ソーシャルレンディングでセミリタイアをするなら自己資金はいくら必要?

誰もが一度は夢を見るセミリタイア。そのセミリタイアをソーシャルレンディングで実現する場合、資金がどのくらい必要なのか、そもそも実現が可能なのか、いろいろと気になりませんか?

今回はソーシャルレンディングにおけるセミリタイアについて、わかりやすくまとめました。この記事を読めば、ソーシャルレンディングを利用したセミリタイアについて、イメージがしやすくなるかと思います。それではひとつずつ見ていきましょう。

  1. セミリタイアとは
  2. セミリタイアにはお金がいくら必要か
    1. 現役時代の平均年収はいくら?
    2. 平均支出から考える必要な所得額は?
  3. ソーシャルレンディングでセミリタイアを目指せるか
    1. ソーシャルレンディングの投資性
    2. 利回り6%で年100万円~150万円を稼ぐのに必要な資金は?
    3. 利回り12%で年100万円~150万円を稼ぐのに必要な資金は?
  4. セミリタイア実現に向けてどんな準備を進めればよいか?
    1. 貯蓄とソーシャルレンディングの複利効果で投資資金を増やす
    2. 全額投資は危険、分散投資を心がける
    3. 徐々に投資収益の収入比率を上げていくことが大切
  5. 5.まとめ

1 セミリタイアとは

まずセミリタイアとは、貯蓄や不労所得で生計を立てつつ、ひと月の足りない収入は仕事で補う生活スタイルです。身を粉にして働くことをやめ、ある程度の自由な時間を確保できるように、仕事の調整をします。

なお、収入を得るための仕事を全くしないという状態は、セミリタイアではなく「早期リタイア(アーリーリタイア)」と呼ばれます。早期リタイアは、貯蓄や不労所得だけで生計を立てることができている状態で、毎日を自分の好きなことに費やすことが可能です。

「早期リタイアはさすがに難しいけど、セミリタイアぐらいなら目指せるかもしれない」

そう考える方も多いと思いますが、実際にソーシャルレンディングを投資手段として利用した場合、どれほどの投資額を用意すればセミリタイアが可能となるのでしょうか。

2 セミリタイアにはお金がいくら必要か

まずは、セミリタイアを目指す場合にお金がいくら必要なのかを見ていきましょう。

2-1 現役時代の平均年収はいくら?

国税庁が発表した「平成28年分民間給与実態統計調査結果について」の統計を見ると、平成28年分の平均給与(年収)は【約421万円】と数字が出ています。

また転職サイトDODAの平均年収ランキングで公開されている2017年の年代別の平均年収は以下の通りです。

年代 平均年収
20代 346万円
30代 455万円
40代 541万円
50代 661万円

上記の現役世代(30代~40代)の年収を見ると、【年収500万円前後】となっていますので、セミリタイア後に現役時代の収入水準を維持したい場合は、仕事+投資などの利益(貯蓄)で【年収400万円~500万円】が必要だということがわかります。

2-2 平均支出から考える必要な所得額は?

一方、支出ベースで必要な金額も調べてみましょう。

総務省統計局が発表した「平成29年・家計調査」では、世帯ごとの平均消費支出がわかります。そこでは、単身世帯で月16万円、2人以上世帯で月28万円と統計が出ています。

この平均支出から、1年に必要な所得額を考えると、

  • 単身世帯… 年192万円(月16万円×12ヶ月)
  • 2人以上世帯… 年336万円(月28万円×12ヶ月)

と計算ができます。したがって税引き後の所得としては、

  • 単身世帯なら【年収200万円】
  • 2人以上世帯なら【年収300万円】

あたりを目指していけば、平均的な生活水準を維持することができると考えられます。支出をカバーする収入が得られていれば、貯蓄を切り崩す不安も減ります。

3 ソーシャルレンディングでセミリタイアを目指せるか

さて、ここからが本題ですが、ソーシャルレンディングへの投資だけでセミリタイアは目指せるのでしょうか。

3-1 ソーシャルレンディングの投資性

ソーシャルレンディングとは、インターネット上で事業者を介して、企業へ事業資金を融資する投資方法です。融資の利息が定期的に分配されることで、投資家は利益を得ることになります。

