フォード、米国史上最大規模の再エネ購入契約を締結。DTEエナジーから

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米フォード・モーター(ティッカーシンボル:F)は8月10日、総合エネルギー企業DTEエナジー(DTE)と、2025年までに650メガワットの太陽光発電の購入契約を締結したと発表した(*1)。ユーティリティ(電力・ガス)企業からの再生可能エネルギーの購入としては米国史上最大規模となる(#1)。

同契約を通じ、フォードはミシガン州におけるすべての電力供給をクリーンエネルギーに切り替えることができるようになり、カーボンニュートラルの達成に大きく前進する見通しだ。米太陽光産業協会(SEIA)が集計したデータによると、同契約にもとづき太陽光発電が導入されれば、ミシガン州の太陽光発電設備(太陽電池アレイ)の数は約70%増加するという。

DTEの「MIGreenPower」プログラムを通じ、カーボンフリー電力を購入する。同プログラムは600社超の企業と62,000人以上の個人顧客が参加する、米国最大規模の自主的な再生可能エネルギープログラムだ。IGreenPowerの顧客は、プログラムを通じて220万トンの二酸化炭素(CO2)の排出を削減できる。

ミシガン州のグレッチェン・ホイットマー知事は「今回のような取り組みを通じ、ミシガンは昨年、米国のエネルギー業界においてもっとも多くの雇用を創出した。このことは、わが州の脱炭素目標の達成をサポートするとともに、高給の仕事を生みだし、経済を強固なものにする。」と述べた(*1)。

フォードは1903年の創業以来、ミシガン州を本拠地とする。2016年より同州で約100億ドル(約1兆4,000億円)を投じ、1万人超の雇用の維持・拡大に貢献している。

足元では全社をあげて電気自動車(EV)の生産に注力する。22年7月には、EVの台数を23年後半までに60万台、26年末までに200万台以上とする目標を発表した(*1)。車載電池大手の中国・寧徳時代新能源科技(CATL、300750)や韓国LGエナジー・ソリューション(373220)と関係を強化し、60万台の生産に必要な60ギガワット時の電池容量についても100%確保している。

フォードは30年までに世界生産の半分以上をEVにする計画を掲げ、遅くとも50年までにグローバルベースでカーボンニュートラルの実現を目指す。

(#1)ブルームバーグNEFのコーポレートPPA関連のデータベースを参照。

【参照記事】*1 フォード「Ford Motor Company and DTE Energy announce the largest renewable energy purchase from a utility in U.S. history

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フォルトゥナ

日系・外資系証券会社に15年ほど勤務。リサーチ部門で国内外の投資家様向けに株式レポートを執筆。株式の専門家としてテレビ出演歴あり。現在はフリーランスとして独立し、金融経済やESG・サステナビリティ分野などの記事執筆、翻訳、および資産運用コンサルに従事。企業型DC導入およびiDeco加入者向けプレゼンテーション経験もあり。
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