40代から始める投資信託、選び方や適したファンドは?

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40代から始める資産形成はどの程度効果があるんだろう?と考えている人も多いのではないでしょうか。20代や30代からスタートする資産形成に比べると、運用期間が短いために選択肢が狭くなり、思うように効果が上がらないのでは?という懸念もあるかもしれません。

記事内では、40代から始める資産運用の考え方や、投資信託の選び方など、詳細を紹介しています。40代を境に、資産運用を考えている人はご確認ください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※信託報酬など、課税対象となる数値はすべて税込表示としています。

目次

  1. 40代で考えたい資産形成の方針とは?
    1-1.目的を明確にする
    1-2.リスクを抑えつつ流動性を確保
    1-3.期間を決めて逆算する
  2. 現状の支出を点検する
    2-1.現在の収入と支出の詳細を確認する
    2-2.保険など固定費のスリム化
  3. 40代からの資産形成に投資信託を活用する
    3-1.楽天ターゲットイヤー2050
    3-2.東京海上・円資産バランスファンド
  4. つみたてNISAやiDeCoの活用
    4-1.資産形成に役立つつみたてNISA
    4-2.iDeCoで選べるターゲットイヤー型ファンド
  5. まとめ

1.40代で考えたい資産形成の方針とは?

一般的に40代は30代についでライフイベントが多く、子供の教育資金を中心に支出がかさむ時期でもあります。40代で資産形成を考える場合の方針を3つ、ピックアップしました。各項目ごとに詳細を説明します。

  1. 目的を明確にする
  2. リスクを抑えつつ流動性を確保
  3. 期間を決めて逆算する

1-1.目的を明確にする

各世代に共通することですが、まずは運用の目的を定めなければいけません。ライフプランの中である程度の費用が想定されるのは、以下3点です。

  1. 子供の教育資金
  2. 住宅ローンの頭金
  3. 老後資金

一般的に40代でフォーカスされる必要資金は、教育資金や老後資金ではないでしょうか。子供の年齢にもよりますが、期間を考慮すると現実的に運用の対象となるのは、老後資金となるケースが多くなります。

1-2.リスクを抑えつつ流動性を確保

老後の生活を何歳からに設定するかによって、運用期間が変わってきますが、20代や30代に比べると、運用期間が短くなるため、許容リスクは抑えめにしつつ、急に資金が必要になることも想定してある程度の流動性も確保しておきたいところです。

許容リスクを設定し、円預金、国債や社債、投資信託やiDeCoのバランスを考慮したポートフォリオを構築しましょう。

1-3.期間を決めて逆算する

目標とする資産額と運用期間を決めておくと、許容リスクや目標とすべき投資金額、利回りを定めやすくなります。一般的には、物価上昇に合わせるために消費者物価指数を目標利回りとして設定すると良いとされていますが、預貯金や許容リスクとのバランスによって、それぞれ状況は異なるでしょう。

40代からの資産形成では高いリスクを取りにくくなるため、運用で目指す利回りは抑えめになります。金融庁が公開している資産運用シミュレーションを用いて、資産運用の計画をたててみてはいかがでしょうか。

2.現状の支出を点検する

なにかと支出がかさみがちな40代では、運用資金を作り出すのも一苦労です。無理なく投資への資金を捻出するには、日々の支出の見直しが効果的です。支出のスリム化について、以下2つの項目にて説明します。

  1. 現在の収入と支出の詳細を確認する
  2. 保険など固定費のスリム化

2-1.現在の収入と支出の詳細を確認する

収入と支出の確認は、案外おざなりになりやすい傾向があります。特に毎月の支出の内訳を正確に言える人は少ないのではないでしょうか。

共働きの世帯は、お互いの収入を公開して世帯収入を明らかにしたほうが良いでしょう。家計簿をつけて支出管理をすると、食費や雑費など使途不明金が見つかる可能性があります。

以前は、手書きの家計簿が当たり前でしたが、最近では簡単に入力できるスマートフォンの家計簿アプリも多くなってきました。資産運用を検討する際は、家計簿の活用も視野に入れてみましょう。