利回りは案件によって5%程度のものから、10%を超えるものまで幅広くあります。利回りの違いは、融資先が持つ下記の要素に左右されます。

  • 企業の信頼性
  • 事業の安全性
  • 担保・保証の有無

たとえば、利回り10%を超える案件の場合、

  • 業歴が短いなど資金繰り面で課題があり、返済遅延の可能性がある
  • ハイリスクな事業を行っている可能性がある
  • 海外案件でマイナー通貨の為替リスクが絡む
  • 担保や保証が設定されていない

などのリスクが生じるため、貸し倒れや返済遅延の可能性もゼロではありません。

安心してセミリタイアをはじめるためには、できる限り資金は減らさないように、リスクヘッジを心がけなくてはいけません。ソーシャルレンディングで比較的リスクが低い案件は、以下のようなケースです。

  • 国内の不動産事業
  • 不動産担保の土地評価額が融資額を上回る
  • 抵当権(担保)の優先順位が第一位

こういった案件を中心に扱っているのは、上場企業のロードスターキャピタルが運営しており、全案件に東京の不動産が担保についているオーナーズブックとなります。なお、ソーシャルレンディング大手のmaneoでも不動産担保付き案件はありますが、担保の評価方法が公開されていないなど、担保評価の面でややリスクがあると言えるでしょう。

さて、話を元に戻すと、このような手堅い場合は利回りが5~7%ほどなので、今回は利回り6%でシミュレートしてみましょう。

3-2 利回り6%で年100万円~150万円を稼ぐのに必要な資金は?

セミリタイアは早期リタイアとは異なり、収入の一部を仕事で稼ぎます。収入の半分を投資でまかなうとした場合、

  • 単身世帯は【年100万円】
  • 2人以上世帯は【年150万円】

をソーシャルレンディングへの投資から稼がなくてはいけません。

ソーシャルレンディングの中で比較的リスクが低い案件(利回り6%)だけで年100万円~150万円を稼ぐなら、必要な資金は以下計算式の【投資額】の部分となります。

【投資額】×利回り0.06=投資益100万円~150万円

さらにソーシャルレンディングは、分配金が配当されるタイミングで源泉徴収税(20.42%)が引かれます。ここで源泉徴収税を20%とキリのいい数字に仮定してみましょう。先ほどの計算式に0.8(80%)をかけて、源泉徴収を考慮したものが以下の計算式です。

【投資額】×利回り×0.06×源泉徴収後0.8=投資益100万円~150万円

この式から【投資額】を計算してみましょう。

投資益100万円~150万円÷利回り0.06÷源泉徴収後0.8=必要な投資額 2,083万円~3,125万円

つまり、利回り6%で年100万円~150万円を稼ぐには、【2000万円~3000万円】の資金が必要だとわかります。

なお、ソーシャルレンディングは雑所得のため、総合課税の対象です。総合課税の場合、給与所得や不動産所得などの所得金額をひとまとめにして、税額を計算します。

よって給与所得と雑所得(ソーシャルレンディングの分配金利益)の合計が年195万円~330万円だった場合、所得税率は10%となります(以下表を参照)。

課税される所得金額 税率
195万円以下 5%
195万円を超え 330万円以下 10%
330万円を超え 695万円以下 20%
695万円を超え 900万円以下 23%
900万円を超え 1,800万円以下 33%
1,800万円を超え4,000万円以下 40%
4,000万円超 45%

国税庁「所得税の税率」より

よって仕事をしながらソーシャルレンディングでも稼ぎたいという場合は、課税も考慮しする必要があります。たとえば仕事とソーシャルレンディングで年300万円の課税所得を稼いだ場合、所得税率は10%のため、実際の収入(利益)は270万円ほどです。

この税率以上に源泉徴収がされている場合は、払いすぎた税金分が確定申告で還付されることになりますので覚えておきましょう。

3-3 利回り12%で年100万円~150万円を稼ぐのに必要な資金は?

