不動産クラウドファンディング、優先劣後方式を採用しているサービスは?

不動産クラウドファンディングは、投資家の資産保全のために様々な対策を行っています。投資家の資産を守るための対策の一つが、優先劣後出資方式の採用です。

ここでは優先劣後出資方式の持つ意味と、優先劣後出資方式を採用している不動産投資型クラウドファンディングについてご紹介します。

目次

  1. 優先劣後出資方式とは
    1-1.損失が出た際に投資家の資産を守る仕組み
    1-2.劣後出資の割合が高いほど投資家の損失は起こりにくい
    1-3.優先劣後出資方式の注意点
  2. 劣後出資サービスを導入している不動産投資型クラウドファンディング
    2-1.CREAL(クリアル)
    2-2.WARASHIBE(わらしべ)
    2-3.ちょこっと不動産
    2-4.信長ファンディング
    2-5.TECROWD(テクラウド)
    2-6.ジョイントアルファ(Jointα)
    2-7.大家.com
    2-8.Rimple(リンプル)
  3. まとめ

1.優先劣後出資方式とは

優先劣後出資方式の概要と、優先劣後出資方式で投資家の資産の損失が発生しにくくなる仕組みについてお伝えします。

1-1.損失が出た際に投資家の資産を守る仕組み

優先劣後出資方式とは、不動産投資型クラウドファンディング案件で運用する不動産物件の取得に際し、運営の出資資金を劣後出資、投資家から集めた資金を優先出資として、分別管理することを指します。

不動産投資型クラウドファンディングで、1億円の物件を投資家が8,000万円、不動産会社が2,000万円出資して購入した事例を見て行きましょう。

1億円で購入した物件が、案件の運用終了後に9,000万円でしか売れなかった場合、10%の損失が起きているため、元々の出資割合に応じて不動産投資型クラウドファンディングには1,800万円、投資家には7,200万円が返済されます。

しかし、優先劣後出資方式を採用している不動産投資型クラウドファンディングは、劣後出資ぶんから損失を計上していきます。

先ほどの事例で考えると、1,000万円の損失が起きても不動産投資型クラウドファンディングを運営する不動産会社が出資した2,000万円から損失が計算されるので、投資家は資産の損失を負わないことになります。

このように、劣後出資が行われていれば不動産価格が購入時より下落して価格が大きく下がっていたとしても、投資家の損失が起こりにくくなっています。

1-2.劣後出資の割合が高いほど投資家の損失は起こりにくい

優先劣後出資方式を採用している不動産投資型クラウドファンディング案件を見るときに重要な数字が、劣後出資の割合です。

1億円の物件を購入する案件で、劣後出資分が10%であれば、不動産会社は1,000万円、30%であれば3,000万円を出資していることになります。この劣後出資の割合が高ければ高いほど、不動産の価格が下落しても投資家の資産の損失は起こりにくくなっていきます。

1-3.優先劣後出資方式の注意点

優先劣後出資方式は元本保証ではないため、投資家の利益を保証するものではありません。劣後割合を超えた損失については、投資家の出資分を毀損してしまうことになるため注意が必要です。

また、劣後している運営企業が経営難であったり倒産してしまった時に、実質的に資金回収が出来ない可能性もあります。優先劣後割合は案件のリスクを推し測るのに重要な指標となりますが、運営企業の経営状況や案件ごとの見極めが大切である点は変わらないと言えます。

優先劣後出資方式は元本を保証するものではないという点に注意し、利用するサービスや投資する案件を選ぶことが大切です。

2.劣後出資サービスを導入している不動産投資型クラウドファンディング

では実際に、どの不動産投資型クラウドファンディングが優先劣後出資方式を採用しているのか見て行きましょう。

2-1.CREAL(クリアル)

ESG不動産投資クラウドファンディング「CREAL」CREAL(クリアル)は累計報酬金額80億円以上の募集実績がある不動産投資型クラウドファンディングです。

投資家が優先出資者、クリアルが劣後出資者となっているため、出資額の予定分配率に至るまで投資家に優先的に分配され、その後、残利益があった場合に、劣後出資者であるクリアルに分配される仕組みとなっています。なお、優先劣後割合は会員登録後でのみ公開されています。