2-2.保険など固定費のスリム化

毎月決まった費用を払う固定費の見直しは、高い節約効果が期待できます。見直ししやすい固定費は、気づかない間に払っていたサブスクリプション費用や、電気、通信費用、保険などです。使わないサブスクリプションは解約し、保険、電気、通信など今の状態に合わせて見直ししてみましょう。

保険は、加入したまま見直さない人も多く、必要のない保障にまで掛け金を払い続けているケースもあります。公的保障でカバーされる保障と加入内容が重複し、ムダに掛け金を投じていることも考えられますので、加入している保険の内容は定期的に見直しておきましょう。

電気料金や通信費用も長い間契約していると、おざなりになりがちです。こちらも、定期的にお得なプランが出ていないか、確認しておくと良いでしょう。

3.40代からの資産形成に投資信託を活用する

40代から始める資産形成の運用先として候補に挙がる2つのファンドを紹介します。

  1. 楽天ターゲットイヤー2050
  2. 東京海上・円資産バランスファンド

3-1.楽天ターゲットイヤー2050

iDeCoの運用で選択できる楽天ターゲットイヤーは、2030年、2040年、2050年の3つのゴールを設定したファンドが用意されています。今回は、2050年タイプをピックアップし、概要を紹介します。

基準価額 13,264円
純資産 18.66億円
信託報酬 0.5775%
トータルリターン 40.8%(3年)
設定日 2016年10月3日

※数値は11月22時点の情報です

楽天ターゲットイヤー2050にて集められた資金は、楽天グローバル株式マザーファンドと楽天・世界債券マザーファンドへ分散投資されます。

2050年をゴールとして、運用当初は楽天グローバル株式マザーファンドの組入比率を高くし、2050年が近づくにつれて、楽天・世界債券マザーファンドの組入比率を増やしていく運用方針です。

目論見書によると、運用当初の株式75%、債券15%の割合を2030年まで維持し、その後は2050年に向けて徐々に株式の割合を減らしていくとしています。最終的な資産の割合は、債券85%、株式15%です。

全8,315銘柄中の組入上位5銘柄

銘柄 業種 構成比率 国・地域
1.Apple 情報技術 3.3% アメリカ
2.Microsoft 情報技術 2.4% アメリカ
3.アルファベット コミュニケーション・サービス 1.4% アメリカ
4.Amazon 一般消費財・サービス 1.2% アメリカ
5.バークシェア・ハサウェイ 金融 0.6% アメリカ

※数値は2022年10月31日発行の月次レポートによる情報です

組入銘柄は米国インデックスファンドと大差はありませんが、組入銘柄数は8,315銘柄と膨大です。細かく分散投資されており、リスク分散もしっかりされています。

組入債券

投資銘柄数 273
最終利回り 1.10%
平均クーポン 1.45%
平均残存期間 2.16年
デュレーション 2.06年
平均格付け AA

格付別構成比

  • AAA 46.5%
  • AA 49.1%
  • その他 4.4%

債券種別構成比

  • 社債 30.8%
  • 国債 69.2%

※数値は2022年10月31日発行の月次レポートによる情報です

先進国を中心に比較的格付けが高い国債を中心に運用されており、一部クーポンが高い社債も組み込まれているように見受けられます。基本的な運用スタイルは低リスク運用です。

3-2.東京海上・円資産バランスファンド

基準価額 10,663円
純資産 2145.81億円
信託報酬 0.9240%
トータルリターン 0.47%(5年)
設定日 2014年11月10日

※数値は2022年11月22日時点の情報です。

国内債券の割合を多めに配分し、低リスク運用を目的としたファンドです。国内債券の割合を7割として、国内株式や国内REITをそれぞれ15%の割合に抑えています。一時的に短期金融資産等の割合が増えることもあります。

長期運用に最適化されたファンドとして、バランスファンドの中では多くの資産を集めているファンドです。

資産の組入比率

項目 組入比率 基本資産配分
日本債券 70.00% 70%
日本株式 7.10% 15.00%
日本REIT 7.30% 15,0%
短期金融資産等 15.60%

