これから伸びる業界は?注目グロース銘柄10本の概要、株価、最新動向も

2021年の日経平均株価は、1月8日に28,000円台を回復し、1980年8月以来の高値となりました。3万円台も視野に入る中、次のテーマになりそうな業界や銘柄はどれなのでしょうか。今後、注目される3つのテーマ(業界)と10銘柄について紹介します。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定の企業・商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 注目業界①:再生可能エネルギー
    1-1.レノバ(9519)
    1-2.ウエストホールディングス(1407)
    1-3.Jパワー(9513)
    1-4.イーレックス(9517)
  2. 注目業界②:デジタルトランスフォーメーション(DX)
    2-1.ITbookホールディングス(1447)
    2-2.サイボウズ(4776)
    2-3.Jストリーム(4308)
  3. 注目業界③:EV(電気自動車)
    3-1.大泉製作所(6618)
    3-2.田中化学研究所(4080)
    3-3.インスペック(6656)
  4. まとめ

1.注目業界①:再生可能エネルギー

再生可能エネルギーとは、太陽光や風力、水力、バイオマスなどを利用して作られる電気のことです。現在、主に使われている石炭や石油は、いずれ資源が枯渇してしまう限りあるエネルギーですが、再生可能エネルギーは自然の力を利用するので、使用しても再生できる持続的なエネルギーとして注目されているのです。

2020年10月26日、菅首相は所信表明演説で、2050年までに温暖化ガスの排出量を実質ゼロにする方針を示しました。そして、2015年にパリで地球温暖化を止めることを目的とした「パリ協定」を採択することになりましたが、協定に参加する国は温室効果ガスの削減目標を作成して提出しなければいけません。

世界全体から排出される温室ガスの80%は二酸化炭素といわれ、この目標を達成するためには、再生可能エネルギーの力が必要なのです。また、米国でバイデン政権が誕生し、「環境重視」へと政策の軸が大きく振れることになるのも追い風です。

それでは、再生可能エネルギー関連株を紹介していきます(数値は2021年1月18日時点)。

1-1.レノバ(9519)

  • 株価:4,335円
  • PER:420.87倍
  • PBR:17.9倍

レノバは、再生可能エネルギーの発電と開発・運営が2本柱。太陽光から風力、バイオマスなど多様化を進めているので、発電量が不安定な太陽光に限定されない点が魅力です。ただ、2021年3月からIFRS適用となり会計基準が変更となるので、営業益が8億円かさ上げされている点には注意が必要です。

「脱炭素」は2021年に重視されるテーマの一つと考えられ、400倍を超えるPERなど指標面では割高感があるものの、今後の成長性が期待される銘柄です。

1-2.ウエストホールディングス(1407)

  • 株価:4,810円
  • PER:35.10倍
  • PBR:7.39倍

ウエストホールディングスは、電力事業と再生可能エネルギーを主力とし、太陽光発電工事を全国展開しています。また、工場や事務所に電力を供給したり、稼働している太陽光発電所の売買仲介をおこなったりするなど、幅広く事業を展開している企業です。

さらに、電力不足が課題になっているタイに進出している日本企業に対する電力需要のサポートもおこなっています。将来的には東南アジア各国への進出も目指しているというのも好材料になりそうです。

1-3.Jパワー(9513)

  • 株価:1,675円
  • PER:6.01倍
  • PBR:0.37倍

2004年に政府が民営化で株を放出。電源は石炭火力と水力が中心。ただ政府の脱炭素の方針を踏まえ、石炭火力のCO2削減が急務になっています。そこで、豪州の再生可能エネルギー企業ジェネックス・パワー・リミテッドとの間で、豪州における新規風力発電プロジェクト開発に係る覚え書きを結びました。

このため、Jパワーは風力発電関連銘柄として注目されているのです。日本は欧州に比べて普及が遅れていて、潜在的な拡大の余地は大きいと見られています。

1-4.イーレックス(9517)

  • 株価:1,635円
  • PER:18.36倍
  • PBR:3.18倍

イーレックスは、代理店を通じた電力の小売りが主体ですが、日本有数のバイオマス発電事業者でもあります。2019年10月には、カンボジアにおける水力発電事業への出資を発表。海外発電事業へ踏み出したことで、中長期的な事業展開が期待できます。

また、ENEOSと大型バイオマス発電所の新潟での共同事業化を検討しており、2026年からの運転開始を目指しています。

2.注目業界②:デジタルトランスフォーメーション(DX)

デジタルトランスフォーメーションとは、デジタル技術を浸透させて人々の暮らしをより良いものへと変革することです。また、企業や行政のデジタルを利用した変革全般を指すこともあります。

ビジネス環境の変化に備え、テクノロジーとデータを利用して、サービスや製品、ビジネスモデルを変革することが必要だとの考えで、古くなった基幹システムを新しくしたり、クラウドサービスを活用したりするのがDXにおける動きです。

2020年9月に誕生した菅政権では、デジタル化の推進を重視しており、関連銘柄にも注目が寄せられています。それでは、デジタルトランスフォーメーション関連銘柄を紹介します。

