投資信託選びのポイントは?資金流入の多いファンドの共通点から分析

投資信託は多くの投資家から資金を集め、複数の株や債券、不動産などで運用する金融商品です。通常、株などに投資するにはまとまった資金が必要になりますが、投資信託であればネット証券を利用して月100円から購入できます。

ただ、投資信託の数は6,000本以上あるので、どれを選べばいいか迷う人も多いでしょう。この記事では、投資信託を選ぶポイントと、資金流入額が多いファンドの特徴について解説します。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 投資信託の種類
    1-1.インデックスファンド
    1-2.アクティブファンド
    1-3.バランスファンド
  2. 投資信託を選ぶポイント
    2-1.運用コストを意識する
    2-2.リスクとリターンを考える
    2-3.純資産総額と基準価額をチェックする
    2-4.騰落率を確認する
  3. 資金流入額の多いファンド
    3-1.アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型
    3-2.eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
    3-3.グローバルAIファンド(予想分配金提示型)
  4. まとめ

1.投資信託の種類

投資信託は、主に次の3つに分類できます。

1-1.インデックスファンド

インデックスファンドとは、株価指数などの指標に連動した投資成果を目指す投資信託です。通常、株価指数などに採用されているのとほぼ同じ銘柄で構成され、組入比率も指数への影響度に応じた割合になります。

目安(ベンチマーク)となる指標には日経平均株価やNYダウなどの株価指数のほか、REIT(不動産投資信託)、コモディティ(商品)、債券などがあります。インデックスファンドは、アクティブファンドに比べて手数料や信託報酬などのコストが安いというメリットがあります。

1-2.アクティブファンド

アクティブファンドは、運用のプロであるファンドマネージャーが、独自の投資判断に基づいてベンチマーク(目安)になる日経平均株価などの指標以上の収益を目指すファンドです。情報収集や銘柄入れ替えなどのコストがかかるので、インデックスファンドに比べて信託報酬などの運用コストが高めに設定されています。

1-3.バランスファンド

バランスファンドとは、国内外の債券や株式、REIT(不動産投資信託)など複数の投資対象に分散投資するファンドです。投資する地域や投資対象を分散することで、大きく値下がりするリスクを減らすことができます。

ただ、複数の資産に分散投資しているからといって、元本が保証されているわけではありません。バランスファンドを購入する前に、どのような投資対象にどのくらいの比率で投資しているのかをきちんと確認することが大切です。

投資初心者は値動きがわかりやすく、信託報酬などの運用コストが安いインデックスファンドから始めるのが無難です。また、インデックスファンドやアクティブファンドに比べてリスクを抑えることができるので、バランスファンドから購入してもいいでしょう。

そして、日経平均株価などのインデックス(指標)を上回る投資成果を目指したい人や、投資経験が豊富な人は、インデックスファンドよりも高い利益が狙えるアクティブファンドの中から選ぶのも一つです。

2.投資信託を選ぶポイント

投資信託を選ぶポイントについて解説します。

2-1.運用コストを意識する

投資信託は購入や換金する時だけでなく、保有している間にも費用がかかります。投資信託のコストは、運用成果にかかわらずかかるものなので、必ずチェックしてください。同じ運用成果であれば、コストを低く抑えた方が実質的なリターンを高めることができるからです。投資信託でかかるコストは、主に次の3つです。

1 購入時手数料

投資信託を購入する時に、証券会社などの販売会社に支払う手数料で、1~3%程度かかります。ただ、投資信託によっては購入時手数料のかからない「ノーロードファンド」もあります。

2 運用管理費用(信託報酬)

信託報酬とは、投資信託を管理・運用してもらうためのコストとして、投資信託を保有している間、投資家がずっと支払い続ける費用のことです。別途支払う必要はなく、「純資産総額に対して何パーセント」といった形で毎日差し引かれます。

信託報酬は投資信託によって異なりますが、年率0.5~2.0%が一般的です。信託報酬は保有している間にずっとかかるコストなので、投資信託を長期で保有すればするほど、信託報酬を意識する必要があります。

3 信託財産留保額

投資信託を解約する時にかかるコストです。投資信託によっては一切かからないものや、一定期間保有すれば信託財産留保額が徴収されないものなど、さまざまなファンドがあります。徴収された額は信託財産内に留保され、基準価額などに反映されます。

2-2.リスクとリターンを考える

投資のリターンとは、運用を行うことで得られる成果のことであり、収益になることもあれば、損失がでることもあります。そして投資のリスクとは、リターンの振れ幅のことを意味します。つまり、リスクが高いとは、「大きな収益が得られるかもしれないし、大きな損失がでるかもしれない」という意味なのです。

