シャープレシオとは?目安や計算方法、シャープレシオが大きい投資信託も

シャープレシオとは、投資商品のリスク1単位あたりの超過リターン(投資商品のリターン – 無リスク資産のリターン)のことです。投資商品がどれほど安定的にリターンを得られているのかを示す指標の一つとなります。

世界中の機関投資家が投資商品の選定にあたって参考にする数値であり、個人投資家の方々もリスクを考慮したパフォーマンスの評価方法として投資前に見ておくべきでしょう。

今回のコラムではシャープレシオの概要や投資信託の投資にあたってのシャープレシオの目安等を解説します。

※本記事は9月16日時点の情報です。最新の情報についてはご自身でもよくお調べください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. シャープレシオの概要
  2. 投資にあたってのシャープレシオの目安
  3. シャープレシオが大きい公募投資信託
    3-1.NASDAQ-100(R)連動型上場投信
    3-2.アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信
  4. まとめ

1.シャープレシオの概要

シャープレシオは投資商品の安定性・運用効率をみる代表的な指標の一つです。計算方法は下記の通りです。

シャープレシオ = (金融商品のリターン – 無リスク資産のリターン)/ 金融商品の標準偏差

金融商品のリターンとして、「複利利回り」で計算されることが多く、複利前提での一年間の利回りを示しています。具体的な計算方法は下記のとおりです。

投資後の金額=投資元本×(1+金融商品の騰落率)^(日数/365日)

無リスク資産のリターンとは、金融機関への預金・貯金や元本の支払いの確実性が高い国債などの元本割れリスクがほとんどない資産(無リスク資産)の利回りを意味しています。無リスク資産は、社債や株式とは異なりほとんどリスクがない商品となるため、誰もが投資によって最低限獲得することのできるリターンとなります。

通貨や国別によって無リスク資産のリターンは異なってきます。例えば日本における無リスク資産の代表例として日本国債(円建て)が挙げられます。短期物になると利回りは0%近辺です。

一方で米国における無リスク資産である米国債(米ドル建て)は1%台後半となります。どの無リスク資産を使用するかによって、シャープレシオの値も変わってくる点に留意する必要があります。

金融商品のリターンと無リスク資産のリターン差を「超過リターン」といい、シャープレシオは金融商品の標準偏差あたりの超過リターンとなります。無リスク資産はリスクフリーで得られるリターンのため金融商品のリスクを取って得られる実質的なリターンとして、この超過リターンが使用されています。

また標準偏差とは、金融商品のリターンのばらつきを示す統計学における代表的な指標です。金融商品のボラティリティーとなります。具体的な計算方法は下記のとおりです。

標準偏差 = √1ni=1n(Xi-X)2
n:サンプル数
Xi:各サンプルの値
▁X:サンプルの平均値

標準偏差が大きければ大きいほど金融商品のリターンのばらつきが大きいことを示します。日々の値動きが激しいことを意味しています。

多くのヘッジファンドマネージャーは、標準偏差をできるだけ抑えながらリターンを追求すること、すなわちシャープレシオを高くすることを求められています。たとえ多くのリターンを結果的に計上できていてもその過程でパフォーマンスに大きな下方への変動があれば評価されません。

2.投資にあたってのシャープレシオの目安

それでは投資にあたってシャープレシオの見方について見ていきましょう。まずシャープレシオを測定するためのパフォーマンスの期間についてです。

長ければ長いほど信頼性のある数値と言えます。1年未満のパフォーマンスから測定されたシャープレシオはある特定の環境における値でしかなく、環境が変われば同様のパフォーマンスを期待できるかどうか不明です。

一方で5年以上のパフォーマンスから算出されたシャープレシオは多くの環境を経験した結果出てきた数値となるので、今後も同様のパフォーマンス・シャープレシオをだすことができる可能性が高いと考えられます。

シャープレシオの値については、5年程度の期間で1.0以上あれば非常に優秀と言えるでしょう。一方で1年で2.0の商品でも5年間で計算したときのシャープレシオは0.5未満のものも多く存在します。必ず長期間におけるシャープレシオを参考にしましょう。

3.シャープレシオが大きい公募投資信託の例

個人投資家が購入することができるシャープレシオが大きい公募投資信託を紹介します。

  • NASDAQ-100(R)連動型上場投信
  • アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信

それぞれの投資信託について詳しく見ていきましょう。

3-1.NASDAQ-100(R)連動型上場投信

野村アセットマネジメントが運用するNSADAQ100指数に連動することを目指した、上場投資信託となります。主としてNASDAQ100指数に採用されている、または採用が決定された銘柄の株式(DR(預託証書)を含む)に投資したときの日本円換算のパフォーマンスであり、為替ヘッジはありません。

NASDAQ100指数は、ナスダックによって設計された指数であり、GAFAMを構成銘柄として含んでいます。ナスダック上場銘柄の特徴からグロース株の割合が多くなっています。

テクノロジー株の保有割合が50%を超えており、テクノロジー株の急激な成長の恩恵を受けて、過去10年間における年率リターンは23.59%、標準偏差は18.83%、シャープレシオは1.25です。

公募投資信託の中でもトップクラスのシャープレシオを記録しています。テクノロジー株の比重が非常に大きいため、テックセクターの業績が悪化するとパフォーマンスが悪化する可能性があります。一方でFintechやIOTの流れの加速・GAFAMなどの巨大企業の業績見通しがおおむね良好である場合には、今後も同様のパフォーマンスを記録する可能性は大きいでしょう。

3-2.アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信

アライアンス・バーンスタインが運用するアクティブファンドです。米国企業を中心としたグローバル株式のうち、成長期待が高い株式を中心に選択して運用する投資信託です。

運用にあたっては、企業のファンダメンタルズ分析と株価バリュエーションに基づく銘柄選択をおこなっています。実質外貨建資産については原則として為替ヘッジを行わないません。

昨今の各国政府による金融緩和・財政政策により株式市場が活況な中で、特にテクノロジー株を中心としたグロース株の株価が力強く上昇しており、それに伴い本ファンドのパフォーマンスも良好となっています。

過去5年間における年率リターンは18.18%、標準偏差は16.86%、シャープレシオは1.08となっており、安定したパフォーマンスを残してきました。

この投資信託はパッシブ運用ではなくファンドマネージャーが裁量を持って投資銘柄を選択するアクティブ運用になります。市況に応じて銘柄の入れ替えを行なっており、ここまで概ね良好な銘柄を選択できていると言えます。

VIXショックやコロナショックなどの荒波も乗り越え、トップクラスのパフォーマンスを記録してきたファンドマネージャーは今後の株式市場の変化にも対応できる可能性は高いと言えるでしょう。

4.まとめ

多くの投資家の方はリターンのみに注目する傾向があります。しかしリターンが大きく一方でボラティリティも大きいと、投資するタイミングを間違えれば投資後に急激に投資商品の価格が急落する可能性もあり、注意が必要です。

ボラティリティも考慮に入れたリターンの指標であるシャープレシオが高ければタイミングリスクは低いという風に考えることができます。シャープレシオは非常に重要な指標となります。

公募投資信託を選択する際にも、パフォーマンスの指標としてシャープレシオは記載されています。必ず確認しましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム

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