2-1.ITbookホールディングス(1447)

  • 株価:501円
  • PER:250.50倍
  • PBR:4.13倍

ITコンサルのITbookと、地盤調査・改良工事のサムシングHDが2018年に経営統合し、人材派遣の比率も大きい企業です。

地方自治体向けのコンサルティング事業を強化しており、マイナンバー制度のマイナポイントで受注したほか、2022年3月期は自治体向けのデジタル化支援案件が拡大しています。そして、内閣府地方創生推進室のデジタル人材派遣制度で、石川県加賀市など3市町村への派遣会社に選定されるなど、政策関連銘柄としても注目されています。

2-2.サイボウズ(4776)

  • 株価:2,626円
  • PER:99.09倍
  • PBR:30.18倍

サイボウズは、業務を効率化するグループウェアで国内シェアの高い企業です。そして、大阪府と業務アプリ開発プラットフォーム「kintone(キントーン)」を活用した業務改善や、児童虐待防止情報連携システム構築のための事業連携協定も結びました。

キントーンは1万社以上の導入実績があり、大阪府と連携して「新型コロナウイルス対応状況管理システム」も稼働させています。

また、2020年10月にタイ拠点を開設。業務アプリ開発ツールの海外向け販売も強化しています。

2-3.Jストリーム(4308)

  • 株価:5,900円
  • PER:69.0倍
  • PBR:17.30倍

Jストリームは、オンデマンド放送の配信インフラやネットによる動画ライブ中継を提供しています。新型コロナウイルスの感染拡大により、ライブ配信が激増。これまでの主力だった医薬講演会に加え、金融や放送、一般企業向けもフル稼働しています。

2022年3月期も、ライブ配信の先行受注が多く、今後の業績の伸びが期待されているのです。

3.注目業界③:EV(電気自動車)

2021年は、EV(電気自動車)が本格的に始動する年になりそうです。環境重視のバイデン政権誕生により、米国でもEVに対する需要は本格化すると見られています。また世界主要国は「脱炭素社会」に向けた政策を打ち出してきており、この流れもEVに対して追い風になります。

米国では大手電気自動車メーカー「テスラ」の株価が急上昇しており、2020年は年初から株価が約8倍近くまで跳ね上がりました。2020年末のテスラの時価総額は約65兆円と、トヨタ自動車の約26兆円を大きく引き離しています。

国内でも、菅首相が2050年までに温暖化ガスの排出量の実質ゼロを目指すことを表明。2030年代半ばまでに、すべての新車をEVなどの電気自動車にする方針も示しているので、今後の業界の伸びが期待できます。それでは、EV 関連銘柄を3つ紹介します。

3-1.大泉製作所(6618)

  • 株価:839円
  • PER:466.11倍
  • PBR:3.27倍

大泉製作所の主力は、自動車部品関連の温度センサー製品。最近は車両電動化の動きに伴い、ハイブリッド車や電気自動車にも二次電池用温度センサーや、ヒートポンプシステム用温度センサーなどの温度センサーが搭載されるようになりました。

大泉製作所は、今後も拡大が見込めるEV向きのヒートポンプ用や二時電池用に注力していくとしています。自動車部品事業ではデンソーへの製品供給が大きな割合を占めており、デンソー製品に組み込まれた形で、トヨタやその他の自動車メーカーに対しても製品を供給しているのです。

3-2.田中化学研究所(4080)

  • 株価:1,265円
  • PER:ー(赤字)
  • PBR:3.15倍

リチウムイオン電池などの、二次電池向け正極材料専業の会社です。2021年度は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、民生用途、車載用ともに最終製品の需要減少や生産工場の操業停止といった事態によって、生産調整を余儀なくされました。

しかし、世界各国で進む環境規制の対応が急務であることや、各国の経済が復興するにつれEVの普及は加速すると想定されることから、リチウム電池需要の落ち込みは一時的と見られ、2021年以降は再び成長基調になる見通しです。

3-3.インスペック(6656)

  • 株価:2,700円
  • PER:254.71倍
  • PBR:5.62倍

インスペックは、EVの軽量化関連銘柄として注目されている企業です。新事業の「ロール to ロール型シームレスレーザー直描露光機」は、初期のモデルを大幅に進化させ、高性能で高速に露光できる次世代のモデルとして2023年の発売を目指しています。

この露光機は、自動車のワイヤーハーネスに変わる長尺フレキシブル基板をターゲットとしており、今後急速に普及すると予想されるEVによる自動車の軽量化に貢献します。

まとめ

今回は注目の業界3つと、注目10銘柄を紹介しました。いずれも成長期待銘柄なのでPERやPBRなどの指標は高い傾向にありますが、業界や企業の成長を買うというグロース投資銘柄として可能性が期待できるものです。

ただ、グロース株は値動きが荒くなる傾向にあるので、複数の銘柄に分散投資する、損切りをきちんとするなどリスク管理をきちんとするようにしてください。

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山下耕太郎

山下耕太郎

一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。ツイッター@yanta2011