moomoo証券株式会社は、米国株に強みがある証券会社です。手数料が安く、取り扱い銘柄数が業界最多水準であることなどが特徴です。
moomoo証券株式会社は2023年10月10日から、米国株の24時間取引サービスを開始しており、値幅制限のない米国株がリアルタイム取引で24時間取引可能となりました。米国株を中心に運用している投資家にとってメリットのある証券会社です。
本稿では投資のプロである筆者が、moomoo証券の特徴について解説します。是非、参考にしてみてください。
※本記事は2024年1月18日時点の情報です。最新の情報についてはご自身でもよくお調べください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- moomoo証券とは
- moomoo証券の強み
2-1.米国株の取引手数料
2-2.取扱銘数
2-3.米国株が24時間取引できる
2-4.便利な金融情報アプリ - moomoo証券を使うデメリット
3-1.取扱いが米国株のみ
3-2.つみたてNISAの取り扱いなし - まとめ
1.moomoo証券とは
moomoo証券の親会社は、NASDAQ上場のFutu Holdings Limitedです。Futu Holdings Limitedは、テンセントが出資する香港を拠点とする証券会社のグループ会社です。日本では東京と大阪に支店を構え、米国株に特化しているネット証券です。
特長としては、米国株取引手数料が業界最安水準であること、取り扱い銘柄数が業界最多水準の約7,000銘柄であること、24時間リアルタイム取引が可能なこと、金融情報アプリが充実していることなどが挙げられます。
2.moomoo証券の強み
moomoo証券の強みは、手数料の安さ、取り扱い銘柄数の多さ、取引時間の長さ、金融情報アプリの便利さが挙げられます。それぞれみていきましょう。
2-1.米国株の取引手数料
米国株の取引手数料は業界最安水準です。
株式手数料は、ベーシックコースとアドバンスコースの2タイプより選択できます。ベーシックコースの手数料は、約定金額×0.088%(税込)、上限手数料が22ドル(税込)、最低手数料はゼロドル、アドバンスコースの手数料は、約定株数×0.01089ドル、上限手数料が約定代金×1.1%(税込)、最低手数料は2.18ドル(税込)です。
ベーシックコースは、約定代金2.5万ドルが上限手数料の損益分岐点ですが、アドバンスコースは2,021株の取引で上限手数料22ドルに達するため、2,021株以上取引される方はベーシックコースが適しています(株価が1ドル以上の場合)。どちらのコースが有利かを自身で試算し、選ぶようにしましょう。
コースは1日1回変更可能です。なお、新NISA口座での売買については、手数料が無料となっています。
他ネット証券と比べると、上限手数料は同じでも約定代金によってはmoomoo証券の手数料率の方が低くなっています。ネット証券大手のSBI証券と楽天証券の米国株式手数料は、約定代金が4,444.45以上の場合は22ドルで、moomoo証券のベーシックコースの上限手数料と同じです。しかし、約定代金が2.22ドル超4,444.45ドル未満の場合には、SBI証券と楽天証券が0.495%(税込)なので、moomoo証券の手数料率が低く設定されています。
なお、新NISA口座で米国株式を売買する場合には、SBI証券や楽天証券の手数料はmoomoo証券と同様に無料です。
2-2.取扱銘数
moomoo証券の米国株式の取扱銘柄数は約7,000銘柄と、大手ネット証券会社(SBI証券:約5,400銘柄、楽天証券:約4,800銘柄)を大きく上回っています(2023年12月時点)。銘柄数が多ければ、投資機会が増えるため、投資家にメリットがあります。
2-3.米国株式が24時間取引できる
SBI証券や楽天証券など他のネット証券では、米国株の米国標準時の取引時間は、23時30分~6時(日本時間)です。一方、moomoo証券では、米国株の取引が24時間可能です。立会時間はもちろん、プレ・マーケット、アフター・マーケットに関係なく株式の売買ができます。
米国株は値幅制限がないため、株価に影響をあたえるニュースが出ると、株価が10%以上変動することがよく起こります。特に、アフター・マーケット以降に発表される企業決算の内容で、株価が大きく変動することが良くあります。moomoo証券では24時間、株式の取引ができるので、米国株の取引を日々している方にとってメリットがあります。
2-4.便利な金融情報アプリ
moomoo証券の金融情報アプリは無料で使え、機能が充実しているため定評があり、世界中で2,000万を超えるユーザーが利用しています(2023年12月時点)。
株価のリアルタイム情報から、銘柄分析のツールまで無料で利用可能で、証券口座開設なしでも無料です。特に、リアルタイムの板情報や株価チャートなどが充実しており、デイトレード中心の投資家には使い勝手が良いと言えます。
また、機関投資家動向という機能があり、バークシャー・ハサウェイなど世界の有名なファンドが売買する銘柄を確認することができるほか、テクニカル分析やアナリスト評価も確認できます。さらに、海外ニュースは自動翻訳され、日本語で内容が確認できるため、英語が苦手な方にも便利なアプリです。
3.moomoo証券を使うデメリット
moomoo証券で投資する場合の注意点もあります。ここでは、デメリットを取り上げました。
3-1.取扱いが米国株のみ
同社は米国株に特化しているため、2023年12月時点では日本株には投資できません。
ただし金融商品取引業社として、第一種金融証券取引業、第二種金融証券取引業、投資助言・代理業、及び投資運用業の4種別が登録されているため、取り扱い市場や商品は、今後増えていくことが予想されます。同社は、将来的に日本株への投資も想定しており、アプリでは日本株の分析も可能となっています。
3-2.つみたてNISAの取り扱いなし
つみたてNISAを取り扱っていないこともデメリットです。NISA口座は、1人1口座と決まっています。2024年1月から始まる新しいNISAでは成長投資枠とつみたて投資枠の併用ができるようになります。新しいNISAの限度額は最大1,800万円(成長投資枠が1,200万円)です。年間では、成長投資枠が240万円、つみたて投資枠が120万円です。
しかし、同社で新しいNISAを始めても、取り扱いは成長投資枠のみです。同社で新しいNISA口座を開設すると、つみたてNISA枠が使えないことがデメリットと言えます。
4.まとめ
moomoo証券は、米国株を頻繁に売買する短期投資家にとって使いやすい証券会社と言えるでしょう。無料で利用可能なアプリが充実しており、手数料が業界安値水準、取り扱い銘柄数が多いためです。
moomoo証券は、将来的に日本株の取り扱いも予定していますが、時期は未定です。日本株への投資を考えている方や、つみたてNISAを予定している方は、この点を理解した上で利用しましょう。
藤井 理
大学を卒業後、証券会社のトレーディング部門に配属。転換社債は国内、国外の国債や社債、仕組み債の組成等を経験。その後、クレジット関連のストラテジストとして債券、クレジットを中心に機関投資家向けにレポートを配信。証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト、AFP、内部管理責任者。
最新記事 by 藤井 理 (全て見る)
- インド株のESG戦略を解説 長期的に先進国入りを目指す展望とは? - 2024年8月23日
- インドの台頭で恩恵を受けるアメリカ企業は?半導体やクリーンエネルギー関連株を投資のプロが解説 - 2024年7月23日
- サクソバンク証券の米国株式取引手数料は業界最低水準 さらに手数料が安くなるリワードプログラムも解説 - 2024年6月21日
- 10年後はインドとアメリカの2強になる!?投資のプロが中国との違いも解説 - 2024年6月21日
- インド株はアクティブファンドが狙い目 投資のプロが注目する投資信託も解説【新NISA】 - 2024年6月7日