投資信託でよくある4つの失敗事例は?失敗する理由や対策も解説

ネット証券を利用すれば100円からと安価に始められ、投資の専門家であるファンドマネージャーに運用を任せられるので、幅広い層で投資信託の人気が高まっています。ネット証券の2020年1月から11月までの月平均の資金流入額は約680億円と前年の3倍になり、投信残高も約2兆5,000億円と、この2年間で倍増しています。

ただし、投資信託は元本が保証された金融商品ではありません。損失をだして運用に失敗してしまう可能性もあるのです。この記事では投資信託での運用で失敗する事例と、その原因と対策について解説します。

目次

  1. 失敗事例1:分配金の頻度や利回りが高い投資信託を選ぶ
    1-1.人気の高い毎月分配型ファンド
    1-2.分配金を受け取らない方が有利
  2. 失敗事例2:ランキングを参考にファンドを選ぶ
  3. 失敗事例3:投資信託のコストを気にしない
  4. 失敗事例4:テーマ株投信を買う
  5. まとめ

1.失敗事例1:分配金の頻度や利回りが高い投資信託を選ぶ

分配金を受け取れる頻度が高い投資信託や高利回りの投資信託は、一定の人気はあるもののリスクもあります。

1-1.人気の高い毎月分配型ファンド

日本では低金利が続いている背景もあり、定期的に分配金がもらえる投資信託は人気があります。分配金をだす回数も年に1回、半年に1回などさまざまですが、1年に12回、つまり毎月分配型のファンドも人気が高くなっています。

しかし、投資信託の分配金は銀行の預金などとは違い、支払いが約束されているわけではありません。また、投資信託の分配金の高さや頻度は、ファンドの運用成績とは関係ありません。

投資信託の分配金には、元本の取り崩しが含まれている場合もあります(特別分配金・元本払戻金)。分配金は投資信託が運用している資産からだすので、分配金をだすと基準価額(投資信託の値段)は下落します。そのため、自分が買った基準価額を下回っている場合は、元本の取り崩しになってしまうのです。

1-2.分配金を受け取らない方が有利

中長期で運用し、ファンドの基準価額がプラスで推移しているなら、複利効果が期待できるので分配金は受け取らない方が有利になります。複利効果とは、運用で得た利益をふたたび投資することです。つまり、利息が利息を生んでふくらんでいく効果が期待できるのです。

もちろん、お小遣い代わりに分配金を受け取りたいというニーズもあります。ただ、元本の取り崩しではあまり意味がありませんし、長期での運用を考えたら投資効率が悪化してしまうため、分配金をださないファンドの方が有利になり得ます。分配金の高さや頻度だけでファンドを選ぶと、なかなか資産形成が進まず失敗する可能性が高まるので、注意が必要です。

2.失敗事例2:ランキングを参考にファンドを選ぶ

人気ランキングや売れ筋ランキングでファンドを選んでいる人もいるでしょうが、そのようなファンドが儲かるとは限りません。証券会社などの販売会社が発表している人気ランキング上位のファンドは、投資家の人気があって売れているのではなく、販売会社が売ることに力をいれているのでランキングに入っている、という場合もあるからです。

また、ネット証券が発表しているランキングにも注意が必要です。公表された取扱高などからランク付けを行っていても、ネット証券を利用している人には短期売買をしている投資家も多いので、短期売買用のブル・ベア型ファンドが上位に来る場合も多いからです。

ブル型というのは、たとえばダブル・ブル型では日経平均株価が1日に1%上昇したら、2%上昇するというように2倍の利益を狙うファンドを指します。一方のベア型とは、たとえばダブル・ベアの場合、日経平均株価が1日に1%下落したら逆に2%上がるというファンドです。

ブル・ベア型ファンドは短期で売買して利益を得ようとする投資信託なので、長期で運用を考えている投資家は購入しないほうが賢明です。レバレッジ効果により、日経平均株価などの数倍の値動きもするなどリスクが高いため、初心者のうちは手を出さないようにするのが良いでしょう。

たとえランキング上位で人気があっても、自分の投資手法に合わないファンドは購入しないようにしてください。

3.失敗事例3:投資信託のコストを気にしない

投資信託を購入するときは、販売手数料が必要になります。投資金額に対して2~3%程度かかるのが通常です。たとえば販売手数料が3%だとすると、投資信託に100万円投資すると3万円の手数料がかかります(税金を考慮せず)。

ただ、株価指数などに連動することを目指すインデックスファンドなどは、販売手数料がかからないノーロードファンドが一般的です。ファンドマネージャーが調査・研究して銘柄を選ぶアクティブファンドよりもコストが安くなる傾向にあるのです。

また、インデックスファンドはアクティブファンドより信託報酬も安い傾向にあります。信託報酬とは、投資信託を管理・運用してもらうためのコストとして、投資信託を保有している間に間接的に払い続けることになるコストです。信託報酬もファンドによって異なりますが、年0.5~2%程度が通常です。インデックスファンドで安価なものには年0.1%台以下のものもあります。

とくに投資信託を長期で保有しようと考えている方は、信託報酬が安いファンドを中心に選ぶようにしましょう。

4.失敗事例4:テーマ株投信を買う

テーマ株投信とは、バイオやIT、エネルギーなど、投資対象を特定のテーマ株に絞るファンドです。世の中の関心が高まっているテーマなら話題になり販売しやすいので、似たようなテーマ株投信が何本も設定されることがあります。

テーマ株投信は対象銘柄が絞られているので、そのテーマの株のバリュエーションが高くなっても、テーマ以外の割安株に投資対象を変更することはできません。そのため、関連株が割高になっている場合が多いという点に注意が必要です。

割高な株に投資してしまうと、下落後に再び同額以上に値上がりするには時間がかかったり、最悪の場合二度と同額には戻らなかったりするリスクがあるため、投資効率が低下しやすくなります。投資信託であれば、短期的には基準価額の下落リスク、長期的には他のファンドにパフォーマンスで劣ってしまうリスクが生じます。

その時のテーマになっている投資信託に次々と乗り換えていくと、株価が割高なファンドに投資していることにもなりかねないので、安易にテーマ株投信を選ばず、これまでのパフォーマンスや商品構成などから総合的に考えてファンドを選ぶようにしましょう。

まとめ

投資信託は少額から購入でき、複数の銘柄に分散投資できるので、初心者でも始めやすい金融商品です。ただ、預貯金などとは異なり元本が保証されているわけではありませんし、コストがかかるので、ファンド選びは慎重におこなうべきです。

今回取り上げた内容に当てはまるファンドを購入するときは、きちんとリスクを把握し、内容を理解した上で購入するようにしてください。

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山下耕太郎

山下耕太郎

一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。ツイッター@yanta2011