投資信託の「アクティブ」「パッシブ」の違いは?メリット・デメリットを解説

※ このページには広告・PRが含まれています

投資信託の運用方法には「アクティブ運用」と「パッシブ運用」の2種類があります。初めて投資信託にチャレンジしようとしている場合、これらがどう違うのか、どちらを選べばいいのかわからない方もいらっしゃるでしょう。そこで今回は、投資信託のアクティブ運用とパッシブ運用の違いや特徴について解説したいと思います。

目次

  1. 投資信託とは?
  2. 投資信託のアクティブ運用とは?
    2-1.アクティブ運用の種類
  3. 投資信託のパッシブ運用とは?
    3-1.パッシブ運用の種類
  4. アクティブ運用のメリット
  5. アクティブ運用のデメリット
  6. パッシブ運用のメリット
  7. パッシブ運用のデメリット
  8. アクティブ運用とパッシブ運用を選ぶ時のポイント
  9. まとめ

1. 投資信託とは?

投資信託とは、投資家から集めたお金を資金として、それを専門家が運用する金融商品のことをいいます。投資信託にはさまざまな商品が存在しており、それぞれの商品で投資先や運用方針が異なります。

そのため、投資信託商品を選択するためには、その運用方法についても理解しておく必要があります。では、投資信託のアクティブ運用とパッシブ運用について詳しく見ていきましょう。

2.投資信託のアクティブ運用とは?

投資信託のアクティブ運用というのは、運用目標とされるベンチマークを上回るように運用して成果を上げることを目指す運用手法のことをいいます。一般的にベンチマークには、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などの指数が選択されるケースが多くなります。

ベンチマークよりも高い運用成果を目指すため、投資先の銘柄の入れ替えや売買などが積極的に繰り返されるという特徴があり、より高い収益を狙って運用されることになります。

2-1. アクティブ運用の種類

そして、アクティブ運用にもいくつかの種類があり、主に以下の2種類が採用されることが多いといえます。

  1. グロース投資
  2. バリュー投資

グロースとは英語で「成長」を意味します。その意味の通り、グロース投資とは「将来的に成長することが見込める投資対象に対して投資を行う」運用方法となります。

また、バリューは「価値」を意味します。将来性ではなく、「キャッシュフローや資産などの価値と現在の取引価格を比較して、割安と判断できるものに投資を行う」運用方法です。

3. 投資信託のパッシブ運用とは?

投資信託のパッシブ運用とは、運用目標とされるベンチマークに連動するように運用され、成果を上げることを目指す運用手法のことをいいます。

「インデックス運用」とも呼ばれており、「インデックスファンド」と名前がついているものは、パッシブ型の運用方針であると考えていいでしょう。

パッシブ運用の場合は、ベンチマークに沿った成果を上げるため、機械的に運用されることになります。

3-1. パッシブ運用の種類

パッシブ運用にもいくつかの種類があり、主に以下の2種類が採用されます。

  1. 完全法
  2. サンプル法

完全法というのは、投資信託の運用方針として定められたベンチマークを構成するすべての銘柄を購入する運用方法です。購入の際には、時価構成比率に合わせて購入の度合いが決定されることになります。

一方、サンプル法というのは、ベンチマークを構成する銘柄のなかから、よりベンチマークに沿った運用ができると判断された銘柄を抽出して購入する運用方法です。

4. アクティブ運用のメリット

アクティブ運用とパッシブ運用のそれぞれの特徴と合わせて理解しておきたいのが、メリットとデメリットです。

まずは、アクティブ運用のメリットから見ていきましょう。

  1. パッシブ運用よりも高いリターンを期待できる
  2. ベンチマークが下落したときも投資信託の下落幅を抑えてくれる可能性がある

アクティブ運用では方針となるベンチマークを上回るような運用が目標となります。そのため、市場が上向きの場合、パッシブ運用よりも高いリターンを期待することができます。

また、将来性を期待した銘柄が予測通りの成長を遂げた場合でも、利益が大きくなるというのもメリットとなります。

さらに、アクティブ運用では専門家による運用が実施されることになるので、万が一市場が急落してしまうような場合でも、ベンチマークよりも大きく下げることがないよう制御してくれる可能性があります。

5. アクティブ運用のデメリット

では、アクティブ運用のデメリットはどのようなものなのでしょうか?