高いリターンを得ようとするとリスクが高まりますし、リスクを抑えようとするとリターンは低下します。つまり、リスクが低くリターンが高い「ローリスク・ハイリターン」の金融商品は存在しないのです。

2-3.純資産総額と基準価額をチェックする

純資産総額とは、投資信託が投資家から集めた資金の総額に、ファンドの運用成果を加え、コストなどを差し引いた金額です。純資産総額は、ファンドの運用実績や分配された金額によって増減します。

そして基準価額は、その時の純資産総額を1万口あたりの時価評価にしたもので、計算式は以下の通りです。

基準価額=純資産総額÷総口数×10,000口

投資信託を選ぶときは、純資産総額が大きく、基準価額が上昇しているものを選ぶと無難です。

2-4.騰落率を確認する

騰落率とは、3カ月や1年など特定の期間において、ファンドの基準価額がどれだけ変動したかを変動率で表す数字です。短期的に騰落率がマイナスであっても、長期間ではプラスということもありますし、その逆もあります。騰落率を確認し、とくに長期間での運用成績がいいファンドを選ぶようにしてください。

3.資金流入額の多いファンド

2021年11月末時点における、過去6ヶ月の資金流入額が多いファンドを紹介します(参照:三菱アセット・ブレインズ「2021年12月号 投信マーケット MAB アナリスト・アイ」。

3-1.アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型

基準価額 12,580円
純資産総額 1兆5,689億円
騰落率 1カ月 3.6%
3カ月 5.7%
6カ月 19.3%
1年 41.7%

米国の成長株に投資するアクティブファンドで、基準価額の水準に応じて毎月支払う分配金額があらかじめ決められている「予想分配金提示型」ファンドです。同ファンドの11月末時点における組入上位銘柄は、以下の通り。

  1. アルファベット(グーグルの親会社)
  2. マイクロソフト
  3. アマゾン・ドット・コム
  4. メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)
  5. VISA

同ファンドは2014年9月に運用を開始しましたが。7年余りの運用期間中に資金が流出したのは、2016~7年にかけてと、2019年2月だけでした。2019年の終わりごろから好調なパフォーマンスを背景に資金流入が増え、純資産総額は1兆5,689億円になりました。これは、現時点で国内追加型株式投資信託(ETF=上場投資信託を除く)の中ではトップです。

3-2.eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

基準価額 18,432円
純資産総額 8,265.24億円
騰落率 1カ月 1.5%
3カ月 6.7%
6カ月 15.4%
1年 41.8%

S&P500指数(配当込み・円換算ベース)に連動する投資成果を目指すインデックスファンド。11月末時点の純資産総額が8,265.24億円となり、国内追加型株式投資信託(ETF=上場投資信託を除く)の中で第4位となりました。

インデックスファンドがトップ5入りするのは、2005年11月に4位だった「三菱UFJ外国債券オープン(毎月分配型)」以来、16年ぶりとなります。米国株式市場が好調なことや、運用コストである信託報酬が年率0.0968%(税込)と低いことが人気の理由です。

3-3.グローバルAIファンド(予想分配金提示型)

基準価額 13,081円
純資産総額 3,037.04億円
騰落率 1カ月 -0.7%
3カ月 2.9%
6カ月 9.4%
1年 28.8%

世界の上場株式の中から人工知能(AI)の進化・応用により、高い成長が期待される企業の株式に投資するアクティブファンドで、11月末時点における組入上位銘柄は以下の通りです。

  1. テスラ
  2. ズームインフォ・テクノロジーズ
  3. アマゾン・ドット・コム
  4. マーベル・テクノロジー
  5. プラグ・パワー

デジタル・トランス・フォーメーション(デジタル技術の活用によって、新たな価値を生みだすこと)を加速させるため、より多くの事業や業界において人工知能(AI)に関するプロジェクトが今後も展開されることが予想されます。

テーマ型ファンドは旬の時期を過ぎると売られる傾向がありますが、AIは今後も我々の生活に欠かせない存在になっていくと考えられ、同ファンドには資金流入が続いています。

まとめ

資金流入が多いファンドは、とくに米国株を対象にした外国株式ファンド多くなっています。過去12カ月リターン(11月末時点)で見ると、外国株式が28.4%ともっとも高いことや、日本株の上値が重いことが原因です。

ただ、1つの投資対象に集中投資するのはリスクが高くなります。米国株以外の国の株やREIT(不動産投資信託)など複数の地域や投資対象で運用し、リスクを軽減させた運用を心がけるようにしてください。

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山下耕太郎

山下耕太郎

一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。ツイッター@yanta2011