「もっと効率よくソーシャルレンディングで稼ぎたい!」という方は、案件の利回りを上げてみましょう。ただ高利回り(10%を超える)案件の場合、

  • 企業の業歴が短い
  • 融資の取引実績が少ない
  • マイナー通貨の為替が絡む
  • 担保や保証がない

など様々なリスクがあるため、低利回りの案件よりも貸し倒れや返済遅延の可能性が高くなることを念頭に置いた上で、投資を進める必要があります。

さて、話を戻すと、たとえば利回り12%で年100万円~150万円を稼ぐ場合、必要な資金は以下の計算式の通りです。

投資益100万円~150万円÷利回り0.12÷源泉徴収0.8=投資額 約1041万円~1562万円

リスクの高いソーシャルレンディング案件(利回り12%)だけで年100万円~150万円を稼ぐ場合は、必要な資金が【1000万円~1500万円】となり、先ほどに比べるとハードルはやや下がります。高利回りの案件が気になる方は、海外への投資案件を取り扱っているクラウドクレジットを見てみると良いでしょう。

セミリタイア実現に向けてどんな準備を進めればよいか?

それでは、セミリタイアの実現(年100万円~200万円の副収入)を目指すには、実際にどんな準備が必要なのか考えてみましょう。

貯蓄とソーシャルレンディングの複利効果で投資資金を増やす

ソーシャルレンディング案件だけで年100万円~200万円を稼ぐには、高利回りで運用したとしても【1000万円~1500万円】の資金が必要とお伝えしました。ただ、会社員の方にとって、給与収入だけで1000万円以上を貯めるということは中々に困難です。

以下では、その資金を作る方法のひとつとして、『複利効果』を利用することを考えてみたいと思います。複利とは、投資によって得た利益も含めて全額を投資し続ける方法です。複利で運用すると、かけ算のように資金を増やせるというメリットがあります。

たとえば100万円の資金を、利回り10%の案件に1年間投資したとしましょう。利回りが10%なので、1年後に得られる利息の分配金は10万円です(税金や手数料は考慮せず)。

そして利益も合わせた全資金(110万円)を、同じ案件へ再び投資したらどうなるでしょうか。資金が10万円増えているので、翌年の分配金は10万円ではなく、11万円になります。

以下の表で見比べてみましょう。同じ資金(100万円)を投資し続ける単利とは異なり、複利は110万円→121万円→133万1000円と資金の上がり幅が大きくなるのがわかると思います。

投資方法 1年後 2年後 3年後
単利 110万円 120万円 130万円
複利 110万円 121万円 133万1000円

このように、複利は投資を長く続けるほど、上がり幅が大きくなります。たとえば、投資資金が500万円あった場合で考えてみましょう。利回り10%の案件を複利で7~8年運用し続けることができれば、投資だけで資金を元手の倍(1000万円)にすることが可能です。

以下では、比較のために単利での運用例も横に並べて見ていきたいと思います。(ここでは、簡単のために税金などは考慮していません)

年数 単利 複利
0年後 500万円 500万円
1年後 550万円 550万円
2年後 600万円 605万円
3年後 650万円 665万5000円
4年後 700万円 732万500円
5年後 750万円 805万2550円
6年後 800万円 885万7805円
7年後 850万円 974万3585円
8年後 900万円 1,071万7944円

単利と複利では、8年後に171万円も利益の差が出ていることが分かります。また、実際は毎年の給与収入を貯蓄して投資資金に加えていくことで、さらに期間を短くすることが可能となります。

