投資信託を一括で買う場合のポイントは?積立との違いについても解説

「投資を開始しようとする時にどのタイミングで投資していいか分からない」、または「投資開始後からいきなり大きく値下がりしたらどうしよう」といった、不安を抱えている多くの投資家は多いかもしれません。

そんな時に知っておきたいのが分散投資です。これから投資を始めようと考えている方であれば一度は聞いたことがある言葉ではないでしょうか。

投資において分散投資は非常に重要です。一方で本当の意味で分散投資をしている方は少ないのではないでしょうか。

今回は分散投資の手法の一つである、投資信託を一括で買う場合のポイントについて、同じく分散投資の手法である積立投資との違いも交えながら解説していきます。

目次

  1. 分散投資の手法
    1-1.資産分散
    1-2.時間分散
    1-3.投資スタイル分散
  2. 一括で買う場合のポイント
  3. 積立投資とは
  4. 一括投資と積み立て投資の違い
    4-1.買い方
    4-2.リスク
  5. まとめ

1.分散投資の手法

一括投資や積立投資の違いを見ていく前に、まずは分散投資について知っておく必要があります。

1-1.資産分散

値動きの異なるものを組み合わせることでリスク分散でき、資産の大幅な下落を抑えることが可能となります。

例えば、複数の業種の株式や、株式と債券といった反対の値動きをする資産クラスに投資する方法があります。株や債券といった同じ種類の投資対象でも、投資する国を分散させることもリスク分散に有効です。

1-2.時間分散

もし10年に1回程度訪れる「○○ショック」といった出来事が発生した時に、一括投資が出来るのであれば、安く購入できるため将来的に高いリターンが望めます。しかし、いつ発生するかわからないショックイベントをずっと待ち続けながら何もしなければ、運用期間が短くなり時間を無駄にすることになります。短期的な下げを待ってタイミングよく投資をすることはかなり難しいでしょう。

投資タイミングが分からない場合、ドルコスト平均法と言われる積立投資があります。定期的に一定金額を買付ければ、価格が高いときには購入する量が少なくなります。一方、価格が安いときには購入する量が多くなり、平均購入価格を安く抑えることができます。

1-3.投資スタイル分散

投資スタイル分散とは、資産の中で長期的にインカムゲインを狙う部分と短期的にキャピタルゲインを狙いにいく部分を分けるという投資方法です。

「キャピタルゲイン」は資産を売買することで得られる損益のことです。不安定(リスクが高い)だが大きな収益が期待でき、短期投資に向いています。

一方、「インカムゲイン」は保有しているだけで発生する収入のことです。株式投資であれば配当、債券投資であれば利息収入に該当し、基本的にマイナスとなる可能性は低いが(リスクは小さい)期待収益も小さく、長期投資に向いていると言えます。

これまで述べてきた時間と資産の分散投資は基本的に長期投資を前提としたものです。長期投資を始める前に考えておきたいのが、万が一の時の事態です。

30年の長期投資資金しか保有しておらず、運用成績が悪い時にタイミング悪く家族の問題などで急に資金が必要になった場合を想像してみてください。一部解約し強制的に損切りをして円資金を捻出する必要があるかもしれません。

長期投資で一度運用資産を減らしてしまうと、複利効果が薄まってしまいます。なるべく解約は我慢したいところです。万が一の時のために、予め解約することを想定し短期でキャピタルゲインを狙う資金があっても良いかもしれません。

2.一括で買う場合のポイント

一括投資と聞くとリスクが高いようなイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし、「ローリスク&ローリターン」のポイントをおさえることで堅実な投資も可能です。

資産分散手法を用いることで、まとまった資産をできる限りリスクを抑えながら、運用成果をあげることが可能になります。国内株式、国内債券、外国債券、国内REIT、金、通貨などといった金融商品に分散投資し、ローリスク&ローリターンを実現させるのです。

