原油ETFを買うメリットとデメリットは?主な銘柄の比較も

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2021年から2022年にかけて原油の価格上昇が世界的なトピックとなり、原油ETFに注目している方もいるのではないでしょうか。原油ETFは少額投資ができて便利な一方、価格変動が激しいといった注意点もあります。

この記事では原油ETFのメリット・デメリットを解説し、代表的な3つの銘柄を紹介します。原油ETFの投資を検討する際の参考としてください。

※2022年5月17日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定のサービス・金融商品への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 原油ETFとは
  2. 原油ETFに投資をするメリット
    2-1.少額投資ができる
    2-2.コストが安い
    2-3.一般NISAを利用できる
  3. 原油ETFのデメリット
    3-1.政治・経済の状況によって価格が大きく変動する
    3-2.長期投資には適していない
  4. 原油ETFの代表銘柄3選
    4-1.WTI原油価格連動型上場投信
    4-2.Wisdom Tree WTI原油上場投資信託
    4-3.NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信
  5. まとめ

1.原油ETFとは

ETFは上場投資信託のことで、株式・債券・コモディティなど、さまざまな商品に投資をする銘柄があります。

原油ETFは、原油の価格に連動するETFのことを意味します。原油価格といえば「ドバイ原油」などの先物取引が一般的ですが、原油先物取引は少々仕組みが複雑で難易度が高く、取引コストも高い傾向にあります。それと比べて原油ETFは少額で投資ができ、取引コストもやや低いため、一般的な投資家でも売買しやすいと言えます。

原油価格はボラティリティ(変動率)が高く、短期的に大きな下落・上昇をすることも珍しくありません。直近では新型コロナ後の需要の急増などを背景に、原油価格の高騰が続いています。

2.原油ETFに投資をするメリット

原油ETFを利用するメリットとして、下記2点が挙げられます。

2-1.少額投資ができる

原油ETFのメリットの1つは、少額投資が可能なことです。たとえば「WTI原油価格連動型上場投信」の売買単位は1口からで、基準価額は3,105円(2022年5月17日時点)のため、少ない資金でも購入できます。

その他の銘柄の売買単位は10口などとなっていますが、それでも数万円程度で買付が可能です。

2-2.コストが安い

ETFとは上場投資信託のことで、株式の取引手数料と同様の体系が適用されるほか、通常の投資信託と比べて信託報酬が低いのが特徴です。原油ETFも同様で、信託報酬は年率1%未満の銘柄が多く、コストを低く抑えながら投資をすることができます。

2-3.一般NISAを利用できる

一般NISAの口座で原油ETFに投資をすることもできます。一般NISAは譲渡益や配当金が非課税になるメリットがあり、資産形成にも向いている金融サービスです。ただし、つみたてNISAやiDeCoでは原油ETFには投資できません。

3.原油ETFのデメリット

原油ETFに投資をする際には、以下2点に十分注意する必要があります。

3-1.政治・経済の状況によって価格が大きく変動する

原油はOPECを中心とする産油国の供給体制によって価格が大きく変動します。直近ではコロナ禍からの需要の復活により、原油のニーズが急激に高まり、価格の高騰を招きました。

またロシアのウクライナへの軍事侵攻による影響も懸念されています。経済制裁でロシア産の原油の供給が絞られることで、さらに価格が上昇するリスクもあります。

このように原油価格はOPEC諸国をはじめとする産油国の事情、世界の政治・経済動向などに左右されます。価格は安定しておらず、相場の状況に注意しないといけません。そのため、日頃は多忙なため投資に時間を割けない、という方には向いていない部分もあります。

3-2.長期投資には適していない

原油ETFは先物型であり、「コンタンゴ」という状態に注意が必要です。コンタンゴとは、期日の近い先物価格よりも、期日の遠い先物価格のほうが高い状態を意味します。

先物取引では同じものを保有し続けることはできないため、期日の近い先物を売り、期日の遠い先物を買うことになります。コンタンゴの状態では、安い先物を売って高い先物を買うことになるわけなので、時間が経過するほど損をしてしまいます。

原油ETFをはじめ、先物型のETFはコンタンゴ状態になりやすい傾向です。そのため短期で運用するのが基本であり、長期投資には向いていません。

4.原油ETFの代表銘柄3選

原油ETFのうち、国内で上場されている代表的な銘柄を3つ紹介します。

4-1.WTI原油価格連動型上場投信

銘柄名 WTI原油価格連動型上場投信
取引市場 東京証券取引所
管理会社 シンプレックス・アセット・マネジメント
銘柄コード 1671
基準価額 3,105円
売買単位 1口
純資産 402億9,600万円
信託報酬 0.94%

※2022年5月17日時点のデータ

WTI原油価格連動型上場投資信託は、先物型のETFです。最小売買単位が1口となっているため、少ない資金でも投資できます。

パフォーマンスを見ると10年ではマイナス6.73%、5年では5.24%、1年では105.57%とばらつきが大きく、原油価格の変動の大きさが分かります。

先物型であるため、コンタンゴ状態になりやすいことに注意が必要です。

4-2.Wisdom Tree WTI原油上場投資信託

銘柄名 Wisdom Tree WTI原油上場投資信託
取引市場 東京証券取引所
管理会社 ウィズダムツリー・マネジメント・ジャージー・リミテッド
銘柄コード 1690
基準価額 1,425円
売買単位 10口
純資産
信託報酬 0.49%

※2022年5月17日時点のデータ

Wisdom Treeは米国の資産運用会社で、ニューヨークに本社を構えています。原油上場投資信託の信託報酬は0.49%と、他の銘柄と比べて低い水準に設定されています。

4-3.NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信

銘柄名 NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信
取引市場 東京証券取引所
管理会社 野村アセットマネジメント
銘柄コード 1699
基準価額 3,836円
売買単位 10口
純資産 388億4,500万円
信託報酬 0.55%

※2022年5月17日時点のデータ

野村アセットマネジメントが管理している、先物型の原油ETFです。NOMURA原油ロングインデックスと連動しています。NOMURA原油ロングインデックスは、世界の原油先物から、取引量が多く流動性の高いと判断された銘柄を採用しています。

最新の月次レポートによると、基準価額の騰落率に関して3年ではマイナス20%、1年では110%、6ヵ月では54.4%と、こちらの銘柄もパフォーマンスのばらつきが大きくなっています。

4-4.各銘柄の比較表

ファンド名 基準価額 純資産 売買単位 信託報酬
WTI原油価格連動型上場投信 3,105円 402億9,600万円 1口 0.94%
Wisdom Tree WTI原油上場投資信託 1,425円 10口 0.49%
NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信 3,836円 388億4,500万円 10口 0.55%

※2022年5月17日時点のデータ

信託報酬がもっとも低いのは、Wisdom Tree WTI原油上場投資信託です。少額投資がしやすいのはWTI原油価格連動型上場投資信託で、売買単位は1口となっています。

まとめ

原油ETFは原油の先物取引と比べて少額投資が可能、取引コストが安いといったメリットがあります。その一方で価格変動が激しい、コンタンゴ状態になりやすいなどの点に注意が必要です。

国内に上場している原油ETFの代表的な3銘柄については、売買単位や信託報酬などに違いがあります。投資を検討する際は、目論見書もよく読んで検討しましょう。

原油ETFは基本的に短期で運用する金融商品であり、長期保有には向いていません。毎日相場を見続けられる方向けであり、日頃は忙しく投資に割ける時間がない方は慎重に考えた方が無難です。

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HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム

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