2-2.WARASHIBE(わらしべ)

WARASHIBEWARASHIBE(わらしべ)はマンションや東京都内のマンション、神奈川県内の不動産案件を扱う不動産投資型クラウドファンディングです。劣後出資の割合は20%から40%近い数字の案件もあります。

案件によって比較的手厚い劣後出資割合だと言え、投資家資産の損失は起こりにくくなっています。

2-3.ちょこっと不動産

ちょこっと不動産ちょこっと不動産は株式会社良栄が運営する、2021年3月にオープンした不動産クラウドファンディングです。良栄は、用地取得から市場分析、企画、設計、施工、アフターサービスに至るまで自社一貫体制を築いており、不動産開発や不動産賃貸の分野で多くの実績がある会社です。

2021年4月リリースの1号ファンドは、対象不動産は都内区分マンション、期間は6~12カ月、予定分配率6.0%程度で、劣後出資割合は30%となっています。

2-4.信長ファンディング

信長ファンディングは愛知県に本社を持つ株式会社ウッドフレンズが運営している不動産投資型クラウドファンディングです。最低投資金額は10万円と他サービスと比べてやや高めですが、名古屋など東海エリアに投資ができる点や予定分配率の水準が5%程度と高めな点、上場企業が運営しているといったメリットがあります。

信長ファンディングは、東海地方のアパートを主に運用対象としています。劣後出資割合は20%程度であり、他の不動産投資型クラウドファンディングと比較しても高い水準に設定されています。

2-5.TECROWD(テクラウド)

TECROWD(テクラウド)TECROWD(テクラウド)はモンゴルなど、中央アジアのマンションを開発・運用している専門性の高い不動産投資型クラウドファンディングです。

また海外案件に特有の為替リスクに対し、TECROWDではあらかじめ一括借上げを円建てで契約することで、為替変動リスクを軽減しています。案件の運用に成功すれば、為替の変動が起きても一定の利益を獲得できる可能性があります。

ハイリスクな印象もある海外不動産案件ですが、TECROWDでは10%前後の劣後出資を行っています。ただし、すべての案件で劣後出資が行われるわけではないため、案件情報を確認しておきましょう。

2-6.ジョイントアルファ(Jointα)

ジョイントアルファ(Jointα)は香川県に本社を持つ不動産会社、穴吹興産株式会社が運営している不動産投資型クラウドファンディングです。

日本全国にあるマンション物件やホテル物件などを運用対象としており、多彩な投資対象を選ぶことができます。概ね30%程度の劣後出資割合の案件に投資できます。

2-7.大家.com

大家.comは株式会社プロスペクトが運営している不動産投資型クラウドファンディングです。

大家.comでは主に都心の一等マンションを運用対象としています。その劣後出資割合は案件により異なりますが10~30%程度となっており、投資家資産の損失は起こりにくくなっています。

なお、大家.comの5号案件は、劣後出資割合は70%という高い水準に設定されてます。約1億5,000万円のマンション物件に対し、1億700万円を大家.comが劣後出資し、投資家は4,500万円を出資しています。

2-8.Rimple(リンプル)

不動産投資クラウドファンディング リンプル(Rimple)Rimple(リンプル)は東証一部上場企業であるプロパティエージェント株式会社が運営している不動産投資型クラウドファンディングです。

会員数は10万人以上を誇り、案件も2021年4月からは毎月2件のペースで募集しています。Rimpleは都心のマンション物件を運用対象としており、劣後出資割合を30%程度としており、高い水準に設定されています。

まとめ

不動産投資型クラウドファンディングに投資しながら、元本割れリスクを軽減するためには、できるだけ劣後出資割合が高い案件を選択肢に検討してみると良いでしょう。

不動産投資型クラウドファンディングで投資を検討する際は、劣後出資割合の数字を確認し、売却時の投資家資産の損失が起こりにくい案件を選ぶことが可能です。

予定分配率(予定利回り)だけでなく、どのような資産保全対策が行われているのかきちんと把握してから投資対象を選ぶことが重要になります。リスクとリターンのバランスをとり、自身の投資目的に合った案件を選ぶようにしましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム

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