うことができます。仕事として毎月利益をださなければいけない証券会社のディーラーは、短期トレードで利益を積み重ねていく手法をとっています。

長期投資家は利益を確定させるまで数年~数十年とかかるので、1日や1カ月といった短期間で利益を確定できるのは、短期投資の大きなメリットといえます。

3-2.損失をコントロールできる

スキャルピングやデイトレードなどその日に取引を終える手法なら、大きな損失を抑えることができます。ただし、事前に損切り注文を入れておくなど、きちんとしたリスク管理が大切です。

4.短期投資のデメリット

短期投資のデメリットについても解説します。

4-1.常にマーケットを監視する必要がある

デイトレードは、仕事をしている人には不向きです。1日の間に素早く決断し、多くの取引を実行する必要があるからです。取引が多いデイトレーダーの中には、1日に数十回から数百回の取引を繰り返す人もいます。そのため、デイトレードに集中し、専念できる環境が必要です。

また、デイトレーダーはコストの面でも制約を受けます。たとえば、株の売買には手数料がかかります。また、税金も考慮しなければなりません。コスト以上の利益を上げる投資手法を確立することが大切なのです。

5.短期投資の主な取引手法

短期投資は証券会社やFX会社に口座を開いて入金すれば、いつでも取引を始めることができます。主な短期投資の取引手法について解説します。

5-1.スキャルピング

スキャルピングは数秒から数分という極めて短い時間で売買を繰り返し、利益を積み上げていく取引手法です。英語のscalpには「頭皮をはぐ」という意味もあり、薄い皮を何枚もはぐように、小さな利幅を狙った売買で薄く利益を積み重ねるのです。

利益が小さい分、損失も抑えられるというメリットがありますが、取引回数が多いため取引コストが高くなり、誤発注が増える可能性もあるので注意が必要です。

5-2.デイトレード

デイトレードは、1日の間にポジションを持ち、その日のうちに決済する取引戦略です。デイトレーダーは、1日以上ポジションを持たず、その日のうちに決済し、翌日に新しいポジションを持ちます。つまり、デイトレードは、その日の価格変動から利益を得ようとする短期的な戦略です。

6.レバレッジ取引を利用する

スキャルピングやデイトレードは、信用取引やFX(外国為替証拠金取引)、先物取引などの「レバレッジ取引」を利用するのが一般的です。短期取引では値幅が取れないので、レバレッジ取引で大きな利益を狙うのです。

レバレッジ取引とは、預けたお金を担保に、預けた金額以上の取引を可能にする取引方法。たとえば、最大レバレッジが10倍であれば、10万円で100万円分の取引が可能です。

それでは、レバレッジ取引の主なサービスについて解説します。

6-1.信用取引

信用取引とは、証券会社に現金や株式を担保として預け、証券会社からお金を借りて株式を買ったり、株券を借りて売却したりする取引です。預けた担保の価値の約3.3倍までの株式を取引できます。

株式の現物取引は「買い」からしか取引できないので、相場が上昇しているときしか収益機会はありません。しかし、信用取引は「買い」からだけでなく、「売り」からも取引できるので、高値で売って安値で買い戻すことができ、相場が下落しているときにも利益を得る機会があるのです。

このように、信用取引には現物取引にはないメリットがあります。しかし、相場が予想に反した場合、差し入れた担保以上の金額を支払わなければならない「追証」のリスクがあり、現物取引に比べてハイリスク・ハイリターンの取引となります。

万が一の損失に備えて、損切りラインの設定や生活費以外の余裕資金で取引するなど、十分なリスク管理が必要です。

6-2.FX(外国証拠金取引)

FXとは「Foreign Exchange」の略で、日本円と米ドルの交換など、ある国の通貨を別の国の通貨に交換することを意味します。日本では、「外国為替証拠金取引」とも呼ばれています。

FXの最大の特徴は、取引金額の一部に相当する証拠金を預けるだけで、外国為替の取引ができることです。

FXで得られる利益には2種類あります。ひとつは為替差益です。これは「キャピタルゲイン」と呼ばれることもあります。為替レートが安いときに買って、高いときに売れば、その差額を稼ぐことができます。

もうひとつはスワップポイントです。これは「インカムゲイン」と呼ばれることもあります。スワップポイントは金利のようなもので、金利の低い国の通貨を売り、金利の高い国の通貨を買うことによって利益を得ることができます。

6-3.先物取引

先物取引は、特定の商品をあらかじめ決められた日(満期日)にあらかじめ決められた価格で売買することを約束する、いわゆるデリバティブ(派生商品)の一つです。

先物取引というと、原油やトウモロコシなどの商品を対象とした商品先物取引を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、株式の世界にも、将来の株式を価格未定で取引する先物取引が存在します。個別銘柄だけでなく、日経平均株価などの株価指数を対象とした先物取引も活発に取引されています。

先物取引もレバレッジ取引が可能です。先物取引も短期間で大きな利益を狙えますが、大きな損失を出す可能性もあるので、きちんとしたリスク管理が必要です。

まとめ

短期投資はレバレッジ取引を利用すれば大きな利益を狙うことができます。ただ、レバレッジ比率を上げすぎると、大きな損失がでる恐れもあります。短期取引で利益を狙うためには、レバレッジ比率を上げすぎないことと、損切り注文を入れるなどのリスク管理が大切だということを認識しておいてください。

また、頻繁にトレードを行う場合、本業がある方には厳しくなるほか、きちんと利益が狙えるトレード手法を身に着けなくてはなりません。長期投資に比べて手間がかかり、かつリスク管理が重要になるため、慎重に検討してください。

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山下耕太郎

山下耕太郎

一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。ツイッター@yanta2011