3.積立投資とは

積立投資とは、一定額または一定数の投資信託等を毎月など定期的に買い続ける投資手法です。時間分散の手法になります。

時間を分散させながら投資することによって、高値で買うリスクを回避し、価格下落の影響を軽減するなど、価格の変動リスクを抑えつつ、中長期的な運用をすることで効果を発揮します。

4.一括投資と積立投資の違い

4-1.買い方

一括投資と積立投資の購入方法の違いは、一度のタイミングでまとまった金額で購入する(一括投資)か、定期的に一定金額で購入する(積立投資)かです。

4-2.リスク

一括投資と積立投資では、運用総額の推移が異なります。

一括投資の場合、購入時点の価格よりもファンドの基準価額が上昇すれば、資産総額もその分上昇します。基準価額が下落すると、資産総額もその分だけ下落します。投資のタイミングが運用成果を左右する大きな要因になるのです。

運用初期段階から、多額の資産を運用するため、複利効果が大きく資産形成のスピードが速まります。積立投資に比べて評価額の変動が大きくなるため、高い収益を狙うことも可能です。一方で大きな下落の可能性もある、ハイリスクハイリターンの投資方法です。

積立投資の場合、一括投資に比べて一回の購入額が少額となります。基準価額の下落による資産総額への影響を小さくすることができます。

特に、基準価額が下がった場合は多くの口数を購入でき平均単価も下がるため、一括購入より有利になります。積立初期段階は、投資資産額が少額であるため、価格変動の影響は少なくなります。投資期間の後半になり、資産総額が多額になるにつれて、値動きが大きくなります。

一括投資よりも、安定的に運用できることが特徴です。価格上昇の恩恵は一括投資に比べて少なく、短期間で大きなリターンを出すのは難しい、ローリスクローリターンの投資方法です。

5.まとめ

長期投資の重要ポイントの一つが複利効果を活かすことです。一括投資をすれば、その点は満たすことが出来ます。

しかし、高値でエントリーしてしまうと、大きな損失に繋がる恐れがあります。投資開始時に株価が下がるショックイベントがたまたま発生していて、低価格でエントリー出来れば良いものの、必ずとも限りません。

ショックイベント発生まで待機すると判断したとして、どの程度がショックイベントなのか判断することは難しいものです。この先もっと酷いショックイベントがくると期待して、下がるのを待てば待つほど、運用期間が短くなり複利効果が薄れてしまいます。投資のタイミングを図るのが難しい場合は、投資予定金額の半分程度の金額で積立投資の開始することを検討してみてください。

一度投資をスタートすることで、多くの人は相場をよく観察するようになります。将来のショックイベント発生時にも迅速に対応する準備ができるようになるかもしれません。将来的に価格が下がったタイミングで、残りの投資資金を使って一括購入することもできるでしょう。

もう一つ、資産分散と時間分散の二つの手法を組み合わせた手法を紹介します。株が高いと判断したタイミングで、投資予定金額の半分を積立投資します。残りの半分の資金で、株と反対の価格変動を示す例えば債券の投資信託に一括投資をするという手法です。

将来的にショックが起こった時には株より債券が選好されて債券の投資信託価額は上昇します。そのタイミングで利食いも兼ねて債券から株の投資信託にチェンジすれば、資産を有効活用できます。

いずれにしても、難しいのはいつショックイベントが発生するのか分からないということです。運用期間が短くなることを避けるために、まずは積立投資を始めることを検討してみてください。

投資する場合は、3年ごとに人生のライフイベントを考慮しながら、投資プランを調整して、積立金額と待機資金と余剰資金のバランスを見直すようにしましょう。

The following two tabs change content below.
HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム

HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム

HEDGE GUIDE 投資信託は、投資信託に関する国内外の最新ニュース、必要な基礎知識、投資信託選びのポイント、つみたてNISAやiDeCoなどの制度活用法、証券会社の選び方、他の投資手法との客観的な比較などを初心者向けにわかりやすく解説しています。/未来がもっと楽しみになる金融・投資メディア「HEDGE GUIDE」