ヘルスケア関連の投資信託、成績や信託報酬など徹底比較【2022年4月】

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人々が健康に生きていく上で重要な、ヘルスケア関連事業の投資環境を知りたいとお考えの方もいるのではないでしょうか。

ヘルスケア関連事業は、電子カルテのような医療情報や、健康診断など健康データを扱う2つの分野に分けられます。ファンドカテゴリーでは、製薬事業もヘルスケア分野に分けられています。成熟した社会のあらたなテーマは「いかに健康に生きるか」。健康への関心は年々高まる一方です。

当記事では、ヘルスケア関連事業へ投資するファンドを紹介しています。また、投資環境や今後の見通しについても解説します。新しい投資先を探している方や、ヘルスケア関連事業が気になる方は、内容をご確認ください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※信託報酬など、課税対象となる数値はすべて税込表示としています。

目次

  1. ヘルスケア関連ファンド5本をピックアップ
  2. ファンドごとの概要と特徴
    2-1.グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド 『愛称:健次』
    2-2.東京海上・グローバルヘルスケアREIT
    2-3.日興-アジア・ヘルスケア株式ファンド
  3. ヘルスケア事業の状況
    3-1.新型コロナウイルスによるワクチン需要
    3-2.先進国の高齢化
    3-3.テクノロジーの進化による医療コストダウン
  4. ヘルスケアセクターの今後
    4-1.医薬品分野を中心に市場拡大が見込まれる
  5. まとめ

1.ヘルスケア関連ファンド5本をピックアップ

5本のヘルスケア関連ファンドを以下の一覧表にまとめました。

ファンド名 基準価額 純資産 信託報酬 トータルリターン/1年 トータルリターン/3年 シャープレシオ/1年
三菱UFJ国際-グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド 10,283円 211,876百万円 2.42% 10.44% 9.98% 0.66
東京海上-東京海上・グローバルヘルスケアREITオープン(毎月決算型) 10,904円 34,574百万円 1.749% 3.33% 2.19% 0.23
東京海上-東京海上・グローバルヘルスケアREITオープン(年1回決算型) 14,546円 21,543百万円 1.749% 3.34% 2.19% 0.23
日興-アジア・ヘルスケア株式ファンド 9,291円 7,606百万円 1.805%程度 -22.42% 6.34% -1.39
三菱UFJ国際-グローバル・ヘルスケア&バイオオープンAコース(為替ヘッジあり) 41,611円 1,973百万円 2.42% 2.70% 6.58% 0.18
三菱UFJ国際-グローバル・ヘルスケア&バイオオープンBコース(為替ヘッジなし) 67,741円 8,390百万円 2.42% 10.44% 9.27% 0.66

※数値は4月1日時点の情報です。

SBI証券で扱うヘルスケア関連ファンドは、すべてアクティブファンドです。したがって信託報酬は、約1.7%以上とやや高めです。

一般的に言われるヘルスケア事業に医薬品は含まれていませんが、ファンドのカテゴリーであるヘルスケア事業には医薬品事業が含まれています。ベンチャー系の製薬会社銘柄は財務状況が脆弱な企業があり、価格変動が大きな点に注意が必要です。

2.ファンドごとの概要と特徴

3つのファンドのくわしい概要を以下に解説します。

2-1.グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド 『愛称:健次』

グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンドは三菱UFJ国際投信が運営するファンドです。2004年の2月に設立されたヘルスケアファンドの草分け的ファンドです。株式等の運用は、ウエリントン・マネージメント・カンパニー・エルエルピーに運用指図に関する権限を委託しています。

2022年2月28日発行の月次報告書によると、組入銘柄の地域はアメリカが7割超、その後にイギリスや日本、スイスが続きます。多くを占める組入業種は、医薬品とヘルスケア機器、ヘルスケア用品です。ファイザーやアストラゼネカなど、コロナウイルスワクチンを開発している企業や、イーライ・リリー、ノバルティスなどの企業も見られます。

グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンドは、同じ系統のファンドでオープンA、Bコース、為替ヘッジあり、なしなど、いくつかのファンドから選ぶことができます。

2004年に10,000円からスタートした基準価額は、10年間のトータルリターン数値で約+400%となりました。

ファンドマネージャーからの報告によると、今後は、企業間での業績に格差が出ると判断し、個別銘柄の選定に力をいれていくと報告されています。

2-2.東京海上・グローバルヘルスケアREIT

グローバルヘルスケアREITは東京海上アセットマネジメントが運営するファンドです。世界の金融証券取引所に上場されているヘルスケア関連のREITに投資します。流動性や配当利回り、配当の安定性、成長性など勘案のうえ、銘柄を選定します。

ヘルスケアREITとは、高齢者向けの施設や医療用ビル、看護施設など、医療や介護関連の施設に投資するファンドを指します。アメリカの銘柄へ多く投資している当ファンドは、アメリカ経済の影響を大きく受けています。

