保険で資産運用ってどうなの?貯蓄型保険のメリット・デメリットや注意点

保険というと生命保険・自動車保険・火災保険・損害保険など、基本的には万が一の備えとして活用しているものが多く、「保険で資産運用」と聞いてもピンと来ないかもしれません。しかし、保険には万が一の保障に加え、資産運用にも利用できる貯蓄型の保険もあります。

今回は、保険での資産運用を考えている方に、保険の種類やメリット・デメリット、注意点などをまとめて解説します。

目次

  1. 貯蓄型保険の種類
    1-1.終身保険
    1-2.養老保険
    1-3.学資保険
    1-4.個人年金保険
  2. メリット・デメリット
    2-1.貯蓄型保険のメリット
    2-2.貯蓄型保険のデメリット
  3. 申し込み時に確認すべきポイント
    3-1.保険金額(保障内容)
    3-2.払込期間
    3-3.返戻率
    3-4.ソルベンシー・マージン比率
  4. まとめ

1.貯蓄型保険の種類

資産運用が可能な保険にはいくつかのタイプがありますので、一つずつ説明していきます。

1-1.終身保険

解約しない限りは、保障が一生続く保険です。葬儀代や相続税対策など、万が一何かあった時の備えとして加入する人が大半ですが、資産運用機能も備えています。

例えば低解約返戻金型終身保険は、貯蓄型終身保険のなかでも特にメジャーなものだと言えます。通常の終身保険と比較して、加入してから一定期間は解約返戻金の金額が抑制されている一方で、毎月の保険料も抑制されており、一定期間を過ぎてから解約返戻金が一気にアップするといった特徴があります。

1-2.養老保険

満期時に満期保険金を受け取れるタイプの保険です。満期までの間、万が一のことがあれば死亡保険金を家族に届けることができますし、無事に過ごせれば満期保険金としてまとまったお金を受け取ることができます。

この満期保険金を利息がついた預金だと考えれば、資産運用機能を兼ね備えた貯蓄型保険の一種だと言えます。死亡時の備え以外にも、住宅購入や老後資金といったライフイベントに合わせて加入することもできます。

1-3.学資保険

将来必要となる子供の学費を用意するための保険です。契約時に設定した子供の学費が大きくかかる時期に、「入学祝い金」や「満期学資金」といった名目でまとまった保険金を受け取れたり、契約者に万が一のことがあった場合、それ以降の保険料が免除になったりといった特徴があります。また被保険者の子供が入院した場合に保障する入院保険を兼ね備えているものもあります。

1-4.個人年金保険

主に老後資金の準備に活用されることの多い貯蓄型保険の1つです。一定期間まで保険料を払い込む代わりに、60~65歳のいずれかのタイミングから、10~15年かけて年金形式で保険金を受け取るか、払込終了後に一括で受け取れるか選択できます。公的年金だけでは老後が不安という方は加入を検討してみても良いかもしれません。

2.貯蓄型保険のメリット・デメリット

貯蓄型保険のメリットとデメリットを解説していきます。

2-1.貯蓄型保険のメリット

貯蓄型保険のメリットは以下の通りです。

運用は保険会社にお任せできる

基本的に毎月決まった保険料を保険会社に振り込むだけで難しい投資の知識は必要なく、気軽に資産運用ができます。

定期預金よりも高い利率が期待できる

支払った保険料総額よりも受け取る保険金のほうが多くなれば、それが返戻率といって利率に相当する部分になります。マイナス金利政策のもとでは、銀行に預金をしていても利息は殆どつきませんので、貯蓄型保険を効率的な貯蓄方法として活用できます。

万が一の時に保険金も下りる

満期を迎えて返戻金を受け取るだけでなく、万が一のことが起こった時や重い障害を負った時に、配偶者と子供の生活を保障するために保険金を受け取れることは魅力です。

引き落としで自動的に貯蓄ができる

貯蓄型保険は毎月自動引き落としで保険料が支払われることになるため、貯蓄があまり続かないという方もしっかりと積立ができます。

生命保険契約者保護機構によって90%補償される

生命保険会社が万が一破綻した際にも、契約が守られる仕組みがあります。生命保険については保険会社が保険金等の支払いに備えて積み立てている責任準備金の90%まで保護されます。残りの10%については更生計画などにより決定されます。