債券の構成と属性

種別 比率
国債 4.4
地方債 25.9
政府保証債 4.6
事業債 64.2(劣後債4.4)
MBS・ABS 0.5
短期金融資産 0.4
最終利回り 0.70%
平均クーポン 0.76%
平均残存期間 9.93年
デュレーション 9.42年
平均格付け AA-

※数値は2022年10月31日発行の月次レポートによる情報です

債券の資産配分では、事業債と地方債が配分の多くを占めており、平均残存期間は9. 93年、最終利回りは0.7%です。しっかりとリスクを抑えつつ、物足りない部分は国内株式や国内REITにて補う運用方針です。

株式131銘柄中の組入上位5銘柄

銘柄 業種 構成比率
1.トヨタ自動車 輸送用機器 2.00%
2.KDDI 情報・通信業 2.00%
3.SOMPOホールディングス 保険業 2.00%
4.日本電信電話 情報。通信業 2.00%
5.ENEOSホールディングス 石油・石炭商品 2.00%

※数値は2022年10月31日発行の月次レポートによる情報です

国内株式は銘柄数131と少なく、大型株を中心に構成されています。予想配当利回り3.2%に設定している点から、頻繁な売買は行わず、配当金を中心に収益を積み上げていく方針をとっていると見られます。

4.つみたてNISAやiDeCoの活用

10年を超える長期運用には、つみたてNISAやiDeCoが心強い味方となります。いずれも、収益に対して課税される20%の税金が非課税となる制度です。それぞれの制度を長期運用にどう活かすのか、詳細を紹介します。

4-1.資産形成に役立つつみたてNISA

つみたてNISAは、毎月少額からつみたて投資を継続することによって、長期運用による資産形成の実現を目指す制度です。

つみたてNISAによる積立運用は別名ドルコスト平均法とも呼ばれています。ドルコスト平均法では毎月同じ金額で買い付けるため、自動的に基準価額が高いときは少なく、安い時は多くという買付方法が成立します。買いすぎや買い控えを抑えつつ、人の意思が介入しにくい点がメリットです。

さらに、時間の効果によるリスク分散も加味され、結果として得た収益は非課税になるため、つみたてNISAと長期運用による資産形成は相性が良いと言われています。

4-2.iDeCoで選べるターゲットイヤー型ファンド

iDeCoは確定拠出型年金制度の一つです。基本的に60歳までを運用期間と定め、運用期間中は資産を引き出すことはできません。得られた収益は非課税となり、60歳以降に分割して受け取ることができます。自分の意思で運用商品を選び、運用する点が特徴的です。

iDeCoで選択できる投資信託に、ターゲットイヤー型ファンドがあります。60歳のゴールに近づくにつれて、資産配分が低リスク型へ変更されるファンドです。

運用期間に余裕がある若い世代では、株式などリスク資産の比率を高め、年齢を重ねてリタイアの時期が近づくにつれ、逆に株式などの比率を下げ、債券など低リスク資産の割合が増えていきます。

本来、資産配分は自分で管理するものですが、ターゲットイヤー型ファンドでは、ファンドマネージャーによって適宜変更が行われます。ライフスタイルに合わせたハイリスクから低リスクへの資産配分変更は、長期運用の理にかなっており、ターゲットイヤー型ファンドは、長期運用のために最適化されたファンドといっても良いでしょう。

まとめ

40代は30代に続いてライフイベントが多く、子供の教育費など、支出も多い世代です。お金がかかる40代から運用をスタートするには、まず運用資金の捻出が課題となります。家計の収入と支出の全てを確認し、スリム化できるポイントがないか検討してみましょう。

運用の目的とゴールの設定も重要です。金融庁のシミュレーションを活用して、目標金額に対する毎月のつみたて金額と目標利回りの目処がつけば、選択するべきファンドを見つけやすくなります。

無理のない範囲で運用資金を捻出し、バランスの良い資産形成を目指しましょう。

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sayran

「資産形成をより身近に」をモットーに、証券会社にて投資信託を中心にリスクの低い資産形成をオススメしていました。 テキストではよりわかりやすくみなさんの興味分野を解説し、資産形成の理解を広めていきたいと思っています。