2022年2月末発行の月次報告書によると、コロナウイルスの影響によってREIT市場も少なからず影響を受けましたが、状況は回復基調。景気刺激策も期待でき、回復途上の中で一時的な賃料回収率の下押し圧力がかかることも考えられるが、中長期的には明るい見通しとしています。

2-3.日興-アジア・ヘルスケア株式ファンド

アジア・ヘルスケア株式ファンドは日興アセットマネジメントが運営するファンドです。実質的な運用は、日興アセットマネジメント アジアリミテッドが担当。医薬品メーカーにとどまらず、医療用機器やバイオテクノロジー、医療施設など幅広い分野の企業を投資対象としています。

2022年2月発行の月次レポートによると、組入銘柄の上位は中国と香港で半数を締めています。業種別構成銘柄は、38.5%が医薬品、その他ライフサイエンスツール、サービスなどが続きます。

当ファンドの今後の見通しによると、中国では、一時的な規制によって株価は下落したものの、現在は回復途上。膨大な人口を抱える中国の高齢化や薬剤経済面での改善の必要性、世界的野心などを鑑みて、投資妙味があるとして引き続き中国をメインに投資を続けていく方針です。

3.ヘルスケア事業の状況

ヘルスケア関連のファンドへ投資する前に、ヘルスケア事業の状況を把握しておきましょう。

3-1.新型コロナウイルスによるワクチン需要

新型コロナウイルスの蔓延によって注目された業界は、ハイテク銘柄とヘルスケア銘柄です。製薬の分野では、コロナワクチンを作っているファイザーやモデルナ、アストラゼネカが注目されました。

今後のワクチン開発は、先進国の製薬会社であるファイザーなどから、バイオ医薬品に強みを持つ韓国や、ジェネリック医薬品に強みをもつインドへの委託により製薬開発をおこなうCMOが活発になる可能性があります。感染の状況次第では、ワクチン開発は一定の需要を維持し続けるでしょう。

3-2.先進国の高齢化

すこし古い資料ですが、2015年に内閣府より、世界の高齢化率の推移というグラフが発表されました(参照:内閣府「高齢化の状況」)。

グラフを見ると、日本を筆頭に、スウェーデン、ドイツ、フランス、イギリスなど先進国が高齢化社会に移行しつつあります。アジアでは韓国が日本を凌ぐ勢いで、高齢化が進んでいます。やがて、多くの人口を抱える中国も高齢化社会へ移行する時代がくるでしょう。

高齢化社会にとって、ヘルスケアの拡充は欠かせない課題です。時代の流れを考察すると、ヘルスケア事業の市場規模は拡大することが考えられます。

3-3.テクノロジーの進化による医療コストダウン

次世代通信技術の5GやAI、IoT技術の発展により、医療にかかる人手不足の問題は解消され、患者が負担する医療費は軽減される可能性があります。

業務負担軽減と医療費削減に力を発揮するのは、医療AIです。診療時の入力業務の負担を軽減、手術補助のダヴィンチなど、医療とテクノロジーの融合はますます発展するでしょう。医療コストダウンとヘルスケアの拡充は相乗効果をともない、社会インフラとしてより重要な役割を果たします。

4.ヘルスケアセクターの今後

ヘルスケア事業の今後の見通しを以下にまとめました。

4-1.医薬品分野を中心に市場拡大が見込まれる

前述のとおり、ヘルスケア事業は世界的な高齢化社会の到来により、底堅い需要を確保する見込みです。増大するヘルスケア事業は、以下のポイントにより支えられます。

  • バイオテクノロジーの可能性
  • 医療器具の小型化、軽量化による医療技術の発展
  • 患者に強いる負担の軽減

少ない人手で効率のよく、高品質なヘルスケアサービスが提供されるようになるでしょう。

ヘルスケア関連事業は景気に左右されにくく、社会の成熟度が増すにつれて、需要が高まる傾向があります。長期の資産形成を考えるうえで、ヘルスケア産業は見逃せない分野の一つです。

※参考:JPモルガン「ヘルスケアの可能性」

まとめ

ヘルスケア事業は、以前より投資信託のファンドが扱ってきたテーマです。10年を超えて運用している三菱UFJ国際投信のグローバルヘルスケア&バイオファンドは、設定来のトータルリターンが400%を超えました。人が生きていくうえで欠かせないヘルスケア事業は、これからも一定の需要を維持し続けるでしょう。

ヘルスケア事業の注目ポイントは、テクノロジーの導入です。AIやIoTの発展により、コンピューターが人間に代わってできる作業が増えつつあります。電子カルテの導入や手術の補佐によって省人化を実現し、遠隔サービスは患者の通院に伴う負担を軽減します。

ヘルスケア事業とあたらしいテクノロジーの関連性は、投資を検討するにあたって見逃せないポイントです。テクノロジーの発展にも注目して、ヘルスケア事業への投資も検討してみてはいかがでしょうか。

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sayran

「資産形成をより身近に」をモットーに、証券会社にて投資信託を中心にリスクの低い資産形成をオススメしていました。 テキストではよりわかりやすくみなさんの興味分野を解説し、資産形成の理解を広めていきたいと思っています。