ただし、責任準備金の90%といっても、死亡保険金や年金の受取額、さらには解約返戻金や払い込んだ保険料総額の90%が補償されるわけではありませんので注意しましょう。

銀行の預金は元本1,000万円までと利息までしか預金保険制度によって保護されませんので、リスク分散の観点からも一部生命保険に移しておくことはメリットがあります。

※責任準備金…生命保険会社が将来の保険金などの支払いに備え、保険料や運用収益などを財源として積み立てている準備金のこと。

2-2.貯蓄型保険のデメリット

貯蓄型保険には以下のようなデメリットも存在します。

保険料が高い

掛け捨て型保険と比較すると、貯蓄型保険は保険料が高い傾向にあります。その理由は、貯蓄型保険の保険料には、保障を用意するための費用のほかに契約者に払い戻すための積立金も含まれているからです。保険料が高く負担が大きくなり、途中で解約してしまうことがないように契約時に将来に渡って積み立て可能な金額を計算しておきましょう。

途中解約で元本割れする可能性

基本的に貯蓄型保険では、加入してからすぐに解約返戻金が支払った保険料の総額を上回るわけではありません。ある程度の期間が経過してからでないと、受け取る解約返戻金が支払った保険料を超えることはありません。途中で解約した場合、支払った金額よりももらえる金額が少なくなる“元本割れ”が起こる可能性がありますので注意しましょう。

他の投資商品ほど利回りが良くない

利回りの観点では、保険による資産運用は通常の投資と銀行預金の間に位置します。リスクが比較的小さく抑えられる分、リターンも他の投資と比べると小さくなります。

予定利率が下がる可能性がある

予定利率とは、保険会社が「これくらいの利率なら払えるだろう」と考える利率のことです。しかし、経済状況の悪化により予定利率は引き下げられる可能性があります。

3.貯蓄型保険の申し込み時に確認すべきポイント

以下では、貯蓄型保険の申込みを検討する際に確認するべきポイントについても見ていきましょう。

3-1.保険金額(保障内容)

保険金額に関しては、「将来どれくらいの金額が必要なのか?」という目的から逆算して考えましょう。目的は人によって様々で、子供のための学費を確保したい人もいれば(→学資保険)、老後の生活資金を準備したい人もいる(→養老保険・個人年金保険)かもしれません。目的にかかる資金を計算しカバーできるように設定しましょう。

3-2.払込期間

「将来何に使う予定なのか」という目的に応じて設定しましょう。ただし、払込期間についてはいつまで仕事を続けられるのかということも勘案しなければならず、目的からだけでは十分に絞り込めないかもしれません。したがって、もし払込期間に迷ったら、家計的に保険料の負担が問題ない範囲で、できるだけ短く設定する方が無難です。

3-3.返戻率

高いに越したことはありませんが、払込期間と合わせて考える必要があります。保険は、満期前に途中解約した場合に高いペナルティーを払わされます。一方で銀行預金は利率は低いもののいつでも解約できます。つまり、保険は銀行の定期預金以上に拘束されると考えるべきで、その辺りの自由度と比較して何%の返戻率が妥当なのかということを検討しましょう。

3-4.ソルベンシー・マージン比率

全ての保険会社が財務の健全性を示す指標として公表しています。予測不可能な大規模災害が発生して、莫大な保険金を支払うことになっても耐えうる自己資本を持っているかを表しており、日本では200%以上であれば、通常の予測を超えるリスクに対応する支払い能力があるとされています。

まとめ

保険での資産運用は、株のように市場の変化によって自分の資産が減るリスクは抑えることができます。ローリスクで資産運用・資産形成をしたい人に向いていると言えます。

一方で、貯蓄型の保険は通常の資産運用に比べると収益性では劣るというデメリットや満期まで資金が拘束されるデメリットなどもあるため、高い利回りを狙いたい方や機動的に資産を運用していきたい方には不向きと言えます。

資産運用には資産を増やすだけでなく、守る・管理するといった側面もあります。貯蓄型保険のようにライフプランに合わせて別枠で貯金していくことはまさに「守る・管理する」というイメージに近いものかと思いますので、関心のある方は検討を進めてみて下さい。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資・資産運用に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

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HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム

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