全額投資は危険、分散投資を心がける

ここまでソーシャルレンディングのみでセミリタイアを実現する方法をご説明してきました。ただひとつ注意があります。

それは『投資の基本は分散投資』ということです。

すべての資金をひとつの投資(ソーシャルレンディング)に充てるのは危険です。たしかに現在、ソーシャルレンディングは業界全体で急成長中です。ただこの成長が止まったときに、一体どうなるのかは誰にもわかりません。

もし貸し倒れや返済遅延が再び発生し、ソーシャルレンディング業界の未来が不透明になったとき、すべての資金をソーシャルレンディングに投資していたらどうなるでしょう。すべてを失う可能性もきっと出てくるはずです。

ただソーシャルレンディングは、株やFXと異なり、投資対象(元本)の価格が変わらない特徴があります。よって投資さえ行えば、初心者も経験者も同じ利益を上げられるハードルの低さが魅力です。

まだ投資に慣れていないという人は、ソーシャルレンディングへの投資を進めながら、

  • 債券
  • 投資信託
  • FX
  • 不動産

など、他の資産運用についても勉強するのがいいでしょう。そしていろいろな投資を利用して、満遍なく資産を運用できるのが理想です。どれかの投資で大きな変動が起きても、他の投資でカバーできるようにリスクヘッジを心がけましょう。

また、ソーシャルレンディングの投資の中でも、投資する会社や案件を分散するということが大切です。

徐々に投資からの収入比率を上げていくことが大切

少なくとも数百万円は自己資金が必要となるため、セミリタイアをいきなり実現するのは難しいですが、時間をかけて投資からの収入比率を高めて、少しずつ働く時間を減らしていくことは可能です。

また、「セミリタイアの準備ができたから」と、いきなり仕事を辞めたり、仕事を変えたりするのは得策ではありません。資産運用がシミュレーション通りにいかなかった場合、収入が減ってしまうからです。

そうならないように、ある程度は石橋を叩いて橋を渡る必要があります。まず何年かは、色々な資産運用を試行錯誤し、「これなら安定的に運用できる」と確信が持てたときにはじめて退職や転職を考えたほうが良いでしょう。

まとめ

以上、ソーシャルレンディングでセミリタイアをするなら、自己資金はいくら必要かをお伝えしました。

総務省統計局が発表した平均支出から、1年に必要な所得額を考えると、

  • 単身世帯なら【年収200万円】
  • 2人以上世帯なら【年収300万円】

は欲しいところです。そして収入の半分を投資でまかなうなら、

  • 単身世帯は【年100万円】
  • 2人以上世帯は【年150万円】

をソーシャルレンディングで稼がなくてはいけません。それをソーシャルレンディングだけで稼ぐのであれば、

  • リスクの低い案件(利回り6%)なら【2000万円~3000万円】
  • リスクの高い案件(利回り12%)なら【1000万円~1500万円】

の軍資金が必要です。セミリタイアを実現させたい方は、複利効果を狙って早めに投資をはじめてみると良いでしょう。

しかし、貯蓄の全額をソーシャルレンディングにつぎ込むのは危険です。投資はあくまで余裕資金で行い、まずはソーシャルレンディングで少額の投資をしてみながら、株やFX、不動産など、他の投資も勉強して「分散投資」を心がけましょう。

この記事を読んだことで、ソーシャルレンディングでセミリタイアを実現するためのイメージが掴めたと思います。まずは少額から投資をはじめて、セミリタイアへの準備を進めてみてはいかがでしょうか?

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石村淳

石村淳

ローリスクでの資産運用を目指すフリーライター。ソーシャルレンディングや仮想通貨などで、少しずつ資産を増やしています。HEDGE GUIDEではソーシャルレンディング記事が担当です。読者の方の疑問が残らないように、わかりやすく読みやすい文章を心がけています。