ソニーグループのESGの取り組みや将来性は?株価推移、配当・優待情報も

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国連でSDGsの目標が採択されたこともあり、ESGやサステナビリティを重視する傾向が近年強まっています。投資家も投資先の選定にあたり、環境や社会の課題解決へ取り組んでいるかを重視する傾向が出てきました。

ソニーは日本のものづくりをけん引してきた企業ですが、現在は独自の技術によるESGの取り組みも積極的に行っています。今回はソニーのESGの取り組み、株価推移や業績について解説します。

※2022年11月22日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定の銘柄・金融商品への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. ソニーグループの概要
  2. ソニーグループのESGに関する取り組み
    2-1.新素材「トリポーラス」で環境改善を図る
    2-2.オーディオ製品に再生プラスチックを採用
    2-3.再生可能エネルギーの導入
  3. ソニーグループの10年間の株価推移と業績
    3-1.10年間の株価推移
    3-2.業績
  4. ソニーグループの将来性
  5. ソニーグループの配当・優待情報
  6. まとめ

1.ソニーグループの概要

銘柄 ソニーグループ
証券コード 6758
株価 11,445円
PER(会社予想) 17.85倍
PBR 2.06倍
配当利回り(会社予想)

※2022年11月22日のデータ

ソニーグループの事業セグメントは、下記5つがあります。

  • ゲーム&ネットワーク
  • 音楽
  • 映画
  • エンタテインメント・テクノロジー&サービス
  • イメージング&センシングソリューション
  • 金融

主力のセグメントの1つ目はまずゲーム&ネットワークで、ゲーム機の「PlayStation 5」やその関連商品・コンテンツの提供が主な事業内容です。

次に大きなセグメントはエンタテインメント・テクノロジー&サービス(ET&S)で、テレビの「BRAVIA」、デジタル一眼レフカメラ、ヘッドホンなどの製品があります。

音楽事業はソニー・ミュージックエンタテインメントが統括しています。所属アーティストの代表は、米津玄師、King Gnu、YOASOBI、SixTONES、JUJUなどです。

映画事業を統括しているのはソニー・ピクチャーズです。直近では全世界1,500万部を突破したミステリー小説を映画化した「ザリガニの鳴くところ」が劇場公開されました。

イメージング&センシングソリューションでは、イメージセンサー、マイクロディスプレイ、レーザーダイオードなどを開発。イメージセンサーは世界シェアNo.1で産業用からモバイル用まで幅広いラインナップです。

金融事業を管轄するのはソニーフィナンシャルグループで、ソニー生命、ソニー損保、ソニー銀行などがあります。

2.ソニーグループのESGに関する取り組み

ソニーグループは、ESG・サステナビリティで高く評価されている企業でもあります。

イギリスの非営利団体であるCDPの気候変動と水資源管理に関する調査において、それぞれ最高評価である「Aリスト」企業に選定されました。気候変動は6回目、水資源管理は5回目の選定です。

また企業倫理の基準の定義や推進を行う米国「Ethisphere Institute(エシスフィア・インスティテュート)」からは、「World’s Most Ethical Companies(世界で最も倫理的な企業)」の1社に選定されています。

ここからは、ソニーグループのESG関連の具体的な取り組みについて解説します。

2-1.新素材「トリポーラス」で環境改善を図る

ソニーが独自開発した「トリポーラス(Triporous)」という吸着剤があります。水や空気の浄化ができ、世界の様々な場所での快適な環境づくりに貢献可能と期待されている新素材です。

トリポーラスの原料はお米のもみ殻で、天然由来材料から作られます。余剰の素材を再利用することで、環境負荷の低減につながります。

トリポーラスを利用することで、より高性能な水や空気の浄化装置ができると期待されています。たとえばトリポーラスのフィルターにより、世界の様々な場所で清潔で安全な飲み水を提供できるようになります。発展途上国の生活環境の改善や健康状態の向上につながります。

環境面だけでなく、人道面でも世界に貢献できる可能性のある素材がトリポーラスです。

2-2.オーディオ製品に再生プラスチックを採用

ソニーと言えばスピーカーなどのオーディオ製品をイメージする方も多いのではないでしょうか。音響関連にも強い技術力のあるソニーは、オーディオ製品に再生プラスチックを採用する取り組みも進めています。

再生プラスチックはバージンプラスチック(新しく作られたプラスチック)と比べ、音質面で課題がありました。再生材料や混合する材料の比率で試行錯誤を繰り返した結果、2016年にバージンプラスチックと比較しても音質が劣化しない再生プラスチックの開発に成功しました。

現在はハイパワーオーディオ製品、テレビの内部部品などに再生プラスチックが導入されています。今後も素材の性能をさらに高める開発を続けていくとのことです。

2-3.再生可能エネルギーの導入

ソニーは再生可能エネルギーの使用量を増やしており、新たな投資も行っています。英国のテクノロジーセンターでは自社に設置した太陽光パネルにより、電力使用量の8%をまかなっています。米国カリフォルニアのソニーピクチャーズエンタテインメント本社でも、太陽光パネルが電力の一部をまかなっています。