  1. 調査や分析、銘柄売買などにより運用費用が割高になる
  2. 投資信託の運用成績がマイナスでも、ベンチマークを上回っていれば評価の高いファンドになりうる
  3. パッシブ運用よりもリスクは高くなる

まず、アクティブ運用では専門家(ファンドマネージャー)による情報収集や調査、分析に加え、積極的な銘柄の売買や入れ替えなどが行われます。そのため、資産運用に掛かるコストが割高になりやすいというデメリットがあります。

また、仮に運用成績が下落した場合でも、ベンチマークを上回ることを目指して運用される方針は変わりません。そのため、ファンドとしての評価が高いとしても、必ずしも収益につながるわけではありません。

さらに、専門家による運用が行われるため、その手腕が運用成績に直結するということになります。また、投資できる金融商品の量も多いことから、運用成績にはかなりバラつきがあります。

ハイリターンを見込める分、リスクも高く、相応の損失が発生する可能性もある、というのがアクティブ運用のデメリットとなります。

6. パッシブ運用のメリット

次に、パッシブ運用のメリットを見てみましょう。

  1. ベンチマークが明確なので運用方法がわかりやすい
  2. 低コストかつ低リスクで投資が可能
  3. ファンドマネージャーの手腕などに運用成績が左右されにくい

パッシブ運用では、日経平均株価やTOPIXなどのベンチマークに連動するように資産が運用されます。そのため、運用方法がわかりやすいというメリットがあります。

また、市場の平均値を目指して機械的に運用されるため、コストを比較的抑えられることに加え、専門家の手腕に運用成績が左右される恐れが少ないので、リスクも同様に抑えることができます。

アクティブ運用と比較して手軽に投資しやすいため、投資信託初心者にはパッシブ運用が向いているといえます。

7. パッシブ運用のデメリット

では、パッシブ運用にはどのようなデメリットがあるのでしょうか?

  1. パッシブ運用の投資信託商品は少ない
  2. 商品によって変わり映えがない
  3. リスクが低い分、リターンも小さくなる

デメリットの1つに、パッシブ運用を採用した投資信託商品がそもそも少ないということが挙げられます。

また、ベンチマークに連動する運用手法となるため、同じ値動きをするベンチマークを対象にするものであれば、どの金融商品を選択しても運用成績が大きく変わることはありません。またリスクが低い分、リターンも低くなるため、アクティブ運用に比べると投資の面白さを感じたり、大きなリターンを狙ったりするのは難しいでしょう。

8. アクティブ運用とパッシブ運用を選ぶ時のポイント

アクティブ運用とパッシブ運用、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあるため、どちらの方がいいと一概にいえるものではありません。あくまでも、投資家個人の状況や考えによって、適した運用方法は異なると考えるべきでしょう。

ただ、特徴を比較すると、安定性を求めるのであればパッシブ運用が、大きなリターンを求めるのであればアクティブ運用が向いている、とはいえるでしょう。

9. まとめ

今回は投資信託におけるアクティブ運用とパッシブ運用の特徴などについて紹介しました。

繰り返しになりますが、それぞれ特徴やメリット、デメリットが異なるので、どちらがいいという話ではありません。そのため、違いをしっかり理解して、どちらを選択するべきなのか投資家自身が判断する必要があります。

投資信託を始める場合は、本記事をぜひ参考にして検討してみてください。

The following two tabs change content below.

山本 将弘

フリーランスWebライター。主に株式投資や投資信託の記事を執筆。それぞれのテーマに対して、できるだけわかりやすく解説することをモットーとしている。将来に備えとリスクヘッジのために、株式・不動産など「投資」に関する知識や情報の収集、実践に奮闘中。