3.ソニーグループの10年間の株価推移と業績

ここからは、ソニーグループの株価推移や近年の業績について見ていきましょう。

3-1.10年間の株価推移

2013年に2,000円未満だった株価は、2022年には11,000円以上になりました。10年で10倍程度に成長したことになります。

特に株価が伸びたのは2020年からで、新型コロナショックの影響は軽微でした。一時期
15,000円以上を記録したこともあります。

2022年は大幅に下落し、9月に10,000円を割りましたが、直近ではそこからやや回復傾向となっています。

3-2.業績

過去5年間の業績推移は以下のとおりです。

年度 売上高 営業利益 当期利益
2018/3 8,543,982 734,860 699,049
2019/3 8,665,687 894,235 1,011,648
2020/3 8,259,885 845,459 799,450
2021/3 8,998,661 955,255 997,965
2022/3 9,921,513 1,202,339 1,117,503

(単位:百万円)

売上高は8兆円~9兆円、営業利益は9,000億円前後で推移してきました。2020年3月期は新型コロナの影響で不振となりましたが2021年3月期は回復。2022年3月期は大幅な増収・増益を達成し、過去最高を記録しました。

大きく伸びたセグメントは、音楽とエンタテインメント・テクノロジー&サービスです。音楽は映像メディアやプラットフォームの減収があったものの、ストリーミング売上の増加が寄与しました。アーティストの発掘・育成の強化、レーベル買収などを進め、ヒットを継続して創出する力を向上させています。

エンタテインメント・テクノロジー&サービスでは、テレビやデジタルカメラの増収が業績に大きなプラスとなりました。前年度はコロナ禍による生産・物流の混乱、半導体不足などの成約がありましたが、サプライチェーンをきめ細やかに管理したことにより、増収・増益につながりました。

直近2022年度第2四半期の連結業績は、売上高は2兆7,519億円で前年同期比16%増、営業利益は3,440億円で8%増、株主に帰属する四半期純利益は2,640億円で24%増となり、好調でした。前年度に引き続き、音楽分野とエンタテインメント・テクノロジー&サービス分野が好調だったことが要因です。一方で金融分野はソニー生命で大幅減収となりました。

4.ソニーグループの将来性

ソニーグループの将来性について、ESGと業績の両面から考えていきます。まずESGに関しては、環境関連で自社の技術力を生かした取り組みを行っているのが特徴です。余剰バイオマスを活用した新素材、オーディオ製品への再生プラスチックの導入など、ソニーグループの強みをサステナビリティ分野にも生かす姿勢が見られます。

数々の取り組みは、日本のものづくりをけん引してきたソニーならではの内容と言えます。今後も、同社の技術力を環境面や人道面の問題解決につなげることが期待されます。

次に業績について、2021年3月期は大幅な増収・増益となりおおむね好調です。音楽分野とエンタテインメント分野での好調が続いており、業績に大きなプラスをもたらしています。一方で金融分野では不振が続いているため、テコ入れが求められるところです。

5.ソニーグループの配当・優待情報

1株あたり年間配当 2022年度:第二四半期30円、期末35円
2023年度:第二四半期35円、期末は未定
主な株主優待 ソニーの公式通販サイト「ソニーストア」およびソニーストアの各店舗で利用できる電子クーポン

ソニーグループの1株あたり配当は、2022年度は合計65円でした。2023年度に関して、第二四半期は前年度を上回る増配となりましたが、期末は現時点で未定となっています。

株主優待では、3月末日で100株以上を保有している株主を対象に、ソニーストアで利用可能な電子クーポンを配布しています。2022年度の場合は下記のとおりです。

特典クーポン 利用可能な商品
AV商品15%オフ テレビ、カメラ、オーディオなどのAV商品
VAIO本体5%オフ VAIO本体

各クーポンは5回ずつ利用可能で、利用期間は2022年6月3日~2023年5月31日までのおよそ1年間です。なお一部クーポンが利用できない商品があり、Xperiaスマートフォン、プレイステーション、aiboなどがあります。

2023年以降の特典クーポンの実施については未定となっているため、続報が待たれます。

まとめ

ソニーグループのESG・サステナビリティ関連の取り組み、株価、業績について紹介しました。ゲーム機、音楽、映画、テレビ、カメラ、保険など多彩な事業を展開する大企業で、有名な商品が多く、直近の業績は好調です。

ESG関連でも技術開発力を生かした取り組みを行っており、環境の問題解決につながる新たな商品を生み出しています。今後もソニーの強みを生かした商品によるサステナビリティへの貢献が期待されます。

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HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム

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